へちまびとさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

へちまびと

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アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

3.4

大変一方的な視線で作られているが、まぁエンターテインメントとしては正解という感じがする。ゼロダークサーティあたりと一緒に見るとバランス取れるかもしれない。

神の存在についての質問に主人公が「神がどう
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今そこにある危機(1994年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

奇をてらわない展開。悪役といえどもリスペクトを忘れない描き方がいい。

この映画で一番好きなのはロバート・リッターだなぁ。自分だけ尻尾切りされないよう上司にしっかり書面で命令を残させたり、自分たちの都
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アド・アストラ(2019年製作の映画)

3.2

古くからのSFがそうであったように、SFという表現を通じて普遍的なテーマを描く作品。父と子の関係。家族という関係が認識できず、父親になりきれない男。父親を変えられない息子。変われない父親。

父親トミ
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ワールド・ウォーZ(2013年製作の映画)

3.4

凶暴な上に速く走れるという、最近のトレンドを押さえたゾンビが大量に出てくる映画。

個人的に、現代の映画で描かれるゾンビは「話の通じないやつら」の暗喩だと思っているので、それぞれの映画が「ゾンビ対策」
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ワールド・オブ・ライズ(2008年製作の映画)

3.2

いわゆる「文明の衝突」を描いた作品。冒頭で「イスラム世界との融和はありえない。イスラム教徒が異教徒に求めるのは改宗、そうでなければ死を、です」みたいな話をいきなりラッセルクロウがするのでガツンとやられ>>続きを読む

ANIARA アニアーラ(2018年製作の映画)

3.2

死へ向かう抗えない運命を永遠に宇宙を彷徨う宇宙船というかたちで表現したのかなぁとかいろいろ考えた。セットの使いまわしがうまい低予算映画っぽい作りは結構好き。

原作読んでないけど、宇宙船の乗員乗客80
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

3.0

学生時代キューブリック映画に凝っていた時期があり、その頃に初視聴。

公開当時の時代を考えればやはり金字塔的価値があるのは間違いないが、短尺の動画に慣らされてしまった今では冗長過ぎてスキップしないと見
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

いわゆるワンカット「に見える」映画だが、長回しが多いのは事実で、しかもどのシーンを切り取っても構図が素晴らしい。途中から技術的な事を忘れて話に没頭してしまった。

途中から「じゃない方」を主人公にする
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アウトレイジ(2010年製作の映画)

3.0

鈴木慶一の音楽が素晴らしい。
北野映画といえば久石譲のイメージがあるが、意外なキャスティングで印象がガラリと変わった。

とにかく怒って死んで怒って死んでを繰り返す映画。抗争で誰それが勝って負けて…と
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ズートピア(2016年製作の映画)

1.0

Twitter上でやたら評価が良いので見てみたが、全然刺さらなかった。

ポリティカルコレクトネスに配慮した合法的差別と皮肉と悪意と趣味の悪いいじめを是認する表現で溢れており、唯一かわいいのはCGの見
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ヒトラー 〜最期の12日間〜(2004年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

ネットミームでさんざん擦られている作品だが、視聴後はあまりのやりきれなさに「そりゃミームにして笑いたくもなるな…」と思った。
多くの場面が陰鬱な地下空間で描かれるため、見た後はどんなに天気が良くても底
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イントゥザストーム/チャーチル 第二次大戦の嵐(2009年製作の映画)

3.4

ウィンストン・チャーチルを描いた作品。
ナチスドイツとの戦争を勝利に導いた英雄と目される人物を、「手を汚した」男として美化せずに描いている点が良い。

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

1.8

同じくチャーチルを描いた作品に「Into the Storm」というものがあり、そちらの出来が大変良かった。
その流れでゲイリー・オールドマン主演の本作も視聴したが、結論から言うと駄作の部類に入る。
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リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

家庭内不和を抱える家族が、末娘のミスコンに行くためワゴン車でひたすら走るロードムービー。

家族中がお互いに腹を立てているのに、末娘のことは全員が無条件に愛している。この子が家族を家族として繋ぎ止めて
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インセプション(2010年製作の映画)

4.7

夢の中で「アイデアを植え付ける」という途方もない仕事の進捗を見る映画。

世界観や設定、表現がとても好き。
サブスクで何度も流しているが飽きない。

主人公コブは子供には会いたいと言っているが、それは
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

3.0

18歳くらいの頃に見た時は、衝撃と感動を覚えて大好きな映画だったが、今見ても多分楽しめないだろうなぁと思う。

サプライズ訪問のくだりとか、年齢的にも自分が「する側」より「される側」に近づいているし、
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トゥルーライズ(1994年製作の映画)

4.6

好きな映画と聞かれて思い浮かぶ作品の一つ。

この映画に限らず、アーノルド・シュワルツェネッガー氏主演映画はだいたい善人シュワが悪をとっちめるという犬でもわかるIQの低い筋書き(褒めてる)なので、どこ
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ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.2

好きな映画は?と聞かれて、最初に浮かぶ映画のひとつがこれ。

マフィア映画の代名詞のように出るタイトルだが、この作品は所謂マフィア映画ではない。

実際、主たる内容はイタリア系移民であるコルリオーネ家
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モンスターズ・ユニバーシティ(2013年製作の映画)

4.0

叩き上げのマイクと、生まれ持ったものに胡座をかくサリー、正反対の二人の出会いを描いた作品。

マイクは努力家だが卑屈で嫉妬深い。サリーは怠惰だが人当たりが良い。卑賤の出の子と裕福な家の子の特徴を見事に
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英国王のスピーチ(2010年製作の映画)

3.6

英国民を鼓舞するスピーチ……という、歴史的意義からすればかなり規模の大きな話なのに、英国王とその周囲の人達だけに焦点を当ててごく小規模な話として描いているギャップが良い。

あと個人的にはスピーチの先
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崖の上のポニョ(2008年製作の映画)

4.2

幼児向けみたいな雰囲気を醸し出してるのに、全編に渡って予定調和的場面がなく、初見では全く先が読めない。

ともすればバッドエンドに転がりそうな不安と、ポニョの天使のような可愛いらしさが牧歌的風景の中で
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SING/シング(2016年製作の映画)

4.0

気楽に流して楽しめる良作。
子供も一緒に見られるし、吹替版でも音楽が素晴らしい。みんなうまいけどMISIAは別格にすごい。

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

2.8

エヴァといえばTVシリーズ放映当初はニンジャタートルズの後枠という時間帯で始まった、知る人ぞ知るアニメだった。

それが放送終了後に再放送などで一般認知され、さまざまな層の視聴者から「未完の作品」とし
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孤狼の血(2018年製作の映画)

4.2

適当に流し始めたのだが、邦画でここまで出来るのか!という嬉しい誤算で大変興奮して見られた。
邦画一般の残念さとは対照的に、韓国映画は名作が多いが、この映画は水準で言って後者に近い。俳優のぶっ飛んだ演技
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インターステラー(2014年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

壮大な話だが、父と娘という狭い関係性を軸にしているギャップが良い。
ブラックホールの重力によって時間が遅くなった結果、ちょっと惑星に寄っただけで地球では十数年が経過しているシーンは喜劇なのか悲劇なのか
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

詐欺で金は手に入るが、本当に欲しい真実の愛や家族は手に入らないもどかしさ。ラスト手前、ナットキングコールのクリスマスソングが泣かせる。
ちなみに「実話を元にしたフィクション」となっているが、その「実話
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ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

4.0

さくらももこは「そういうふうに出来ている」というエッセイの中で「もし人生というものの順序が逆だったらどうであろうか」という問いかけをしている。
大意は「ジジイとして生まれ賢く可愛い赤ん坊の姿で死ぬ。み
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

悪のカリスマの映画だとか、いやこれは悪のインフルエンサーだとか、色々レビューを見た後に視聴した。

結果としては「カリスマでもインフルエンサーでもない」というのが素直な感想。

不幸な生い立ちの愚かな
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セッション(2014年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

とにかくハゲの演技が目を引く怪作だが、「二つの父性の価値観の衝突」と考えると割とスッキリ整理できる。
実の父親は現代風の優しい父性、対して音楽教師フレッチャーは昔気質の厳格な父性である。
この二つが衝
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.2

今の韓国の下の層ってこんななってるの?という資料的興味でも見ることができる映画。ここだけを考えるとスラムドッグミリオネアにも近い。
ストーリーは儒教的価値観(父親が偉い、息子は父に奉仕すべき)が筋の中
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トップガン(1986年製作の映画)

4.0

今となっては「古き良き」になってしまった映画。
公開から30年以上経った今では若干凡庸な映画に見えるかもしれない。
同系統の映画で、公開年の近い「愛と青春の旅立ち」がある。どちらも「男の子は皆タフな試
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.8

映画館で見て、過去一満足度の高い映画だった。
映像と音楽による緊張感の演出がすごい。
「逆再生」という映画黎明期に発明されたレトロな技法を、かつてない衝撃的な映像表現としてリブートした点も見逃せない。
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

3.0

「今までのシリーズ作品を超えた何かになった」「ゴジラという虚構以外を全て現実にした映画」といった論評とともに高い評価が定着した作品だが、個人的には「そこまでのものか?」という疑問を持っている。

まず
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.8

ウルトラQやウルトラマンを通ったことのある人にとっては、懐かしくて新しい画期的な映画。特撮への愛と、ヒーローが巨大化して戦うというフォーマットを確立した作品へのリスペクトが溢れている。
ただし全く何も
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