10000lyfhさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

1960年代に憧れを抱くロンドンのファッション女子学生が、夢の中で、60年代に歌手になる夢を男性たちに利用され踏みにじられ、復讐でその男性たちを刺殺した女性を目撃し、さらには憑依されたかのように自身も>>続きを読む

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

殴られる痛みに快感を覚える二重人格の男性が、殴り合いマニア集団(ファイトクラブ)を組織し、資本主義/物質主義への懐疑から組織をテロ遂行に導く。90年代映画に典型的な意外な結末では、別人物として観客に提>>続きを読む

さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)

2.5

20世紀中国史を背景に、2人のスター京劇俳優と周囲の人々の、愛憎入り交じった人間模様。国史のターニングポイントに、翻弄された芸人たち個々人のドラマを重ね合わせるという作りは、中国版『旅芸人』と言い得る>>続きを読む

グラン・ブルー完全版 -デジタル・レストア・バージョン-(1988年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

幼馴染/親友/ライヴァルである 2人の一流フリーダイバー(マイヨールとエンゾ)の海やイルカや競技への愛、そしてマイヨールを愛した女性とのダイナミックな人間関係を描いた、美しくも壮絶なドラマ映画。先に欠>>続きを読む

髪結いの亭主(1990年製作の映画)

2.5

ある男性の、それぞれ別の女性ヘアドレッサーを対象にした、恋と性に目覚めた少年期と、結婚から喪失への壮年期を描写。男性目線の映画で、「女性に自分の愛で幸せになって欲しい」願望ばかりが強く出ている。これ系>>続きを読む

反撥(1964年製作の映画)

2.5

美容室女性スタッフが精神を病み、自室に引きこもり、霊を見たりアプローチしてくる男性たちを殺したり。誰得映画なのか、作者は何を伝えたかったのか、に悩んでしまった。精神を病んだ主人公の描写は客観的で淡々、>>続きを読む

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ロンドンから地方の小村に左遷されたエリート警官が、誰もが知り合いで警察業務も馴れ合いの村社会の水面下で進む、些細な目的のために住民の大半が関与する一連の殺人の真相を掴み、相棒と共に村を大掃除。クライム>>続きを読む

モンティ・パイソン/ライフ・オブ・ブライアン(1979年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

1世紀ローマで、出生時と成人後の 2度、救世主に間違えられた男性ブライアンの、ゆるく奇妙に波乱万丈な人生。基本的にキリストの生涯のパロディ。ギリアムが本作では監督していない影響か、企図した反乱が失敗し>>続きを読む

出来ごころ(1933年製作の映画)

3.0

戦前の東京で展開される、シングルファーザー喜八、同僚で隣人で友人の若い男性、若い女性の三角関係をテーマにした下町人情話。比較的単純なストーリーでしかもサイレントながら、退屈なモメントもなく 100分の>>続きを読む

捜索者(1956年製作の映画)

2.0

19世紀テキサス、白人男性が相棒と共に、先住民に誘拐された姪を、5年かけて捜索、取り戻す。リアリティとモラルの欠如で、無理な映画だった。まず、現代では荒唐無稽な先住民の描写(その善悪には触れない)。序>>続きを読む

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

3.0

1960年代アメリカ東部の地方を舞台に、家庭やボーイスカウトなどの帰属先になじめないローティーン少年少女の逃避行と、彼らを捜索し発見した親や保安官との、ことの顛末。ウェスのカミングオヴエイジヴァージョ>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

1990年代のソウルを舞台に、学校でも家庭でも居場所のない、14歳少女ウニの日常と心象を描いたカミングオヴエイジドラマ。終盤、大切な人の喪失のインパクトが大きく、私もウニと共に泣き、大きく心を動かされ>>続きを読む

モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル(1975年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

10世紀イギリスで聖杯を求めて旅するアーサー王と円卓の騎士たちをネタにしたパロディ。モンティパイソンが本作でやりたかったことは、ざっくり、以下だと思う(大枠からディテールの方向で):物語を放り投げるこ>>続きを読む

オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

4.5

中年女性役を演じたくない舞台女優のストレスが、ファンの事故死で増幅、行方不明で初日公演が危機に。ローランズ演じる女優が、酒に溺れ周囲を振り回すプロ失格な醜態を晒すも、最後にはプロの意地で修羅場を乗り切>>続きを読む

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

5.0

午後 7時に癌宣告を受けるかもしれないクレオの 5時以降の、人生が凝縮されたような体験や心象を、メイドや恋人や友人達、モブ、新たに出会った男性とのインタラクションを通してリアルタイムで描く。観る前に予>>続きを読む

旅芸人の記録(1975年製作の映画)

3.5

第二次大戦中から戦後、1939-52年のギリシャ史を背景に、家族を中心とした旅芸人一座の愛憎ドラマ(ギリシャ神話に基づいているとのこと)が重なる。ワンカットの左右対抗政治歌合戦を筆頭に、屋内外の行き来>>続きを読む

ミッドサマー ディレクターズカット版(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

スウェーデンの地方の閉ざされたコミューンでの生死サイクルにまつわる驚異的な祝祭と、そこに囚われたアメリカ人大学生たちの恐怖体験。北欧を中心に世界各地?の、残酷さも伴う風習を取り込み作り込んだ、架空のコ>>続きを読む

わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

3.5

心臓病を患い、IT 化の進む社会保障制度からこぼれ落ちた老大工と、同様に生活苦を抱えるシングルマザー一家や隣人たちの人間模様。映像面では普通の作り(その気になればアーティスティックな表現もできる監督だ>>続きを読む

トータル・リコール(1990年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

火星植民の未来、酸素利権を巡る支配者と反乱分子の争い。個人的に面白かったのは、支配者に利用され別人格を植え付けられた男性が、本来の人格をブロックし、肉体を乗っ取ってしまうというプロット。オーディエンス>>続きを読む

わらの犬(1971年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

戦闘能力(ソーシャルスキルも)の弱そうな数学者の男性が、極限状況下で暴走、5人の凶暴な男たちを皆殺しにし、家を防衛する話。マッチョ男性が主人公の西部劇やクライムアクションでは普通だろうが、中盤まで主人>>続きを読む

柔らかい肌(1963年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

夫が不倫し、妻がライフルで夫を銃殺する話。誰にも感情移入できないまま展開、そして、選択肢の限られた当時のハウスワイフとはいえ、まだ将来あるのに、離婚決定後に判明した夫の不倫で人生放棄という誰得アンハッ>>続きを読む

ひかりのまち(1999年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ロンドンの老夫婦、1人息子と 3人娘、周囲の人々の織りなす、4日半にわたる群像劇。家族との絶縁、離婚、孤独、夫婦不仲、と痛みを抱えたロウアーミドルな人々の日常を、コミカルみとシリアスみをほどよくブレン>>続きを読む

ブレッドウィナー/生きのびるために(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

アフガン紛争直前から勃発にかけての 2001年後半、タリバン支配下のカブールで、収監された父に代わり、少年に扮して一家を支え、父を救出する少女を描いたアニメ映画。過酷な運命に果敢に立ち向かう少女の健気>>続きを読む

Dolls ドールズ(2002年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

婚約破棄され精神障害を負った女性と、愛と贖罪の念から彼女に寄り添う元婚約者の男性との、四季を巡っての彷徨と、彼らとかすめるような接点を持った 2グループの人物たちのドラマ。実質的に独立した 3つの中編>>続きを読む

セックスと嘘とビデオテープ(1989年製作の映画)

4.0

セックスをめぐる言動で流動する男女 4人の関係性。あまりにも広いテーマなので、考察内容やアプローチ方法はあくまで一例どまりだが、セックスと人間関係との関わりを真剣に捉えた、数少ない映画の一つ。それぞれ>>続きを読む

イヴの総て(1950年製作の映画)

4.0

自分がそのファンであるヴェテラン人気女優マーゴを含む演劇界の要人を操り、わずか 8か月ほどでスター女優にのし上がった元いち演劇ファン女性イヴのサイコドラマ。時系列上の結末を映画冒頭で提示しており、「ど>>続きを読む

生きるべきか死ぬべきか(1942年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ナチスに侵攻されたワルシャワからの劇団の脱出劇を描いたナチス風刺コメディ。序盤、侵攻されて日常が崩壊してゆく過程は、コミカル要素もありつつも緊迫感があり、また、それに続く、空軍パイロットのエスピオナー>>続きを読む

沈黙(1962年製作の映画)

2.0

姉の急病で鉄道旅行を中断、ホテル逗留中の中年姉妹の愛憎劇。妹の幼い息子を含め、3人の主要登場人物たちの心象が、言動や事象により掘り下げられるが、中途半端に非現実的な世界観の中、遠い世界の人たちを、客観>>続きを読む

ベロニカ・フォスのあこがれ(1982年製作の映画)

3.0

過去の栄光に生きる中年女優の肖像、彼女を含め裕福な患者をモルヒネ漬けし財産を奪う悪徳精神科医のクライムストーリー、以上の二大テーマを、巻き込まれたスポーツレポーター男性の目を通して描く。時代設定の 1>>続きを読む

17歳(2013年製作の映画)

3.0

スリルを楽しむ売春にハマった 17歳少女と、家族(義父/母/弟)やクラスメイトらとのインタラクション。メインテーマの一つ、「若い女性に溺れる高齢男性と、それを受け入れる高齢の妻」という中高年男性幻想、>>続きを読む

サーミの血(2016年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

スウェーデンのマイノリティ、サーミ人高齢女性の、個と集団のアイデンティティの間に揺れた 1930年代の少女時代の回想。21世紀作品らしく、相反する価値観が主人公 1人の中にすら乱立。冒頭、高齢主人公が>>続きを読む

タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

高校のタレントショー出演者たちのライヴァル意識と友情、そして家族や教師や友人たちとの、恋を含む様々なインタラクションを描いた青春群像劇。映画技法的には普通の商業映画で、難点も目立つ。メインキャラたちは>>続きを読む

冬の光(1962年製作の映画)

2.5

寒村にて、朝と晩の 2つの礼拝とその間の 1日に、神に沈黙され、肉体・精神の脆さに苛まれる、孤独な中高年男女たち(従軍牧師として戦争の悲惨さを目撃し神にすがるも突き放された牧師、牧師に片思いしウザがら>>続きを読む

第三世代(1979年製作の映画)

3.5

素人テロリスト集団のグダグダテロ遊び、根底にファスビンダーの資本主義社会への苛立ち。6部構成だが、ストーリー上の切れ目で分かれているわけではない。ADHD、薬物中毒、認知症と、コミュニケーション難しい>>続きを読む

危険な戯れ(1975年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

銀行家の娘が誘拐され父が身代金を支払うも、実は娘も誘拐犯の一味だったという話を骨組みに、父から娘への近親相姦願望と、高級娼館での誘拐した女性たちへの凌辱行為を描いた、ポルノグラフィックエンタメ。男性の>>続きを読む

ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)

2.5

おそらく同一の日にポーランドとフランスでそれぞれ生まれ、同一の外見(性格もか?音楽の素養、恋愛/セックス依存など)を持った 2人のヴェロニカの、霊感?に影響される、脆い人生。一部の人が強く抱いているの>>続きを読む