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アンビュランスのSSSのレビュー・感想・評価

アンビュランス(2022年製作の映画)
3.8
マイケル・ベイの最新作。銀行強盗の兄弟(ジェイク•ギレンホール&ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世)が救急車を盗み、重体の警官と救急救命士を乗せてLAを突っ走るノンストップサスペンスアクション。以下はできる限り公平に記載していくつもりだが私自身2013年の映画ベストに『ペイン&ゲイン』をいれるどころかオールタイムベストトップ10に入れる人間なので公平性はないに等しいと思って欲しい。

良かった点
・CGを極力使わない派手なベイヘムっぷり
迫力ある映像を撮りたい?簡単な話さ。
1.車を複数台用意する
2.車の中でできる限り低い角度からできる限り近い場所にカメラをせっとする
3.物理的な合理性は無視して画面映えする火薬量を仕込む
出来上がったのがマイケルベイ作品である。大迫力の爆発シーンが完成するので爆破シーンを心がける新人は是非ともマイケル・ベイを参考にして欲しい。余談だが、悪い例は『007/スペクター』のサム•メンデスである。火薬量でギネス記録を得たのにも関わらずあの爆発シーンはお粗末すぎる。


・倫理観が狂った登場人物たち
よく言えば倫理観が狂っているなのだが実態はアホなだけである。でもそれで良い。だってマイケル•ベイ作品なんだもの。


・ドローンを使った新しい演出
本作の白眉。ドローン撮影を用いてカーチェイスや引きのショットもグリングリン回る。マイケル•ベイ自身も心から楽しんだことが伝わってくる今回の撮影に皆さんも大画面で酔いしれて欲しい。冗談抜きにロングショットや派手なスタントショットでもドローンを使うことで定点カメラとは異なる趣を提供できることを証明した本作の意義は大きいと思う。

悪かった点
・プロっぽさを感じない銀行強盗シーン
釈を短くするために銀行を制圧するくだりが省かれているのだが、このせいでダニーが集めたチームがプロの集団ではなく寄せ集めの烏合の衆としか思えない。というか作中の描写だけを踏まえれば烏合の衆だった。あんなアホな面子を集めて銀行強盗をしようとするダニー自身の株が下がる案件ですぜ。

・終盤が少しダレる
カルテルのアジトに匿われてからの話は物語に深みを持たせるためのオマケなので序盤〜中盤までの勢いが削がれて少しだれてしまう。一方でダニーの株を上げるためのパートと考えれば納得はいくので不要とは言い切れないところ。

賛否両論点
・登場人物が全員アホ
これはマイケル・ベイ作品におけるお約束なので悪い点ではない。

総評
90年代のアクション映画調で最近の続編多、CG多用、サプライズキャスト頼りの大作(お前のことだぞMCU!)に対するアンチテーゼとしてマイケルベイが送り込んだ刺客。興行的成功の可否は置いておいてハリウッド映画とはこーいうものなんだよ!!という気概を感じたし、少なくとも私自身はついていきたいと思わせる出来だったのでマイケル・ベイには一生ついていこうと思う。でもトランスフォーマーは勘弁な!
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