橋本スパゲッティ

もっと超越した所へ。の橋本スパゲッティのレビュー・感想・評価

もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)
4.6
まさに「ねもしゅーワールド」!!!
何だこの映画は!!!!

4組のカップルと4通りの恋模様を描いた本作。大きく3つに分けて感想を。

序盤
設定が濃すぎない4組のカップル。

働かないヒモ×デザイナー
ゲイの男×女優
落ち目の俳優×風俗嬢
ギャル×どこか自分勝手な男

前田敦子×伊藤万理華のインタビューで2人が言っていた物を引用すると「根本宗子はあるあるを描くのが上手い」と言える。
これは味の薄い普通の作品という訳ではなくて見てる側が現実を感じながら見ることが出来ると言う意味で捉えて欲しい。
それぞれの導入も落ち着いていて見やすかった印象。

後半
それぞれ仲が良かった関係性がひとつの出来事をきっかけに呆気なく崩れていく。
過去の恋愛の失敗を引きずり続ける男たちの描き方も面白い。
それに嫌気がさし、彼女たちが怒りを覚える展開は普通と言えば普通だが、何せキャスト陣の演技が素晴らしい。それぞれが役を「普通に」演じている。俳優自身の味を感じさせず、普通に見える演技をするのは難しいことだと思う。
もちろん男性陣の演技も半端じゃない。
特に感じたのは千葉雄大くん。まさに超ナチュラル。優しいけどどこか相手を傷つけてしまう所まで感じ取れる演技が凄い。
キャスト陣の力演もあって物語は緩やかに終幕に向かっていく。(根本さんは舞台作品も素晴らしいのであえて終幕という表現にしよ〜)


終盤
なんだこれ!
というのが最初の感想。根本宗子監督の舞台を見てる人はニヤニヤしたのでは無いでしょうか?舞台作品感丸出しの演出。
それぞれの女性の部屋が繋がっている作り。ああいうのがあるから「舞台の映画化は難しい」とされるのだろうが、根本宗子は映画館のスクリーンごと舞台に変えてしまったように見えた。
本格的な人間ドラマだと思ったら最後に「ねもしゅー感」を出してきたなと言う印象を受けたが、根本宗子監督の舞台を見た事ない人はびっくりしたりマイナスな印象になるかもしれない。まぁ評価は分かれそうだが、思い切った演出が僕個人としては面白く感じた。
キャスト陣の演技力も高く、他の作品にない終盤という点からも根本宗子ワールドが滲み出てる映画でした。


以前の投稿にも何度か書きましたが、僕乃木坂46のオタクなんですよ。
その中でも2017年に卒業した伊藤万理華さんは「推しメン」通り越して「尊敬する人」な訳です。
根本宗子×伊藤万理華は有名なもんで、以前から根本宗子の舞台作品に伊藤万理華が出演パターンが何度もあったので、映画でのコラボレーションが見れてよかったです。
「サマーフィルムに乗って」が映画ファン、関係者の中で話題になったり最近だとドラマ「旅するサンドイッチ」等に出演したりでちょっとずつ万理華さんの演技力が認められてきたのかなと思います。頑張ってくれ〜。以上、オタクのニヤニヤ話。



エンドロールでオフショット見れるの良いな。