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ウーマン・トーキング 私たちの選択のhshutoのレビュー・感想・評価

3.9
キリスト教派メノナイトのコロニーに生涯暮らしてきた女性達による討論をテーマとした会話劇。男性には薬品を使用され暴行、出産を余儀なくされてきた女性が討論を経て立ち上がっていくのだが、架空の場所とは言え設定が2010年というのが驚き。本作は、ボリビアで実際に起きた事件を元に書かれているので、絵空事ではないということ。80年代に公開されたハリソン・フォード主演の「ジョンブック」のアーミッシュの生活を知った時以上の驚愕。

話はほぼ、コロニー内にある集会場での討論の様子。本当に派手さのない映画である。ただ繰り広げられる討論、そして女性達の心情の変化、そして決心。見ごたえは十分。出演者、皆それぞれ個性豊かで素晴らしいが、特に数少ない男性の登場人物である教師オーガスト、静かに進む本作の中で重要な役割を見事に演じている。オスカーに共にノミネートされた「イニシェリン島の精霊」と並ぶ会話劇の傑作です。

(以下余談)
アカデミー賞も本日授賞式が行われ、同作は脚色賞を受賞。納得と同時に「Everything everwhere at once」の脚本賞に驚き。作品賞は、いろんな意味で獲ってしまうんだろうなと思っていましたが。とにかく「Everything 〜」に全く乗れなかったせいか、今年のオスカー、個人的には不完全燃焼。
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