となりの

ウーマン・トーキング 私たちの選択のとなりののレビュー・感想・評価

5.0
素晴らしかった。

共同体に根ざす家父長制を問題にしつつも、信仰を原理に、共同性を作り出す。会話において。
それは理念の水準でもそうであるし、女性たちが自らの生を肯定し連帯するときもそうである。

とりわけ、「主よみもとに近づかん」を歌い、故郷を離れることを選び、出ていく。そうした一連のシーンからは、今日、信仰がもつちからについて考える必要を強く感じた。
霊性にもとづき、他界ではなく、今の世界での生ではなく、別の生を思考すること。

また、さいご、「あなたの物語はきっと違う」は、生まれてくる子たちを思う希望でもあるようだが、この作品をみる私たちが生きる世界が「善」であるようにとの祈りのようでもある。

言うまでもなく、現世に生きる私は、オーガストが現世から逃げることなく闘うべきであるように、現世を見つめ、ときに夢を見ながらも闘うべきである。
となりの

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