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ウーマン・トーキング 私たちの選択のeigadaysのレビュー・感想・評価

3.0
サラ・ポーリー監督作品はカラフルな悲劇という印象でしたが、本作はほとんど色がない世界。なぜならばメノナイトの女性達の物語だからです。

メノナイトとは、キリスト教アナバプテストの教派。非暴力・平和主義で、未だに電気、テレビ、ラジオといった電化製品、そして自動車などの近代技術を使わず、決まった髪型・服装で、質素な生活を送っています。

メノナイトの暮らしぶり、そして本作のインスピレーションとなった事件については『幽霊に犯されたボリビアの女性たち』というドキュメンタリー(25分ほど)を観ればよく分かります。

驚くのはこの話の時代設定が2010年であることです。そして架空のコロニーですが明らかに世界各国で現代女性の置かれた不利な立場を象徴させています。あのPLAN Bならではのプロデュース作品と言えるでしょう。

基本的に会話劇ですが、役者が芸達者ばかりなので飽きさせないのはさすがです。これからどうするかを女性達が話し合う場で書記を務めるオーガスト(ベン・ウィショー)の視点がそのままこの映画の視点というのは新しいアプローチでした。
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