だーすけ

ネイビーシールズ ローグ・ネイションのだーすけのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

まさかの97分ワンショット撮影、、、

事前情報ほぼ無し。
誰かがTwitterで「割と今年の当たり」みたいなこと呟いてたのをたまたま見ただけで、大好きなスコット・アドキンス主演だからと観始めたんだけど、始まって数分で異変に勘づく。

最初のシーンからやけにカメラがグラグラと手持ち特有の動きをする。
余計な音楽やカット割が無い。
しばらくしてから気づく。
「あれ?ひょっとして最初からここまでカット割ってなくない??」

沸々と湧き上がる期待と共に事態の進行を見守る。
画面の中ではどんどんやばい状況が進行し、主人公たちは追い詰められ、ピンチに次ぐピンチ。
こちらも「これ、どこまでワンカットなんだ??」と目を皿のようにしながら観てるのに全くカットが割られない。

そして開始から20分くらいした頃に淡い期待は確信となる。「この映画、とんでもないことをやろうとしてる!!」

そもそも序盤から物凄い緊張感のあるストーリー展開なのに、それが全く途切れないし、ワンカット長回しだからリアルタイムなわけで、余計に息が詰まる。

しかも、あのスコット・アドキンスがほぼ体技を封印して、ネイビーシールズとしてのリアリティがある動きだけに制限してるもんだから、余計にヒリヒリする。
(つまり全く超人的な活躍はなく、精鋭部隊ではあるけど1人のリアルな軍人として動く)

この映画の挑戦に気づいてからは「このワンカット、いつか途切れちゃうの??」っていうドキドキも加わって、余計にサスペンスフル!!
なるほど、ワンカット長回しにはこういう効果もあるのか、、、

そしてエンドロールには堂々の「ONE SHOT」の大文字。
大変に素晴らしい挑戦を観た。
これを作ろうとしたこと、そして実際に作ってしまったことに大きな賞賛を贈りたいです。

もちろん、やろうとしてることがあまりにも挑戦的だし、挑戦内容の性質からして各キャラクターの掘り下げはそんなに丁寧には出来ない。
そんな中でも掘り下げられた、最初は頼りなく見えた分析官のお姉さんの肝の座り方、テロ組織に協力する羽目になってしまった本作のマクガフィンであるマンスールの悲哀、それを覆す切り札はよく出来てたと思う。

そして、体技はほぼ封印したものの、97分ほぼずっと画面に出続け、その間のほぼ全編でアクション(銃、ナイフ、2度の長めの格闘、撃たれまくりながらも地面をゴロゴロしながら回避しては何人もの相手を仕留める、誰よりも多いセリフ量)をミスなくやり続けるスコット・アドキンスのセンスと体力、気合いにはほんと脱帽ですよ。

いやー、すごい映画を観てしまった。