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ウーマン・トーキング 私たちの選択のおっとっとのレビュー・感想・評価

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無字幕でもかなり見易く、むしろ日本語字幕で見てしまったら
感情ぐちゃぐちゃにさせられていた気がする。から無字幕の距離感でよかった。

ウィショーが演じるオーガストが、教育を受けた者だからこそ理解する
自身が男性性を持ち合わせている以上、自身がもたらし得る恐怖
そして教育者として責任を負おうとする覚悟。
(その立場に立つ事でさえ烏滸がましいと思っている態度にまた涙・・・)

マーラを久しく見ていないと思っていけど(嘘、ナイトメアアリー以来か)
憐憫も愛情も諦観も微笑み一つで見せきり、貫禄がマリガンに近しくなってきた(二人は同世代!男の隣に立つ、可憐な女性的キャラクターを演じるが多かった彼女たちが自分たちの声を手に入れ、現在このような役柄を演じているのに、また涙/余談だけどレフンは女性を描くことはてんでダメだと思うし、そもそも彼は気にもかけてなく、そんな彼のこれからを私も気にかけていない。)
「ふさわしい距離は、我々に理解をもたらし、それはもしかしたら赦しをもたらし、もしかしたらそれを我々は愛と呼べるかもしれない」
と曇りなき眼でいうマーラの強かさ。

フォイもバックリーも、そしてウィショーも大好きすぎる俳優のアンサンブル。
冒頭から吠えるフォイに、痺れを切らしたバックリーが
「私たちに選択なんてあるというの?!」
という現実を見据えた台詞も胸に刺さり、事実、私は「選択」はあるようでない彼女たちがそれでも選んだ「覚悟」の方がしっくりくる。
未来のため、子供のため、女たちのため。希望に溢れたラストだと思う。

ワンシーン、連帯の意味はなくとも、彼女たちが掲げた拳が並ぶその画に、私も静かに胸の中で拳を突き上げたのでした。

みんなに見てほしいけど、トリガリーなので、無理はしないでほしい。
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