まーしー

アンビュランスのまーしーのレビュー・感想・評価

アンビュランス(2022年製作の映画)
3.5
ある銀行強盗の兄弟がカージャックしたのは救急車だった!?
救急車内の怪我人と救命士を人質に、街中の追跡劇が始まるアクション映画。

他のフォロワーさんが「懐かしきあの頃のアクション」と表現されていたが、まさに言い得て妙だと思った。
90年代のアクションを、その良さを活かしつつ現代版にアップデートされている。
とりあえず街は破壊の嵐に包まれ、大半の車は意味もなくクラッシュする。いかにもマイケル・ベイ監督らしい。
だが、こうしたアクションにツッコミを入れてはならない。これぞ80年代から脈々と受け継がれてきたアクションの1つの「型」だと思う。まさに、アクション映画にも歴史あり。

ただし、本作はアクションのみならず、人間ドラマも比較的しっかり描かれている。
医療費を払えない貧困家庭や正義感あふれる救命士など、救急車の狭い車内に社会の縮図が用意されている。
また、幅広い人種と性別を登場させるあたり、多様性を意識していることも伺える。
正義と悪者だけが登場した以前のアクション映画とは、一線を画していると言えるだろう。

全体的にはド派手なアクションの連続で、やや胸焼けを起こした。しかし、それだけ見応えはあった。
ジェイク・ギレンホールは相変わらずの演技のうまさ。そして、その弟役には新生『マトリックス』のモーフィアス役だった黒人俳優。
キャストを見ても、鑑賞して損はないだろう。