jellyfish

ウーマン・トーキング 私たちの選択のjellyfishのレビュー・感想・評価

3.8
「男達に何か頼み事をしたことがある?」
“無いわ!”と言って笑い転げる女達
疲れ、諦め、絶望、女達の笑顔からはそんな乾ききった感情が見えた

傷付いた女に寄り添い、背中を撫でる
そうやってお互いを励まし、癒してきた
そこに言葉はいらない
“言葉”は、理解し乗り越えるためにある

確かに、暗い納屋の中で繰り広げられる会話劇は分かりずらい
理論的とは言えず、かなり感情的に進められる
急に聖書の一説が読み上げられたり
よく分からない例え話しがあったりする
ただ、彼女達が必死に焦っていることはひしひしと伝わってくる

私達は、「きちんと説明してくれるお行儀の良い映画」に慣れすぎているのではないか?
彼女達は男達に抑圧され教育も受けられず使役されているという視点を忘れていないか?
これは、セリフを読み上げる“映画”ではなく、“実話”なのである
それを踏まえた上で、彼女達の会話を“分かりずらい”と切り捨てることができるだろうか?

私はこの“分かりずらさ”がとてもリアルだと思った
たった2日間で村の女達全員の未来を決めないといけない
その決断をエンタメとして消費するのではなく、ありのままを見せる
とても良い作品でした
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