umihayato

ウーマン・トーキング 私たちの選択のumihayatoのレビュー・感想・評価

5.0
今現在社会にある、人権・ジェンダー・民主主義の問題を考えたり、議論したりする上で持つべきな基礎的な視点や考え方を教えてくれる映画です。

この社会を象っているのは、誰のどんな法や宗教(=価値観・死生観・常識)で、それによって誰が何不自由なく堂々と生きることが出来ていて、誰のどんな自由や権利や尊厳が脅かされているのか、誰が口を閉ざして生きなければいけなくなっているのか、そしてそれを是正する為にはどんな話し合いが必要で、その話し合いにはどんな視点や前提となる知識が必要なのか。
教育や外の世界が遮断されている事で何が奪われているのか。
マジで今この基礎を頭に入れておかないと、大変な社会になると思います。

「多数派の権利は?」
「男の権利は?」
「多様性が嫌な人の権利は?」
そういう自分の特権性に気付いてなく、知識も教養もないバカ丸出しな、素っ頓狂でお門違いな主張をしたくなる前に、全ての人に見てほしい。
あなたがその主張を言える事自体に特権性があるんだよ。


自分が生まれながらに享受してる特権性には自覚的でありたい。

物語の設定的には、2010年に人里離れて外を遮断し、昔の生活をしているカルト宗教(支配層(男性)による性加害が常習になっているのでこう呼びます)の村。
その村での問題が、カルトでも昔でもない現代にそのまんまスライドして考える事が出来てしまう事に悲しさを感じます。

マクドーマンドがあの役をやっているのはかなりグッと来ました。
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