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アンビュランスのYYamadaのレビュー・感想・評価

アンビュランス(2022年製作の映画)
3.8
【スリラー映画のススメ】
◆作品名:
アンビュランス (2022)
◆映倫区分 / 日本 : PG12
◆スリラーの要素
 絶体絶命の危機から逃亡
◆本作のポジショニング
 サスペンス □■□□□ ホラー

〈本作の粗筋〉
・妻の治療費を稼ごうと必死な元軍人のウィルと、カリスマ的犯罪者のダニーの兄弟はLA史上最大規模となる3200万ドルの銀行強盗に挑む。しかし予期せぬ事態が次々と発生、激しい銃撃戦が巻き起こり窮地に追い込まれた兄弟は、救急車(アンビュランス)にて逃走。
・さらにそこには若き救急救命士キャムと、ウィルの銃弾を受けた瀕死の警官も乗っていた。奪った大金と共に絶対に逃げ切らなくてはならない。しかも誰も死なせずに…。

〈見処〉
①逃走車は、救急車。
それは、単純な銀行強盗のはずだった——
・『アンビュランス』2022年に製作されたアクションスリラー。本作は、2005年のデンマークの同名映画の英語版リメイク作品であり「Ambulance」は救急車を意味する。
・強盗を働いた元軍人の主人公が、瀕死の警官を乗せた救急車で逃走劇を繰り広げるノンストップアクションである本作の主演はジェイク・ギレンホール、『マトリックス レザレクションズ』でモーフィアスを演じたヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、『パーフェクト・ケア』のエイザ・ゴンザレス。

②ベイ・ヘム
本作の製作・監督を務める「破壊王」マイケル・ベイによる、CGを極力使わず、現実では有り得ないような大爆発シーンやド迫力アクションの演出に対して、米国では「ベイ・ヘム(Bay-hem)」という造語で表現している。本作でも、その特徴的な演出を観ることがが出来る。
・短いコマを繋ぐ、斬新でスタイリッシュな映像
・横転しまくりのカーチェイス・バトル
・「画面酔い」常套の激しく動くカメラアングル
・全ての市街シーンに空撮を多用。
・軍隊や警察の大量配置。
・ハデな音楽とスローモーションのセット演出
・ヒロインはグラマーなセクシータイプ。

③結び…本作の見処は?
バカにするつもりの鑑賞したが、意外に良作でした。
◎:「まるでTVドラマ並み」…ハリウッド大作でありながら、異様に短いエンドロールに大変好感を持て、本作でいちばん印象的なシーン。
◎: マイケル・ベイ作品として『アルマゲドン』以来と思えるエモーショルな展開。劇中のセリフにマイケル・ベイ作品からの引用が沢山登場する、開き直り感も好感を持てる。
◎: マイケル・ベイ作品でありながら、スリラーとサスペンス要素が多めの展開。逃走中の手術シーンは、直視するのが困難なほど、ハラハラ感がある。
◎: マイケル・ベイ作品でありながら、エイザ・ゴンザレスが演じる救急救命士キャムは、人間味溢れるヒロインとなっており、非現実な「ベイ・ヘム」作品に不思議なリアリティをもたらしている。
○: 本作のジェイク・ギレンホールは、彼の
フィルモグラフィにおいて、期待とおりの平均的なクズ・キャラクター。
▲: 90分程度で演出出来そうなストーリーを延々と続くロサンゼルス市内の逃走劇に、ドローン撮影の多用や激しく動くコマ割り演出を付け加えることにより、期待どおりにマイケル・ベイ作品名物の「画面酔い」が存分に堪能出来る。
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