TakuoAoyama

もっと超越した所へ。のTakuoAoyamaのレビュー・感想・評価

もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)
3.5
主題歌「果てしない二人/aiko」

原作は劇団・月刊「根本宗子」の主宰者であり、劇作家・脚本家の根本宗子の2015年の演劇用の作品。

ダメンズとダメンズに嵌る女の4組の男女の物語。

衣装デザイナーの真知子(前田敦子)と真知子の家に寄生し、前の彼女からの仕送りで暮らす中学時代の同級生・怜人(菊池風磨)は仕事しないくせに極度の束バッキー。(スズナリ前が懐かしくて上がった。)

ショップ店員・美和(伊藤万理華)と同棲するフリーター・泰造(オカモトレイジ)は風俗嬢を孕ませた過去があり、美和の妊娠にも不安な様子を露わにしてしまう始末。


風俗嬢の七瀬(黒川芽以)を指名する売れない俳優の慎太郎(三浦貴大)は子役時代の活躍からプライドだけが邪魔をして自身の実力も才能も現状を咀嚼できず、謎の亭主関白でストレス発散する。

元子役の鈴(趣里)は父の会社で働くボンボンでゲイの富(千葉雄大)と同棲し、好きになってしまう。(富はクズ男ではないのかな。)

演劇のような脚本やセットじゃないですかと。最後に4人の住む部屋のセットがセットであることを露にする。

あれは登場人物たちが暮らす部屋が映画的空間ではなく、書き割りだという種明かしなのだ。あまりにも平面的で奥行きがない。クライマックスの10分の唐突な流転はさながら女性同士の奇妙な連帯なんだけど

結託 

ラスト10分の唐突な展開に星を0.2減らした。


怜人や泰造はお金や家を女性陣に頼りっぱなしで、話にならん程クズ過ぎる。
トミーも経済的には迷惑は掛けていないものの、自分本位なところは同じで、他人の気持ちは考慮しない。
この中で変わる可能性があるのは、三浦貴大演じる慎太郎くらいかな…。

風俗嬢の美和も、あれだけ気立てが良いなら、いつか良い男性と出会いそうな気がする。
それに、真知子がああ言えばこう言うで全く反省の無い怜人を、最後には言葉で打ち負かして家を追い出したところは、観ていて気持ちが良かったのに、
「どっかで妥協しないと…」って、そんな妥協できるレベルだったか?

歳を取ると、女友達とツルむのも面倒臭くなって、自分の空いている時間に自分の好きなことにお金を遣いたい、と思うのだが、
これがずっと一緒に暮らしていこうという異性に対して、妥協できるの?
TakuoAoyama

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