Ayumi

ウーマン・トーキング 私たちの選択のAyumiのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます


キリスト教の一派、メノナイトたちの住む村で、女性が意識のない間にレイプされる事件が相次ぐ。被害を訴えても「悪魔の仕業だ」と言って相手にしてもらえない。それらが男たちによる犯行だとわかったことで、女性たちは「許す」「戦う」、「村を去る」という選択肢の中から決断を迫られる。

冒頭に「この物語は女性たちの想像によるものだ」と言われるので、てっきりフィクションだと思っていたが、2010年にボリビアで実際に起きた事件をもとにしていると聞いてゾッとした。「男性を許さなければ、村を出ざるを得なくなるのでは?」からの「強制されて許すことは、本当の赦しなの?」という会話が印象的。そして年長の女性がいう、「おそらく『許す』ということは、許可することと混同されることがある」という発言が議論を方向づける。

私はクレア・フォイの言った「娘を欲望のはけ口にされるくらいなら、男を地獄送りにしてやる」(つまり戦う)に一番共感したのだけれど、その後パニック障害を起こす少女の「彼らによって自分が信じられなくなった」という告白にも泣いてしまった。それから、最後に娘と孫を送り出すフランシス・マクドーナンドの気持ちも考えた。

被害に遭ったのが自分なら?自分の娘なら?そして身近な男性が加害者になったなら?自分ならどうするだろうか。多くの人に見てほしいけれど、しんどいので勧めづらい。
Ayumi

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