ゆきゆき

ウーマン・トーキング 私たちの選択のゆきゆきのレビュー・感想・評価

4.0
サラ・ポーリーって『ドーン・オブ・ザ・デッド』のイメージだったけど、現在は俳優は休業して監督・脚本家として活躍してるのですね。

中世を思わせるような生活を続ける現代の村で、男性たちに暴力と抑圧により虐げられてきた女性たちが、耐え難い暴行の果てに、自らの身の振り方を話し合い、決断を下す2日間を描く。

対話によってコミュニティの行く末を決めようとする、これが彼女たちの初めての民主主義なのでしょう。とはいえ同じ境遇の女性たちは一枚岩ではない。思いも主張も違う中で、ひたすら衝突しながらも話し合い続ける。前時代的な暴虐に対抗するのは、対話と団結と教育というのがとても好ましいテーマです。

女性たちの中に唯一参加する男性のオーガスト。立場上傍観者でしかいられない彼が、モンキーズの「Daydream Believer」のサビを唄い自らを奮い立たせるシーンが好きです。

ラストに彼が女性たちに託されたものと、彼女たちに託したもの。相反するそれらが今後の行く末にどう影響するのか。それを考えると少々複雑な思いになります。
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