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ボイリング・ポイント/沸騰の39のレビュー・感想・評価

3.8
90分の長回し撮影、お疲れ様でした!!!の一言。

タイトルのかんじからもっと、”料理に人生をかける厨房の人々の闘い”みたいな熱い料理映画を思い浮かべていたのですが、けっこうスローで題材も料理でなくても大丈夫そうな人間ドラマだった。

90分通し撮影というだけでも本当に大変だったと思うけど、もうちょっと役者の料理の手際が良いと説得力あって嬉しいな。クリスマスの夜の大繁忙期に、友達兼ライバルの席にのこのこ登場して座ってちゃあだめだわ。ずっとエプロンで手拭いてるだけなのも目につく。せっかくレストランの物語なんだから料理もおいしそうに見えるとなおよかった。

長回しのアイディアはとても挑戦的で面白いと思ったし、それにつられて劇場に見に来たけど、ストーリーもそこそこ予想外で面白かったから長回しが逆に足を引っ張っていた感が否めなくて残念。もっとテンポよくパッパッとカット割りが入るスピーディーな作品にしたら面白くなるのではないかと思ってしまった。

でも誰もが避けたがり、諦めがちな企画を通したスタッフの皆様のハングリー精神は高く評価したいです。


後日追記:
あとからちゃんとパンフ読んだら、飲食業界でいま起きている問題を取り上げるための作品だったと。料理監修もちゃんとシェフが入って、しかも監督も元飲食業の方だと知りました。料理美味しそうに見えなかったのは個人的な好みでした…すみませーん!
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