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カッコーの巣の上でのtoriten45のレビュー・感想・評価

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
4.1
ほのぼのとした楽しい時間帯がずっと続き、ラストだけガラッと変わる。抑圧、絶望、解放、希望などを凝縮したものを最後一気にたたみ掛けてきます。なので、人それぞれで作品への印象が変わるのかもしれません。

自由奔放なジャック・ニコルソンが服役している刑務所から患者(?)として精神病院にやってきた。徹底した秩序を重視する精神病院に対し、ルール無視で好き放題しちゃいます。「つまらなーーい!たいくつーー!」だから楽しくなることをすぐに思いつきみんなも巻き込んでしまう。

そんな彼が来たことで、ロボットのように日々を過ごしてきた他の患者たちがみるみるうちに生き生きと輝きだすのが微笑ましく感じる。そんな患者たちを演じる個性派俳優も見どころの一つです。ブラッド・ドゥーリフ、クリストファー・ロイド、ダニー・デヴィートなど後に有名になる方が数多く登場するんですね(みんな若い!)。

…で私の場合、ラストは観るたびに印象が変わるようです。最初に観た時は絶望を感じました。色んな負の連鎖が唐突に起きていくことがショックだったのでしょうね。

今回観た時は、解放へと繋がっていく力強いエネルギーと、希望を感じました。初見で感じたショックは和らいでいて、グッと視野が広がったのかも。ずーっと事勿れ主義を通していたアイツが覚醒してバーンってやる。それを観て私の涙腺ジャーってなる。そんな作品でした。

ところでチーフはバスケで笑顔見せちゃダメ(よほど楽しかったみたいだねー)。
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