帆立さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ソウルメイト(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

涙誘う系の設定が多い印象、前半は(あまり得意ではない)キラキラ青春ストーリーに見えて、終盤にかけての展開もなんだか冷静に観てしまっていた。最後に娘が着ていたコート、ママと同じものが欲しい!と言って買っ>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

これほど遠くまで連れて行かれるとは。作り込みの凄さ、特に実家なんかは建築として見惚れてしまうほど。終盤の母親が出てきてからは、何も起こらなさすぎて少々退屈に感じてしまうくらい、その他のシーンをケタケタ>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

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犬のスヌープの怪演!!コピーや予告のような真実探し(サスペンス・ミステリー)というよりは、ヒューマンドラマ的な印象だった。夫婦喧嘩の長回しは『マリッジ・ストーリー』を想起させる。言い争うシーンは気分の>>続きを読む

ミツバチと私(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

家族や街の人々、水、信仰、彫刻、ミツバチ……それぞれの要素が、人物間のわだかまりを浮き上がらせ、解かすように作用していくのが印象的だった。ココが寝室で涙を流すシーンの泣き声やその姿が、幼少期に自分がど>>続きを読む

テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

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あの爽快なラストがあったとしても、テルマみたいな人大っ嫌いだな。

パーマネント・バケーション(1980年製作の映画)

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廃墟へと続く茂みを歩くシーンの音の使い方に驚いた。ラストカットがシャンタル・アケルマンの『家からの手紙』と同じだった。彼にとってサックス(の音色)とは何だったのか。

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

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運転も言葉遣いも荒くて、あまり良い気分ではなかった。映画館があたたかくて眠かった。夜は家で静かに過ごす方が良い。

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

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台詞や音楽で心情を説明するのではなく、人と人との距離感や視線の先にある物事を通して、伝わってくるものが沢山あった。何より、彼女の変化が駆け抜ける姿に現れていくのが印象的だった。閉ざされていた心に涼風が>>続きを読む

カラーパープル(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ゴスペル・ミュージカルとしてリメイクされて、見やすくなったように感じた。スピルバーグ版で印象的だった場面がカットされていたり、シチュエーションが変わっていたり……物語のスピード感やキャラクターの描き方>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

この作品の凄さを語るには、理解と言語がまだまだ十分ではないけれど、過去作を観て、ザ・シネマの解説に目を通した上で鑑賞できて良かった。《「私はアナ」と呼びかけて目を閉じる》とはどういう事かを思い返すほど>>続きを読む

カラーパープル(1985年製作の映画)

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ミュージカル版の予習のために視聴。生まれ育った環境があまりに壮絶で、序盤からショッキングなシーンが多く苦しかった。姉妹の絆には胸が熱くなった。人種や男女など関係なく、自分を大切に生きることができる世の>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

春の日差しのような暖かな作品。あの場所で生きていく彼らを、街の風景、暮らす人々、そして音楽が、そっと見守り、寄り添っているように感じた。物語の中で登場人物たちが、生活の音に耳を傾けている姿が印象的。カ>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

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バービーの知識が全然ないから、色んなバービーとケンがいるんだ〜ってはじめは面白かったけど、人間世界に行った頃から、何言ってるのかよく理解できず、メッセージにグッとくる感じもなかった……

熱のあとに(2023年製作の映画)

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演技派のキャストが揃い、題材も興味深かったのに、台詞なのかシチュエーションなのか、なんだか淡々と観てしまった。衝撃とか裏切りを期待しすぎていたのかもしれない。誰の言動も分からないまま終わってしまい、ど>>続きを読む

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

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劇場だからこそ、暗闇と静寂に包まれた時間が特別だと感じることができる。優しく寄り添うギターの音色も心地良い。街灯や信号機の明かりがぼんやり丸く浮かんで見えるのが好きで、裸眼で散歩したり、助手席でメガネ>>続きを読む

Here(2023年製作の映画)

4.5

風が身体を通り抜け、自然に耳を傾けながら、夢と現実の間を歩いているような映画体験だった。スクリーンからマイナスイオンが放たれているような、澄んだショットの数々。特別な瞬間に立ち会ってしまった、忘れられ>>続きを読む

エル・スール(1982年製作の映画)

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窓から差し込む光によって、少しずつ輪郭が現れて消える、F.I./F.O.の表現が美しい。ラストの主観ショットも胸に迫るものがあった。

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

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子役の眼差しによって語られる、想像してたより長回しと余白の多い映画だった。タルコフスキー観た時の感覚に近い。時計から聞こえる音楽が印象的。

愛なのに(2021年製作の映画)

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画のトーンも相まって、重苦しい、どの設定も文鎮みたい。『猫は逃げた』くらい軽やかな方が好み。脚本と監督を入れ替えて、こんなにも変わるとは。

猫は逃げた(2021年製作の映画)

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生活の営みの描き方が、リアルだけどゆるさがあって、共感はできないけど理解はできそうな、『アガペーからエロースに進化した』くらい説明できないけど、嫌な感じはあまりしなかったし、猫も含めてみんな人間くさく>>続きを読む

そばかす(2022年製作の映画)

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演劇で見る人たちが映像の中でお芝居しているのが不思議な感じだった。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

心地良さのない音楽に聴き入ってしまう。レンズの使い分けが面白すぎる。世界観も好み。ベラの成長に色々と考えさせられる、けど可笑しい。久しぶりに映画を観ながら、冒険をしているような、楽しい!って感情になっ>>続きを読む

ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

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誰か(あるいは自分自身)を見失った時、色彩の感覚が失われ、聴覚が惑わされ、過去と現在を彷徨い、フレームの中にひとり取り残されていく。ハンマースホイの絵画のようだった。

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.0

ただのライブではない、ドキュメンタリーであり、ミュージカルのように物語が見えてくる、不思議なショー。3曲目くらいからもう胸がいっぱいで、踊りたくなる。ステージングがシンプルなのに細やかで、複雑なんだけ>>続きを読む

VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

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人生という下り坂をどう降りていくのか、老いを認めて生きること、いつまでも若いままでありたいと願うこと、どちらが自分のためになるのだろう。

わたし達はおとな(2022年製作の映画)

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個人的なあるあると好みの映画。誰とも関わりたくないレベルでどうしようもない人しかいない。アスペクト比を使い分けている

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

チャーミングなショットが多くて、前半から心を掴まれる。フィルムのくだりが全部好き。平山さんの整った暮らしが良い。布団を畳むことが作法のように美しい。エンドロール中ずっと泣いてた。

東京での暮らしをも
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

村上春樹さんの小説を読んで。みみずくん。想像してたより地震のシーンが多くてしんどかった。主人公があんまり好きになれなくて、やっぱり作風が合わないのかも……

キリエのうた(2023年製作の映画)

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大塚愛さんが一瞬だったけど惹き込まれた。そのシーンで姉妹二役やってたことにようやく気づいて涙腺が緩んだ。

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

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もっと牛映画なのかと思った。前半薄暗いシーンが続いてウトウトしてたらドーナツ作ってた……ケリー・ライカート作品の終わり方が好き。音楽も心地よかったな。

ペパーミント・キャンディー 4Kレストア(1999年製作の映画)

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線路を走る列車の逆再生と、男の人生を遡って描く構成は美しいと思ったが、どのシーンも観ているのが辛すぎる。配信だったら止めてたかも