メタ壱

コドモなオトナの人生レッスンのメタ壱のレビュー・感想・評価

3.5
事業に成功しモナコで富豪として生活していた父親は、贅沢な生活の中でワガママ放題に育った3人の子供たちに頭を抱えていた。
なんとか子供たちをマトモにしようと考えた父親は、会社が破産したと嘘をつき子供たちと無一文の生活を始める事に!…というお話し。

過ぎたるは猶及ばざるが如し!
というわけで、過ぎたお金・贅沢は人から大切なものを見えなくしてしまいます。

人は不自由があるからこそそれを満たそうと一生懸命になるし、欲しい物があるから努力する。

その向上心は人が生きる事そのものであり、その過程の中で自分にとって本当に大切なもを見つける事が出来たりします。

本作のおバカ三兄妹も無一文の生活の中から本当の自分の特性ややりたい事を見つけていくわけですが、あれだけ嫌な奴らだった三兄妹が不自由な生活の中でどんどんと魅力的な人になっていきます。

で、その“過ぎたる”っていうのは何もお金の事だけじゃなくて、例えば多すぎる情報だったり、過剰な利便性もそうだと思います。

今やネットで沢山の情報を手に入れられる時代ですが、大抵の情報はほとんど自分にとっては役に立たないもので、そのくせ脳のメモリーは消費しちゃうから自分にとって本当に大切なものを見失わせてしまう事も。

また、IT技術などの発展により掌の中のスマホ一つで何でも出来るようになりましたが、それは自ら試行錯誤したり努力して何かを得るという喜びを奪っているような気もします。

普段の生活の中で、特別に困った事や不自由な事はないはずなのに何故か満たされない気持ちになった時は、一度身の回りのものを手放し、もう一度大切なものだけ一つ一つ拾い直してみるのもいいかもしれません。
メタ壱

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