シノ

ウーマン・トーキング 私たちの選択のシノのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

途中で「これ2010年が舞台なのかよ!」と衝撃。
行動を制限し我慢を強いるのも信仰なら背中を押すのも信仰なんだな…それが女たちを縛っていて、そこまでして信じないといけないのか?と疑問が出る。
女たちの意見も一枚岩では無いけど皆傷付けられたのは同じで、それに対して諦めてるか怒ってるか怖がってるかの違いで消極的な「赦し」ではあるけど積極的に「赦そう」としてる人はいなかった。
高圧的な態度を取るのも(町からじゃなくてその話題から)逃げようとするのも防衛機制だと思う。

違う意見の女にも、気持ちを吐き出した後皆んなが自然に寄り添っていってるの、「ケア」だよな。男同士もやればいいのに、マジで。
何度も劇中で「でも私達がいなかったら男達の面倒は誰が?」って、それに慣れすぎてて自縛してしまってる。「女がいないと何にも出来ない」って思われてて実際そう振る舞ってて恥ずかしくないんか、男…。

唯一顔が出る成人男性のオーガスト、やはり知識と教育は人間を作るな。
途中でオーガストが八つ当たりされるシーンや、弱音を吐きたそうな、気持ちをぶつけたそうな所もあるんだけど全てを抑えてる。(残った町で他の男達の攻撃、言及を受けながら子供達への教育を続けていくの、無理だろ…)
人によったらオーガストを「男らしく無い」と見る人も多いだろうけどそれが認知の歪みなんだよと思う。「男らしく」の思い込みから降りなよ。

この映画を観た男性の大半は「最悪じゃん、酷すぎる!」と思うと思う。でも程度や規模の差はあれ毎日同じような事が日本でも世界中でも起きてる。で、それを分かってて放置してるのも加害側だよ。「酷すぎる!」と思ったらその気持ちを忘れないで、日常的に起きてる事件にも適用していってほしい気持ち。

途中で「Not All Men.(全ての男じゃないわ)」というセリフ、めちゃくちゃ良いタイミングで刺してこられて涙飛び出た。
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