umisodachi

ボイリング・ポイント/沸騰のumisodachiのレビュー・感想・評価

2.7
ロンドンの高級レストラン。クリスマス前で満席を迎えようとする中、オーナーシェフは多数の問題を抱えていた。余裕がない厨房とフロアもちょっとしたことで一触即発。そんな状況に加えてライバルシェフとグルメ評論家まで現れて……90分を名が回しで収めたというコンセプチュアルな作品。

こちらも飛行機で鑑賞。うーん……あんまり好きではなかったかなあ。負の要素が多い映画が苦手というわけでは決してないのだが、物語を無理やり進めることを目的とした負の要素が多すぎて、かなり(気持ちが)置いていかれてしまった。ひとつひとつはさまざまな社会問題を反映した、いかにもありそうなことなんだけれど、ここまで畳みかけられるとさすがにリアリティに欠けるかな。それに加えて、素人目にもプロとしてどうなの?というものも結構あったし、普通にイライラしてきちゃって。

あと、肝心の料理の描写が弱いことも気になった。あれでは「おいしそう」というような感想を抱く間がないし、長回しにする意味あったかのかな?と疑問が残った。「あのシェフが生み出す料理はいかにも美味しそう」または「いかにもちょっと何かが足りなそう」という感覚が観ている側に生じれば、不自然な負のループも受け入れられたのかもしれないけれど(意識の大半がリアルタイムで提供されていく料理に向かうだろうから)、料理の扱いがテキトーすぎてドラマの粗ばかりが目についてしまった。なんなら、舞台設定をレストランにした意味すらちょっとよくわからなかった。

まあとにかく、こんなレストランには行きたくないですねえ……。
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