10000lyfhさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

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テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

3.0

ブルジョア一家に入りこんだ謎の訪問者男性が、一家全員を魅了しおそらく性的関係も持った後、突如去ると、一家も離散。比較対象として脊髄反射的に頭に浮かぶロブ=グリエやゴダール、そしてパゾリーニ自身の後期作>>続きを読む

ハミルトン(2020年製作の映画)

3.5

アメリカ合衆国建国の父の 1人ハミルトンの伝記ミュージカルの上演をそのまま写し映画とした作品。映画としては普通のカット割で編集され、特筆すべきことはない。妻となる女性との出会いから結婚までが 1つのシ>>続きを読む

羅生門(1950年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

一つの事件が、立場により異なる脚色がなされた証言により、事実が不明瞭となる事象。現実には古今東西問わず発生し続けている事象だが、それを、一本の時間軸という制約のある映画のストーリーテリングにおいて、初>>続きを読む

凱里ブルース(2015年製作の映画)

3.0

刑期を終えた中年男性医師が、弟に虐待され売られた甥を連れ戻そうとする旅先の地方で、現在と未来が交錯、大人になった甥に出会う。中盤から終盤の、バイク -> 車 -> 裁縫業者 -> 渡し舟 -> 吊り橋>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.5

聴覚障害のある一家に障害なしで生まれ、家庭事情に悩みつつも、歌の才能を伸ばし道を切り開く少女。笑って泣ける青春/家族/多様性ドラマ映画。個人的に、音楽高等教育を受ける機会に恵まれ、曲がりなりにもミュー>>続きを読む

インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

3.5

人間の脳内に擬人化された 5つの感情(喜び、悲しみ、怒り、嫌悪、恐れ)が存在し、その人の感情をコントロールしているという設定で、ミネソタからサンフランシスコに移住しホームシックに罹った 11歳少女の元>>続きを読む

愛のむきだし(2008年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

親の虐待からそれぞれ盗撮魔、ミサンドリとなった 2人のティーンエイジャが、女装により男子側を女子と誤認しつつも相思相愛、シングルペアレント同士の結婚により義理の兄妹となり、カルトに入信し洗脳された家族>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

過去の 2つのスパイダーマンフランチャイズをマルティヴァースとして MCU の現フランチャイズと統合し、集大成のスパイダーマンワールド。映画コンテンツとしてのマルティヴァースは、長年にわたる権利問題の>>続きを読む

裏切りのサーカス(2011年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

冷戦の 1970年代、イギリス諜報部の上層で、ソ連の二重スパイを特定する話。製作時から 40年前の話で、映画全体に「古き良き時代のエスピオナージュ」を懐かしむノスタルジーが充溢しているが、人間不信や疑>>続きを読む

新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

2.5

ソウルから釜山への高速鉄道を舞台に、突如発生したゾンビ集団との戦い。本作のユニークさは、高速鉄道を舞台としたことに尽きるだろう。その上での不満から述べると、まずは高速鉄道の見応えある映像をもっと見たか>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

俳優とスタントのバディストーリーに、実際にあった殺人事件を実際とは異なる展開で絡めた、1960年代ハリウッドへのオマージュ。B級映画どまりな俳優がイタリアに招かれスパゲティウェスタンでそれなりに成功し>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

3.5

デヴィッドバーンのライヴのドキュメンタリ。アンサンブルはバーン含め 12人で、バーン (vo)、ダンサー/vo*2、g、key、b、Perc*6。音楽のみに関して、バーンのヴォーカルが個人的にあまり聴>>続きを読む

オクトパスの神秘: 海の賢者は語る(2020年製作の映画)

3.5

人間の男性とメスダコとの 1年間にわたる交流を記録したドキュメンタリ。この 2者の、種を超えて通じ合う思いの純粋さと、その終幕の切なさに、打たれた。海中の非哺乳類と人との交流は意外だし、この経験を持て>>続きを読む

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.0

創刊者の死と共に、その遺言により廃刊となる雑誌『フレンチ・ディスパッチ』の、最終号発行の経緯と、その内容である 3つのストーリー。ファンが期待しているもの(シンメトリックな構図/カラフルな色使い/絵本>>続きを読む

ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)

3.5

1950年代ニューヨークのストリートでの白人とプエルトリカンのチーム抗争と、民族を超えた悲恋を描いたブロードウェイミュージカルの映画化。ミュージカルについては、民族融和を訴えた社会的メッセージを背景に>>続きを読む

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

妊娠中の極端な体調不良と、夫や隣人たちの奇妙で威圧的な振舞いに抗い、孤立無援で胎児を守ろうとする女性の恐怖心。ミアの熱演が圧巻だが、恐怖心を徐々に高める演出も丹念:隣人の老夫妻が初登場時のケバい服、ひ>>続きを読む

愛人 ラマン/恋人・ラマン(1992年製作の映画)

3.0

高齢フランス女性が回顧する、10代の頃にヴェトナムで体験した、年上の中華系男性との性愛。原作者デュラスの私的な回想録であり、事実上、デュラスの監督作品とすら思う(予想だが、実際に彼女が監督してしまうと>>続きを読む

ル・ミリオン 4K デジタル・リマスター版(1931年製作の映画)

2.5

貧乏画家と仲間たち(フィアンセ、友人、友人の彼女)が、紛失した当選宝くじを追ってドタバタする、ロムコムスラップスティックミュージカル。冒頭、パリの屋根屋根を写した幻想的ショットが美しい(どうやって撮っ>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 完全版(1984年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

禁酒法時代に犯罪で財をなしたギャング 2人の、少年時代(1910年代)、全盛期(1930年代)、晩年(1968年)を通じての友情と憎しみ。レオーネ名物、幕開け説明無しいきなりクライマックスは、全盛期の>>続きを読む

ブンミおじさんの森(2010年製作の映画)

3.5

腎臓病で余命の短いブンミおじさんが、亡き妻の霊や、行方不明だった息子が姿を変えた猿の精霊と交流し、前世?(高貴な女性またはナマズ)を見たり、未来の悪夢的独裁政権を夢の中で見たり(ラジュテを彷彿)した後>>続きを読む

シルバー・グローブ/銀の惑星(1987年製作の映画)

3.0

銀の惑星に不時着した宇宙飛行士の子孫が先住民と紛争を繰り広げる、壮大な叙事詩 SF。回収された映像を見て対応する地球?の人たちの話を外枠に、2つの主要エピソード。1つめは、不時着し生き残った男性 2名>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

3.5

トーキングヘッズ 1983年のライヴドキュメンタリ。映画を撮ることを想定したかのようなストーリー性あるライヴ構成で、冒頭「サイコキラー」がラジカセのリズムと共にバーン (vo, g) のソロ、1曲ごと>>続きを読む

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

水を求めて荒野を進む西部開拓者 3世帯、信頼しきれない雇われ案内人ミーク、そして言葉の通じない囚われの先住民男性の間の、信頼と不信のせめぎ合うコミュニケーション。序盤、川の横断の後に、ロングショットへ>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

2.5

仕事/新天地を求めて、インディアナからアラスカに向かった女性ウェンディと愛犬ルーシーが、車の故障でオレゴンに停滞、ルーシーが行方不明になる。格差拡大の進行するアメリカで、気がつけば貧困に追い込まれたよ>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

かつての親友同士、今はそれぞれの人生を歩む 2人のアラサー男性と愛犬が、オレゴンのスパにロードムーヴィ。最初と最後、カーラディオから流れるリベラル系政治トークショーは、GWブッシュ 2期の頃、ラディオ>>続きを読む

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

4.0

フロリダのハウスワイフが日常からの逃避行を試みるもうまくいかない。つかみどころのないオフビート感が充溢しているが、教科書に反するような下手な演出を、意図的に積み重ねた結果だと思う(例えば、主人公の父の>>続きを読む

誰も知らない(2004年製作の映画)

3.0

シングルマザーにネグレクトされた 4人の兄弟姉妹のサヴァイヴァル困窮生活。最年長・明の、学校に行っていれば、小6 から中1 にかけての約 1年間の話のようだ。子供の貧困を、近年の日本で可視化される前に>>続きを読む

ロゼッタ(1999年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

フランスのキャンプ場のトレーラーに、アルコール/セックス依存の母と暮らす、10代少女ロゼッタの困窮生活。友人を裏切って仕事を得て、上向きになったかと思うも状況が暗転し、悲劇を回避して終わる。ハッピーエ>>続きを読む

ガートルード/ゲアトルーズ(1964年製作の映画)

3.0

出世しか頭にない夫との離婚を希望しつつ、恋愛を中心とした自由な人生を模索し、人生の終盤に「愛がすべて」と言い切る女性ゲアトルーズの肖像。ほぼミドルショットで構成され、回想シーンと 30年後のラストシー>>続きを読む

奇跡(1954年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

1925年デンマークの地方を舞台に、家父長制、キリスト教内の宗派対立、精神疾患、死者の生き返りの奇跡など、宗教を中心に複合テーマを盛り込んだドラマ。自動車は医者など上流階級のもので農民たちは馬車、電話>>続きを読む

怒りの日(1943年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

魔女狩りの行われていた17世紀ヨーロッパで、年の離れた夫の前妻との息子と恋に落ち、夫の死後、夫の母に魔女告発される女性。魔女狩りは明瞭にスケープゴートだが、狩る側の宗教人も一般人も、必要悪と認識の上で>>続きを読む

吸血鬼(1932年製作の映画)

4.0

怪奇色とともにファンタジー色も濃い吸血鬼映画の古典。ルックス的に吸血鬼っぽい人物は出てこない。また、ストーリーに、おそらく意図的な脈絡の無さや、因果関係や意味合いが不明な点が少なからずあり、謎めいた幻>>続きを読む

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

4.5

1431年のジャンヌダルク処刑裁判の実録サイレント映画。映画の時間の大半がジャンヌや裁判官や看守の CU なのは、製作の 1920年代当時としては驚異的に革新的な手法だったと思われるが、その画圧に圧倒>>続きを読む

吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年製作の映画)

3.0

吸血鬼映画の古典の一つ。基本的には単純なネタながら、不動産営業、そのための往復の道中、ノスフェラトゥの筏と帆船での片道の旅、疫病など、いろいろな要素が盛り込まれ多岐にわたる場面があり、面白みのある長編>>続きを読む

キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー(2011年製作の映画)

2.5

第二次大戦中のキャプテンアメリカの生誕と、対ナチス戦闘からの(一時)戦死まで、時系列的には MCU の最初期(エピローグで主人公再生の現代に飛ぶが)を描く。現代においては全人類共通の敵として安定の、一>>続きを読む

オール・アバウト・マイ・マザー(1999年製作の映画)

5.0

息子を交通事故で失ったシングルマザーが、18年ぶりに再会した旧友や新しい友人たちや新生児と、新たな人生を歩み出すまで。アラフォー(主人公は 38歳設定)な頃の人生のいろんな喜怒哀楽が詰まった映画。ほぼ>>続きを読む