10000lyfhさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

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ウンベルトD(1952年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

イタリアの年金生活者の生活苦。時代設定は大戦前夜?(街中を闊歩する軍人たち、ある人物のセリフ「戦争になるかな?」、一瞬聞こえた軍靴の音、などからして)。物語は面白みのあるものではないし、生活が苦しいと>>続きを読む

鏡の中にある如く(1961年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

精神分裂病を患った若い女性と、その夫、父、弟(この 4人が画面に映る全員)が、離島の別荘で過ごす 2日間の、歪んだ家族ドラマ 。廃船シーンの出来事、私は全く予想しておらず、また明示的でなく象徴的に描か>>続きを読む

13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

フランクフルト 1978年夏、片思いの男性のために性適合手術を受けた M2F 女性と、その片思い相手、妻子、友人たちをめぐる愛憎劇。乱作監督らしい雑さが目につく(ガンマイク映っとる笑@首吊り自殺者シー>>続きを読む

東京物語(1953年製作の映画)

5.0

家族について。第二次大戦後、復興期の日本社会が背景だが、古今東西を通じて普遍的なテーマに真正面から挑み美しく描いた、世界映画史上でもありそうでなかなかない作品。血縁関係の無い者と最も強い絆を持つという>>続きを読む

忘れられた人々(1950年製作の映画)

2.5

強奪や殺人と共に生きるメキシコシティ下層階級の少年たち。同趣の作品やムーヴメントは世界中に多々ある中で、本作では、スペイン出身のブニュエルが、外側から客観的に見ている感が強いのが、良くも悪くも特徴的。>>続きを読む

我輩はカモである(1933年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

マルクス四兄弟の戦争風刺スラップスティック。開戦決定時の議会での大規模な群舞を筆頭に、ミュージカル要素もある。政治風刺は、あまりにもナンセンスで現実感に乏しいゆえ、少なくとも現代ではその風刺力は弱いと>>続きを読む

異端の鳥(2019年製作の映画)

3.5

第二次大戦中にドイツ-ロシア戦線となった東欧で、一人のユダヤ少年が目撃/被害体験する、戦時下の様々な凄惨さを描いた 9部からなるオムニバス的作品。少年が旅の過程でそれらの凄惨さを体験する設定だが、各部>>続きを読む

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

異世界に迷いこんだ少女の目を通して描かれる人間の欲望や環境汚染、そして少女の純粋な言動により心温まるものとなってゆく様々なキャラとの交流。人物/キャラの言動の細かい部分の意味や動機などに不明瞭さを抱え>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト(1968年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

鉄道建設用地をめぐる利権争い、その土地所有者の未亡人と 3人の無法者たちとの四角関係、復讐モティヴェーションのお約束決闘シーンなど多くの要素を持った、スパゲッティウェスタンのみならず西部劇映画の集大成>>続きを読む

スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年製作の映画)

3.0

SW 第3の3部作の第1作、同窓会/キャッチアップ/パーティ再開キックオフ映画。女優キャリア的に SW 以外で成功したとは言い難かった、キャリーフィッシャーにまた会えて嬉しい(本 3部作が遺作)。彼女>>続きを読む

天国と地獄(1963年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

使用人の息子を誘拐され身代金を要求された名門企業常務の葛藤、誘拐犯を追い詰める警察官たちの活躍。タイトルは、常務・権藤と他の人々(使用人運転手、医療インターンの誘拐犯、麻薬中毒者たち)との格差と共に、>>続きを読む

セッション(2014年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

名門ジャズ音楽院で、演奏・指導共に実力あるが専制的で暴力的な教官と戦いながら、成長するドラマー生徒。アメリカの音楽高等教育の様子を知っている者として、荒唐無稽に感じた。交通事故で重傷を負った直後に演奏>>続きを読む

LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

3.0

インドに生まれ幼少期に迷子になり、オーストラリア人夫妻の養子となった青年の、実話に基づく半生記と、オンラインからオフラインでの故郷/家族探しの旅。前半(幼少期)と後半(成人後)で実質的に別の中編映画で>>続きを読む

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.5

400万年にわたり 3回、地球外知的生命により作られたと思われる謎の物体モノリスへの接触をトリガーに、進化を促進される人類。サブテーマとして、星間飛行と人工知能。大きく 4パートに分けられるだろうが、>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

3.5

アメリカの地方で、主に高齢の、季節労働に従事し車上生活する人々を、ドキュメンタリタッチで描く。アメリカの田舎の風景映像の美しいロードムーヴィでもある。主演以外、役者名と映画中役名が同じなのは、演技経験>>続きを読む

アンセイン ~狂気の真実~(2018年製作の映画)

1.5

患者を仕立て上げ強制入院させる「精神病院ビジネス」の恐怖と、ストーキングの恐怖を組み合わせた、サイコサスペンス。本作を観た理由である  iPhone 撮影の話から。基本、固定していて、パンはあるがティ>>続きを読む

アイスと雨音(2017年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

演劇公演の中止を受け入れられず、当初の公演予定日に劇場に不法侵入しゲリラ的に上演を試みる、若い男女 6人の俳優たち。上演作品の外側と内側を行き来しながら、1か月間を 70分強のワンカットで表現(「脳内>>続きを読む

フラワーズ・オブ・シャンハイ(1998年製作の映画)

3.0

19世紀末上海の遊郭を舞台にした、裕福なパトロン男性らと遊女らの人間模様、群像劇。ほぼ 1シーン 1カット(全約 40 カット、1カット平均約 3分のやや長回しコレクション)、全屋内ショット、全ミドル>>続きを読む

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

4.0

ナチス占領下のワルシャワを生き延びたユダヤ系ピアニストの回想録。絶滅収容所に列車で送られる家族との別離までの序盤、歯止めがきかなくなった政治ムーヴメントが、坂道を転がり落ちるように、あっという間に想像>>続きを読む

ブリジット・ジョーンズの日記(2001年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

非モテ 30代女性の恋愛奮闘ロムコム。「アメリ」も同じ 2001年で、世界的にこの方向の映画の当たり年だったのかもだが、90年代の残り香な感も。ラストで彼が、キャリアを捨て NY に行かずにロンドンに>>続きを読む

アス(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

米政府が「私たち」をコントロールするために産み出すも失敗した結果の、テザードと呼ばれる地下世界に繋がれたクローンたちが、「私たち」を襲撃。全体から細部まで様々なレイヤと角度で、様々な解釈を可能とするよ>>続きを読む

黒い罠 完全修復版(1958年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

アメリカ-メキシコ国境の町を舞台に、ギャングや悪徳警官がしのぎを削るノワール。オープニングの長回しに尽きる。ダイナマイトの CU から大掛かりなクレーン/ドリーに展開、小道具/舞台/主要登場人物/発端>>続きを読む

田舎司祭の日記(1950年製作の映画)

3.0

20世紀半ば頃のフランスの寒村にて、外部の者であることの疎外感と持病に悩まされながら、職務をまっとうしようと奮闘する若い司祭の肖像。ストイックなまでに徹底したリアリズムが特徴的で、一足先に始まったイタ>>続きを読む

エアポート'75(1974年製作の映画)

3.0

軽飛行機が衝突しコックピット窓が破損、死亡や重症で操縦士不在となった旅客機を、機内のフライトアテンダントと、機外の航空会社社長やパイロットや米空軍の連携で救出。「大空港」フランチャイズ第2作だが、航空>>続きを読む

遊星からの物体X(1982年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

10万年前に南極に着陸した異星の「物体」が人間や犬に取りこみ「同化・擬態」しつつ感染的に増殖するのを、自らの命を代償に南極内で封じ込めようとする米国南極隊員たちの死闘。アイディアはボディスナッチャーズ>>続きを読む

田園に死す(1974年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

主人公の映画監督が、映画中映画で少年時代の鬱屈を回想的に表現し、さらにその映画内世界に入り込んで過去の修正を試みる、寺山の自伝的メタ映画。製作当時としては、世界的にも先進的なメタ映画だったと思われ、「>>続きを読む

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.5

ジャズピアニスト/ライヴ店経営と俳優、それぞれの夢を追う男女カップルを描いたミュージカルで、音楽が秀逸。冒頭の渋滞ハイウェイの群舞、映画的長回しというよりは、カメラ視点も含めてダンスコレオグラフィし、>>続きを読む

TOKYO EYES(1998年製作の映画)

1.5

殺傷は企図しないが人に向けての発砲行為を繰り返す青年と、彼に恋する少女。フランス人監督が東京を舞台に、日本人俳優を起用した映画。俳優達のセリフや体の動きや演技(主役の武田真治を筆頭に、バス運転手やクラ>>続きを読む

大空港(1970年製作の映画)

2.5

大雪に見舞われたシカゴ近郊の架空の空港と、そこを離陸した国際便を舞台に、除雪や滑走路変更や顧客の対応に追われる空港長、整備士、航空会社スタッフ、そして国際便の機長、フライトアテンダント、無賃搭乗犯、航>>続きを読む

或る夜の出来事(1934年製作の映画)

3.0

父に逆らい逃亡中の富豪令嬢と、同じ夜行バスに乗り合わせ彼女をネタにスクープ記事を狙う新聞記者との珍道中ロムコム。現代目線ではキャラもストーリーも出来事もありがちだが、当時基準では、父(=家父長制度)に>>続きを読む

アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)

3.5

ネオナチに傾倒の後、刑務所で人種差別思想を改めるに至った米国白人男性を主人公に、差別思想や憎悪がどのように生まれ、それらが何をもたらすのかを描いた作品。序盤で、父を黒人に殺されたことが憎悪の原因とされ>>続きを読む

砂の惑星(1984年製作の映画)

2.5

ハーバート「デューン/砂の惑星」のリンチによる映画化。おおざっぱに、資源の星、善玉の星、悪玉の星、黒幕の星があり、資源の星デューンを主な舞台に、善玉が、悪玉と黒幕を相手に戦うというストーリー。技術の進>>続きを読む

イングロリアス・バスターズ(2009年製作の映画)

3.0

ナチス占領下のフランスを舞台に、復讐や殺戮や亡命を企図する仏米独さまざまな人々の織りなす群像劇。ナチスに家族を惨殺されたユダヤ系フランス女性の復讐劇(1, 3, 5章)と、ナチス隊員殺戮をミッションと>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.5

人類が生殖能力を失った未来のディストピアで、生殖復活への手がかりを探るミッションを負った男性の、地下世界探検を描いたストップモーションアニメ。最大の魅力は世界観で、少なくとも 3階層ある広大な地下空間>>続きを読む

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

4.0

20世紀初頭のカリフォルニアを舞台に、成り上がりの粗野な石油採掘事業者ダニエルと、その息子 HW、元土地所有者の若き宣教師イーライらが繰り広げる愛憎ドラマ。ダニエルとイーライの、長年にわたるマインドゲ>>続きを読む

ドライヴ(2011年製作の映画)

2.5

スタイリッシュで感傷的な雰囲気(だけ)でみせるクライムサスペンスで、正直、中身を感じなかった。序盤、無名(←お洒落やね)の主人公(爪楊枝みたいなのくわえない方が絶対よい、なんかもったいない)と隣人の既>>続きを読む