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ウーマン・トーキング 私たちの選択のSQURのレビュー・感想・評価

4.0
善に向って働いているのなら、周りに誰もいないように思えるときでも、孤独に思えるときでも、空間的な距離を飛び越えて他の人とつながっているのかもなと思った。

これは"確認"の映画であり、私たちの中にある善に向かう性質を「あなたにもあるよね、私の中にもあるよ」と確かめあっている。私たちは繋がっているが、ともすれば孤立しているかのように錯角することもあり、それをもう一度確認し直している形だ。
それは地盤固めであり、作戦会議であり、今後この上に積み上げることになる。積み上げなくてはいけない。固めた地盤の上に建つ建造物は、いわば"天国"であり、それは人間のなかに生じる加害をもたらす心性がいかにして「本質的な人間の性向であるところの善」に向かう軌跡へと起動を修正しうるかの物語だ。

木造の作業場の2階でずっと話しあっているのだけど、2階の西向きの壁の一面が開け放つことができて、映画中盤にそこから陽がまさに沈んでいく瞬間が映る。言葉の多い映画だけに、そのマジックアワーの空とそしてそのあとに訪れる夜が、とても綺麗だった。
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