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ウーマン・トーキング 私たちの選択のichicoのレビュー・感想・評価

4.5

やっと見た。とてもよかった。

一息に見てそのまま冒頭を見返したんだけど、これはこれから生まれてくる子へ語りかける形での物語構成なんですね。そのことが最後に効いてくる。

物語は、現実のメノナイト(キリスト教系の、電気などを使わずに暮らす人々)の集落で起きた事件(結末は違う)を元にしたミリアム・トウズの小説が原作とのこと。

教育を奪われるということの恐ろしさを感じる一方で、明確に希望を描こうとしているのを感じる映画でもあった。少しでも良い方向に進むための何かを探ろうという意志を感じる。
信仰を守りつつ、その中で善くたるための行動を探っていく形で話が進むのも納得感があった。日本では宗教を描いた作品というのはなかなか難しいところがある気がするけれど、
生活に寄り添う宗教というものは、枷になる一方で杖にもなるものだと思う。

オーガストの背負うものが大きすぎて心配だけど、彼が語った教育の話がこの作品の提示する救いのひとつなのだろう。
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