映画ファンさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.8

原爆の父と呼ばれたロバート・オッペンハイマーの半生をクリストファー・ノーランが映画化し見事オスカーを勝ち取った作品、池袋のIMAXGTレーザーにて鑑賞
冒頭の爆風の重低音からまず惹きつけられ、ロバート
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雲のむこう、約束の場所(2004年製作の映画)

3.4

新海誠劇場2作目にして60分以上が長編としては本作が初!
この時からすでに空を使った対比の構図は決まっていたのはさすがだなと感じる
90分の尺ではまだ描ききれなかった部分も見られたが本作をより大衆向け
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ロードハウス/孤独の街(2024年製作の映画)

3.3

パトリック・スウェイジの80年代アクションをジェイク・ギレンホールでリメイク
2024年に作られたとは思えないほど良くも悪くも古い作りで逆に笑えた
敵役コナー・マクレガーの存在感がまた印象的

カード・カウンター(2021年製作の映画)

4.0

軍刑務所で覚えたカードの知識でギャンブラーとして暮らしているウィリアムは戦友の息子と名乗るカークの計画にのっていくクライム映画
オーシャンズ11のような華麗さはなくポール・シュレイダー版ハードエイトと
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ティル(2022年製作の映画)

4.0

1955年、白人女性キャロラインをそそのかしたとして黒人少年エメットが白人集団に惨殺され母親のメイミーが裁判を起こした一連の事件を映画化
息子が殺されたことを受け入れられず神に棺桶から出してくれると懇
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マディのおしごと 恋の手ほどき始めます(2023年製作の映画)

3.4

地元を生まれてからずっと離れていなかったマディが仕事をクビになり家まで失いかねない中、金持ちの息子パーシーとデートして大人にさせてやって欲しいと頼まれ承諾していくコメディ映画
マディがあの手、この手で
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タンジェリン(2015年製作の映画)

4.0

3台のiPhoneで撮影した低予算インディペンデント映画
iPhoneで撮ったという割に絵面をそれほど安っぽく感じさせなかったことに驚いた
トランスジェンダー同士の恋愛関係というマイノリティーな題材を
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サハラ 死の砂漠を脱出せよ(2005年製作の映画)

3.0

一枚の金貨をきっかけにWHOの医師エヴァとともにマリ共和国に冒険しに行くピットを描くアドベンチャー映画
映画の中身はほとんど空っぽだが、大砲が不発に終わったかと思えば時間差で爆発したりインディジョーン
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闇のバイブル 聖少女の詩(1969年製作の映画)

3.7

少女ヴェレリエが摩訶不思議な世界に迷い込む、所謂不思議の国のアリス的なホラー映画
ゴジック・ロリータ映画の中でも一際カルト的人気を誇る本作
終始緑がかった色調で展開され不気味な異色さを際立たせていたの
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エレジー(2008年製作の映画)

3.8

大学教授のデビットが30歳離れた教え子コンスエラと関係を持ってしまう映画
中年の危機について踏み込んだ作品でもありそれと同時にロマンスを描いた多角的な内容になっていた
自分よりも魅力的な若い男の方へ行
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

3.6

ヤクザに入った1999年、組長の柴崎の元活動していた2005年、そして出所後の2019年の3つの時代を描く映画
3つの時代というが実際は尺の半分くらいは出所後の何もかもが変わった現代社会や組についてい
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スペースマン(2024年製作の映画)

3.4

太陽系の果てに送られたヤクブ、太古の生物ハヌーシュと出逢いながら地球に住む妻を思い出していくSF映画
宇宙での壮大さは全く感じさせず夫婦関係に焦点を当てたとてもミクロな映画になっていたのが印象的

ジョン・バティステ:アメリカン・シンフォニー(2023年製作の映画)

3.8

グラミー賞で最優秀アルバム賞を受賞したジョン・バディステ、その半生を描いたドキュメンタリー映画
パートナーが癌に苛まれる中、アメリカン・シンフォニーを手がけていく辛い時期に焦点をあてていたのが印象的
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正欲(2023年製作の映画)

3.7

不登校の息子がYouTubeをきっかけに希望を見出したことに不満を覚える検事の寺井、かつての同級生が結婚し子育てする中で実家暮らしのパート社員桐生、大学のダンススクールにいるが上っ面だけ取り繕う周囲に>>続きを読む

アノマリサ(2015年製作の映画)

4.4

カスタマーサービス業をやっているマイケルは一目惚れした女性リサ以外すべての人間が同じ顔、同じ声に見えてしまうストップアニメーション映画
所謂中年の危機を迎え鬱屈したマイケルの解像度が高く、好きなもの以
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ブラインドスポッティング(2018年製作の映画)

3.9

保護観察期間残り3日を迎えた黒人のコリンが親友で白人のマイルズに振り回されていく映画
人種の違い、貧富の格差があっても成立する友情という綺麗事で片付けるのではなく残酷なほど身分の差を突きつけられていく
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スター・トレック/叛乱(1998年製作の映画)

3.7

新スタートレック劇場版第3作!前作に引き続きジョナサン・フレイクスがメガホンを取る!
前2作のような時空を超えた衝撃展開こそないがこれまでと比べクルーの活躍に重点が置かれシリーズを総括する内容にはなっ
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ザ・センチネル/陰謀の星条旗(2006年製作の映画)

3.3

シークレットサービスのピートは親友が殺されたのを受け大統領暗殺計画に携わっている内通者がいると勘づきながらもう1人のシークレットサービスのデヴィッドと共に捜査していくポリティカルアクション
00年代の
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.6

ヴィルヌーヴ版DUNE2作目!
これまでのあらすじや説明の一切を排し前作の直後からそのまま展開していく
広大な砂漠や夕焼けを背景にきめ細かい登場人物の動きを表現したのはアラビアのロレンスを彷彿とさせる
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ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男(2023年製作の映画)

3.7

同性愛者の公民権運動家バイヤード・ラスティンを描いた伝記映画
ワシントン大行進に至るまでを描き100分ほどの短い尺でよく描ききったなと感じる
あまり知られてないラスティンという人物がキング牧師にもこん
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伯爵(2023年製作の映画)

4.0

250年の末、生きることに疲れた吸血鬼ピノチェトとその家族を描いていくダークコメディ映画
どこかメル・ブルックスの映画にベルイマンのような構図を足した感じで世界観には入り込みやすかった
近代史と虚構を
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ハリエット(2019年製作の映画)

3.8

フィラデルフィアからペンシルベニアまで逃げ延び奴隷解放の英雄となったハリエット・タブマンを描いていく伝記映画
逃げ延びたことにより奴隷制から解放されたといっても問題は大きく逃げ延びた後こそに焦点を当て
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アウトフィット(2022年製作の映画)

3.7

マフィア御用達の仕立て屋の仕事部屋のみで展開するワンシチュエーションサスペンス
マーク・ライランス演じる仕立て屋はどこかファントムスレッドのダニエル=デイ・ルイスを彷彿とさせる雰囲気があり魅力的
10
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オンリー・ユー(1994年製作の映画)

3.4

子供の頃運命の人を占ってもらったのを今でも信じていたフェイスがイタリアでその運命の人と同姓同名の男に惹かれていくロマンティックコメディ映画
一見、夢物語のようで現実的な着地に待っていったのが印象的
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ファーナス/訣別の朝(2013年製作の映画)

3.8

出所し溶接工で働く兄とイラク戦争から帰りPTSDに苦しむ疲弊した弟を描くヒューマンドラマ
人の弱みにつけ込む役をやらせたらウディ・ハレルソンに右に出るものはそういないなと感じる
兄弟2人の関係に焦点を
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スタートレック ファーストコンタクト(1996年製作の映画)

4.5

新スタートレック劇場版第2作!カーンの逆襲と並んでスタートレック映画最高傑作の1つとして挙げられる本作!
人類初のワープ飛行の日にタイムスリップしシリーズの始まりと新スタートレックから因縁深いボーグと
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スタートレック ジェネレーションズ(1994年製作の映画)

3.9

新スタートレック初の劇場版!
カークらTOSの面子を登場させることで世代交代を観客側にうまく浸透させた力作になっていたと思う
敵役のマルコム・マクダウェルはあまりパッとしないなと感じる
退役し年老いた
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まわり道(1974年製作の映画)

3.8

ヴェンダーズロードムービー3部作のひとつ!
作家志望だがスランプに苛まれる青年の旅を描いていき3部作の中では1番独白が多い作品であった
ある種、ヴェンダーズの自己セラピー的な内容でありフェリーニの8
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追跡者(1998年製作の映画)

3.2

逃亡者のスピンオフ作品!トミー・リー・ジョーンズ演じる保安官代理こと追跡者の視点で物語が進行していく
逃亡者役にハリソン・フォードと180度演技が違うウェズリー・スナイプスを持ってきたのは評価したい
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ファイナル・プラン(2020年製作の映画)

3.4

速攻強盗の異名を持つ強盗が恋に落ち稼業から足を洗おうとしていく映画
一見いつもの暴れまくるリーアム・ニーソン映画と思ったがロマンス描写に尺をかなりとっていたのが意外に感じられた

彼方に(2023年製作の映画)

3.9

たった一瞬の事故で家族を亡くしてしまったタクシー運転手の哀愁を描いたNetflix短編映画
客の家族連れに自分の家族を無意識に重ねてしまう辛さに思わずグっときてしまう
一生ついて回るであろう苦しみとど
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不都合な理想の夫婦(2020年製作の映画)

3.5

大金をつかむためアメリカ人の妻と結婚し家庭をつくったイギリス人の貿易商ローリーを描いていく映画
ジュード・ロウ演じるローリーの欲や野心が成功を掴めば掴むほど増長し後に引けなくなりやがて破滅へと向かって
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ショーイング・アップ(2022年製作の映画)

3.9

美術学校の講師を務めながら個展を控えた彫刻家の日常を描いていく映画
火の扱いがうまくいかず焦燥感に駆られるミシェル・ウィリアムズ演じるリジーが印象的
怪我で飛べなくなった鳩がこの映画のメタ的な縮図とし
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ニモーナ(2023年製作の映画)

4.2

女王殺しの濡れ衣を着せられた騎士バリスターと変幻自在少女ニモーナが真犯人や真相を探っていくアニメ映画
ニモーナが階段を駆け抜けるシークエンスの疾走感がとても印象深い
ニモーナがバリスターの動きに合わせ
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.6

夫を亡くし田舎町のカントリーハウスを訪れたハーパーは町全体がそこの管理人ジェフリーと同じ顔をした男ばかりなことに気づきパニックになっていくホラー映画
どこかジョーダン・ピールのUSを連想させる不気味さ
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ニュー・オリンポスで(2023年製作の映画)

3.8

70年代に映画館で恋に落ちたエネアとピストロの出会い、90年代大人になり再開した2人の2部構成で描かれる映画
ローマの風景や世間の流れも2人の関係と相まって変貌を遂げているのはまるでニューシネマパラダ
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