たまちゃん

ウーマン・トーキング 私たちの選択のたまちゃんのレビュー・感想・評価

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あるコミュニティーの中で一人二人ではなく、大勢の女性が強姦されていたと言うのに、「気のせい」「悪魔の仕業」と取り合ってもらえていなかったと言う実話を描いた作品

昔の話かと思っていたら、2000年台の話だとのことで驚く。現代でそんな事ありえる?
でも日本でも文盲の人達は実は沢山いるし、セクハラパワハラをもみ消す、なんていうのもよく聞く話し。
最近観た「ヴィレッジ」でも思ったけれど、狭いコミュニティで生きて行くのは苦しい。
都会から戻ってきたら黒木華ちゃんや(ヴィレッジの話です)オーガストのように、外からの風が入ってこないと淀んだ空気を吸い続けることになってしまう。

女の人が感情的に喚いたり怒鳴ったりすると「ヒステリー」と言う言葉で抑えられてしまう事があると思う。「気のせい」と片付けるのに便利な言葉だ。

実際には女性達はこのような話し合いはしていないらしいし、男達はほんの数人で逮捕された後もあまり反省せずに終わってしまったらしい。
裁判では寝ている間の知らないうちに行われたことで、精神的苦痛はなかったのだという主張もあったそうで驚くばかり。

せめて映像の中で、女性達を男性達に立ち向かわせ闘わせて溜飲を下げたのだと思いたい。
神は罪を赦すのだから、男達を赦さないことに決めた彼女達は神に背くことになってしまう。
それでもみんなで話し合って「出て行く」事を決めた彼女達の自立に拍手するのみ。

ルーニー.マーラ!彼女の静かな眼差しが大好き。
オーガストの最後の「いつまでも愛してる」には泣きました。
たまちゃん

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