かしまっちさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

かしまっち

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熊は、いない/ノー・ベアーズ(2022年製作の映画)

4.4

フィクションとノンフィクションを掛け合わせ、現在進行形で進む国境を跨いだ入れ子構造を利用し、2組の恋愛を通じて起こる出来事から社会の歪さを浮き彫りにしイラン国家への反権力を掲げる

また、パナヒ監督自
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駒田蒸留所へようこそ(2023年製作の映画)

4.2

仕事に前向きでないネット記者と若くして社長になった駒田の2人の対比を通じて、
仕事への向き合い方という普遍的なテーマを掘り下げていく

不安や疲れを解きほぐす、じんわりと心に沁みる上質なエンパワメント
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マーベルズ(2023年製作の映画)

4.0

カリスマ的存在のキャロル、彼女の後追いヒーローのモニカ、ヒーロー見習いのカマラの3人の織り成す空気感が心地よく、
MCU作品でも上々の軽快さと楽しさを併せ持つ

ギャグのキレもよく、入れ替わりアクショ
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.6

PG12指定に恥じないグロ描写、おどろおどろしく薄気味悪い世界観、容赦のないダークな物語と、
本作は明確に対象年齢を高めに設定している筋金入りの大人向けアニメ作品だ
ジャンプスケアに頼らない心理的な怪
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

4.2

AIの反乱をテーマにした作品こそ多かれど本作のそれの取り扱いは思い切りが良く、大きくデフォルメされたAI像が独自の魅力となっている
強烈な印象を残す多彩なキャラクター達の動きは見ているだけで面白い
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ウルフウォーカー(2020年製作の映画)

5.0

絵本のようにデフォルメされた抽象的な世界観を水彩画のような柔らかなタッチで色彩豊かに表現される極上の映像が、壮麗な音楽に載せて次から次に押し寄せてくる脅威のアニメーション
場面によって様々なアートスタ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.0

迫力のある映像や空気を震わすような音響など現代の技術で蘇るゴジラはスクリーン映え必至
ストーリーには反戦のエッセンスも盛り込まれており、
作品のメッセージがストレートに胸を打つ

山崎貴監督の往来の作
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.5

理論派で完璧主義者の殺し屋が1度の重大なミスを起こし、100%冷酷無比だった心に1%の濁りが混ざりだす
ナーバスになった殺し屋の微々たる心の揺らぎが次第に膨らんでいく不協和音アクションスリラー

不穏
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(2023年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます

本日「愛にイナズマ」と同じく鑑賞したのですが、石井監督作品とは合わないかもしれません

俳優陣の演技は良かったです

言いたいことはたくさんあります
しかし、怒りの矛先の99%がそちらを向いていないの
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ごめんなさいハマりませんでした

俳優陣の演技は素晴らしかった

前半と後半が完全に分離されているような構成で、
過酷な社会と家庭の大小2つの世界を対比させつつも、その避暑地のような家族の温かみを描く
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ファンタジア(1940年製作の映画)

4.3

ディズニー映画のみならず映画音響においても歴史的に重要な作品として劇場鑑賞できたことに感謝

全編にわたってウォルト独自の視点で解釈された物語をアニメーションに載せて展開される芸術性の高い作品

どれ
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北極百貨店のコンシェルジュさん(2023年製作の映画)

4.7

百貨店×生命史という独特な着眼点から切り込んだ本作は、数あるお仕事映画の中でも極めて個性的な作品へと昇華している
可愛らしい世界観の中でブラックな皮肉が炸裂し、見た目からは想像できないほどに重いテーマ
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

5.0

突き抜けた独創性を備えたエンターテインメントの上に思慮深い寓話を載せた今作は、
現代社会の悲壮な現実と普遍的な苦しみを可視化し、答えの見えない難解な問を圧倒的な説得力を持ちかけ解き明かす豪胆な人生哲学
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.9

先住民族の地で暴虐の限りを尽くしたアメリカ白人の負の歴史をサスペンス調で描き、
他人種に残る大きな爪痕の存在を明るみにする
複雑なテーマ、見応えのあるドラマ、長尺の中で緊迫感を保ち続ける巧みな構成、痺
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さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

4.8

時代や世間に翻弄されながらも京劇の女形役者として一生を捧げた程蝶衣の激動の人生を3時間に渡って追いかける
京劇に対する文化礼賛のみならず、当時の社会批判やクィア描写など様々な要素が大胆に交錯し、壮大な
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.3

とても主人公とは思えないBGMと共に登場するマッコールのスタイリッシュアクションは、ゴア描写もいとわない容赦ない″本気″の次元に達し、ついにR15指定を獲得

正義と悪の二項対立、その真ん中に立つマッ
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.4

1923年9月の千葉県の集落福田村で起きた行商団殺害事件を描いた史実もの

当時の時代背景と社会通念に翻弄される人々のドラマは、
不快感と説得力を徐々に蓄積していく丁寧なストーリー展開と実力派俳優達に
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ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

4.3

原作未読、TVシリーズ未視聴
周囲からのオススメで視聴

ミステリーとしての見応えも十分ながら、現代の日本に蔓延るジェンダーバイアスや家父長制に対する強い批判が込められている
事件の概要自体が現代日本
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

4.7

他人を理解しようと心の内を探る姿をミステリーライクに描き、他人の本当の姿が見えない不安と隣り合わせの人間関係のリアルな苦悩を丁寧に映し出している
理解しようとしても手の届かない、もう1歩踏み込む事の出
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

4.5

特筆すべきはやはり独創的なアニメーションスタイルだろう
″スパイダーバース″から″ミッチェル家〜″へと枝分かれした3DCGアニメーションは本作でとうとう独自のスタイルへと変貌を遂げ、まさに本作がアニメ
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白鳥(2023年製作の映画)

4.0

物語の本筋である暴力に関する直接的な描写を避けフィクションであることを示唆させる舞台劇のような演出によってライトなテイストに仕立てられているものの、
語り手の力強い語りや緩急のついた演出によってそのハ
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ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

4.4

ロアルド・ダールの物語とウェスアンダーソンの独創的な世界観は見事に化学反応を起こし、
魅力的なキャストと美術、実験的とも言えるような独特な語り口で、物語をよりユーモラスで楽しいものへと彩られている
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.6

ウェスアンダーソン特有のパステル調の美術は相も変わらず
未体験の出来事へと直面し経験していく中で、慌てふためく自己の内なる複雑な変化を群像劇として多様に捉えた
様々な起伏によって彩られる決して平坦で
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名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

4.0

従来のミステリーに加えて3作目の本作ではホラー要素をアクセントに加え、過去作と違った不気味なテイストを魅せる本作

館で巻き起こる超常現象が事件と絡み合い、より一層複雑化していく殺人事件に真っ向から対
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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

互いの欲求が歪な人間関係を手繰り寄せ、更なるトラブルを巻き起こしていく滑稽さに笑いつつ、落とし所のない幸せの形を追い求め続け苦悩する若者達の姿に胸を締め付けられる
富や愛に満ち足りた幻想的な生活を追い
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断捨離パラダイス(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ゴミ清掃のプロ「断捨離パラダイス」が福岡にある様々なゴミ屋敷と対峙する、ありそうでなかった断捨離コメディ群像劇
複数の人間ドラマの様々な断捨離を通じて、個人の過去の清算を描き、人生哲学へと昇華させる見
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ホーンテッドマンション(2023年製作の映画)

3.7

奇抜なデザインの衣装に力を入れていたのでそこが今作の独自の魅力だと感じる
マンションに誘われたそれぞれのキャラクターの魅力も立っていた
ベンとトラヴィスの兄弟のような関係性も個人的に好みだった
後半か
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