上品で賢くしたたかに生きる良妻賢母も素敵だが、自分はどうしようもなく何か(誰か)に狂う人を愛していたい。こんな物語が今も世界中で繰り広げられていると思えばワクワクする。
人間にはその力の及ばない事柄がいくつもあるが、美しい思い出もその一つだと思う。最後のカセットテープに残された言葉が主人公の呪いを解いてラストシーンにつながったのだと信じたい。私は律子のような強い人が好>>続きを読む
冒頭から良くも悪くも安っぽい質感でハズレかと思ったが、気づいたら最後まで観てしまっていた。
同じ立場になる可能性があった二人の対比を通して、それぞれの立場が抱える葛藤が見えてくる。だからこそ最後の最後>>続きを読む
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独り言をめったにしない自分が声に出して「きっしょ」と言った作品。明らかに元凶と言える父親よりも、不貞行為に走って悦に浸る友人のほうが気持ち悪く感じられるのはなぜだろう。演技だとわかっていてもなお「きっ>>続きを読む
てっきりカルト宗教を主題とした作品だと思っていたがそうでもなかった。
社会生活を営むうちに(もしくは営むために)誰もが己の汚い部分をひた隠しにしていることだろう。それを剥き出しにしてくれる存在と出会え>>続きを読む
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物語を追うごとに老人の悲しくも美しい過去が明らかとなる。冒頭では過去に依って自死を試みていた老人が、終盤では過去を糧に未来を掴み取る姿には思わず涙した。
しかし、よく考えるとこの老人は見ず知らずの他人>>続きを読む
あらすじの「自分とは違う世界で生きている」という部分を、彼女に対する劣等感だろうと曲解していた。蓋を開けてみると、想像以上にピュアなストーリー。さらに、次の台詞を言い当てることができるほどお決まりの展>>続きを読む
青くしたたかな考えに、あり余る行動力と承認欲求。いわゆる意識高い系大学生らを皮肉るような展開だが、痛快というにはさすがに度が過ぎる。先住民が慣れた手つきでヒトを捌く様子に、いつか見せられた屠殺の映像を>>続きを読む
自分には演技の善し悪しがあまりわからないが、目に映る二人は紛れもなく兄妹で、障害を抱え、その日の食い物もままならない暮らしをしていた。印象的だったのは、兄がせっせと作ったビラを、妹が無邪気にばら撒いて>>続きを読む
信仰というのは、自分を客観視してもなお、信じるのをやめられない事物に宿るのかもしれない。ちひろの両親が熱心な教徒であるように、ちひろ自身もまた、両親を信じずにはいられないのだろう。
新興宗教や二世信>>続きを読む