磨

吾輩は猫である!の磨のレビュー・感想・評価

吾輩は猫である!(2021年製作の映画)
3.4
窮地に陥った4人の男女の運命が、1匹の“オッドアイ”の白猫を軸に複雑に絡み合っていくさまを描いた作品。
「いざなぎ暮れた。」の笠木望が夏目漱石の小説から着想を得て、武田梨奈を当て書きした主人公が活躍するノワールアクション。

やはり日本屈指のアクション女優、武田梨奈待望のリアル格闘が最大の見どころ。当て書きとはよくわかってらっしゃる(笑)
彼女、なぜかお淑やかな役が多く折角の武器を活かせてなかったけど、今作では魅せてくれます。最後半だけどハイキック・クイーンの華麗なる蹴撃。少し齧ったとか本作の為に練習したとはレベチのキレは見惚れちゃう、これだけもっと見たかったくらい。
ちなみに格闘シーンの代償なのか台詞を失ったもよう(笑)劇中、全く喋りません。禰󠄀豆子やドラクエの主人公ばりです。

それ以外にもアクションシーンには力を入れている印象で、ミニシアター系映画でこそ存在感が光る津田寛治や、むしろこの役では勿体無いんじゃないか?と思える芋生悠もバリバリ動いて(戦って)ます。
映画初出演でスケボーやパルクールという特技を遺憾なく発揮した黒田百音は、新たなアクション女優の出現‥なのかもしれない。

ただ、これだけ魅力的な登場人物ばかりなのに、人物の掘り下げをあまりしてなくて残念に思う。異なる目線で同じシーンを繰り返す関係で、無駄に時間を使いすぎたのか、内容のわりに2時間弱という上映時間はちょっと長いと思った。

視点撮影シーンが多いのが特徴。猫を巡る、を謳っているだけにネコ視点が多いのは(酔う?)なかなか面白いと思ったけど、他の人物でも視点映像を多様しているのでちゃっと飽きちゃうかな?


個人的な所感としてはクルマネタをちょいちょい入れてくるわりに、肝心な車がダサい。闇組織的な人たちがホンダクロスロードってどうよ、なんかチョイ悪カスタムしてるし‥。威圧感も清潔感もないや(笑)
ハマーもどきって言ってるのには大草原。
磨