紫のみなとさんの映画レビュー・感想・評価

紫のみなと

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それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

3.9

なかなか良かったです。

主人公サンドラをレア・セドゥが等身大に演じている。
サンドラの父親は、神経難病の進行のため自宅での生活が限界となり、入所できる施設を探さないといけない状況。
とりまく家族は元
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

瞬く間の2時間21分。
リスボンの街や、海や、パリの雪が、主人公ベラのサファイアの様な青い眼で捉えた世界が、数日経ったいまでも私の網膜に蘇る。

身体は大人で頭脳は子供のベラが、性の限りを尽くし、食の
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魅せられて(1996年製作の映画)

3.2

公開当時はリブ・タイラーの汚れのない美しさに腰を抜かしましたが、何十年かぶりに2回目を観ると、期待していた感動の再来はやってこなかった。

なんというか、リブ・タイラーって演技があんまり上手くないんで
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ニンフォマニアック Vol.1(2013年製作の映画)

-

シャルロットとジェーンの母子では私は圧倒的にジェーンが好きですが、やはりシャルロットも好きなので、シャルロットがこれだけ頑張ってるなら観ないといけない、だなんて勝手に思いつつ、よほど気力がある時じゃな>>続きを読む

マディソン郡の橋(1995年製作の映画)

3.8

公開当時空前の大ヒットでしたが、観た時は自分もまだ相当若く、かったるい中年の不倫映画だとしか思えませんでした。
私の父は映画が好きで、私が小学生の頃は「ガス燈」や「慕情」など、テレビのロードショーをV
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.0

伊坂幸太郎原作という以外の情報がなく、何も思わず観たらなんだかなんだか面白かったです。

何が良かったって、ブラット・ピットと真田裕之!

ブラット・ピットは若くて美しかった頃、全然いいと思わなかった
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.3

今となってはあまりに有名なハーベイ・ワインスタインの性暴力事件。
ですがまず本作を見終わって強く残った感情のひとつは、ニューヨークタイムズ紙の記者ミーガンを演じるキャリー・マリガンと、過去ハーベイのア
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あちらにいる鬼(2022年製作の映画)

-

私は瀬戸内寂聴が管野スガ子や高岡智照尼などの実在の女性を描いた伝記ものと、自分のことを書いた自伝的小説とが、どちらもとても好きで、瀬戸内寂聴自身の筆で表現された作家井上光晴との不倫、剃髪までの経緯はも>>続きを読む

アラバマ物語(1962年製作の映画)

4.2

おもちゃの入った木箱のアップに女の子のハミングが流れるオープニングですでに、本作が名作だと分かります。
言葉が詰まり、ただ透明な涙が出る映画です。
ただ、「アラバマ物語」とはそれなりに印象的な邦題です
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ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ(1975年製作の映画)

4.9

ジェーンが死んだ。ジェーンが死んでしまった。いつかはこんな日が来るとは思っていたけど、持病があるだけにそれもそう遠くはないと覚悟していたけれど、不意をつかれてしまった。

セルジュ・ゲンズブールはすで
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利休(1989年製作の映画)

3.6

豊臣秀吉って、それにしても知れば知るほど嫌いになる。
この辺りの歴史は常識程度しか知らないので、あまりに美意識が高く説明を省いた演出に、日本史の知識がなければ全然良く分からない、観客が楽しめない映画に
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君と歩く世界(2012年製作の映画)

4.0

パリ13区もかなり良かったので、私はこの監督が好みなんだろうなと思いました。
マリオン・コティアールはもともと大ファンなので、マリオン目当てで見ましたが、主人公はマリオンではなかった。

この主人公の
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孤高のメス(2010年製作の映画)

4.1

冒頭、物語の語り部である看護師の夏川結衣が、心臓疾患の急変により、自らの勤務する病院でたらい回しにされた挙句、死亡してしまうということが、息子役の成宮寛貴のセリフによって鑑賞者に知らされます。

映画
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袋小路(1965年製作の映画)

3.9

ロマン・ポランスキー監督って、ほんとに変な映画を作る天才だなあ…と、エンドロールを眺めながらつくづく。でも、凄く面白かったです。

フランソワーズ・ドルレアック目当てで見たのですが、彼女とドヌーブは紛
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ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)

4.0

私の世代で映画好きなら本作を観たことがない人はいないんじゃないかと思われますが、
当時ジョニー・ディップもディカプリオもジュリエット・ルイスも好きじゃなかった私は長年スルーしていました。

今更ながら
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ビフォア・ミッドナイト(2013年製作の映画)

4.1

設定に驚きました。
2人、結婚しているんだ!って。
勝手にまた再会パターンと思い込んでいたので意表をつかれました。

このシリーズ、とても素晴らしいですね。
3作目は少し、泣きそうになりました。よく描
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ラブ&ドラッグ(2010年製作の映画)

4.0

初めて観たときラストの結末が何とも言えなくて、アン・ハサウェイとジェイク・ギレンホールという最強の共演にも関わらず、もう観なくていいやと思いました。
何が正解か、言い切ることの難しいテーマにひとり、わ
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卒業(1967年製作の映画)

4.0

エレインの年頃に初めて観て、ミセス・ロビンソンの年頃になった今、久しぶりに鑑賞。

すると、映画の途中まで、ミセス・ロビンソンの、ミセス・ロビンソンぶりにもう圧倒されっぱなし。
ミセス・ロビンソンとい
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マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

3.8

25年は確実に、初見から経ち、本当に久しぶりに観ました。
リヴァー・フェニックス…16歳の時に「旅立ちの時」を観て以来、頭から離れなくなった映画俳優。
それから、ある朝のこと。リヴァーが薬物のオーバー
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ある愛の詩(1970年製作の映画)

4.7

10代の頃からこの映画が大好きでした。

当時観ていたのはテレビの録画だったと思いますが、最近見返したものが、当時のものと字幕が違っているのが残念でした。(この字幕問題ってよくあるんじゃないかと…特に
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ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

4.0

このビフォアシリーズ、すごく若い時にサンライズを見て、当時はあんまりピンと来ませんでした。会話劇というスタイル、イーサン・ホーク、どちらも好みじゃないのもあってか、、

しかし先日、サンライズをひょっ
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私の男(2013年製作の映画)

3.9

公開当時、映画を観たあとに原作も読んでみたのですが、やはりテーマが個人的に共感もできないし想像もできないので、気持ち悪い印象が強かったです。
が、久しぶりに再見すると、テーマへの嫌悪感も特に湧き出てこ
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劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

4.3

普段、ドラマはおろかテレビ自体ほとんど観ないのですが、本作のドラマ版はお料理の場面の評判が高いのと、好きな西島秀俊が出ているのでAmazonプライムで一気に観たところ、このドラマの世界観にすっかりはま>>続きを読む

(500)日のサマー(2009年製作の映画)

3.6

評判がいいらしいし、観てみようかなと思いながら、どうも、気が進まなかった作品です。でも、なかなか良かった。

私が若かったころ、大の仲良しの友人が結婚したとき、友人が、これでもう2度と恋愛しなくて済む
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幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

4.0

初めて観たアニエス・ヴァルダ監督作は「カンフー・マスター」で歳は17.8の頃。
中年になった今、映画との付き合いを思い起こしたとき、自分が実に、最も、切実に映画を必要としていたのが17.8歳の頃だった
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5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

4.0

のっけからクレオに目が釘付けでした。

ザ・フレンチギャルとでもいうようなクレオの全身…水玉のワンピースにハイヒール、ブロンドに、そしてそしてバスト!どうやってあんなバストの線を作っているんだろう?と
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MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

4.0

この映画を観て強く思ったのは、仕事は信念を持ってやるべきで、自分が自分の仕事を信じる事が1番大切だということでした。
他人は他人、自分で自分を信じることの出来る仕事を、mustな仕事をするべきだ。
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人斬り(1969年製作の映画)

3.7

父が坂本龍馬のファンだったので、私も幼い頃から盲目的に龍馬ファンになりました。
自宅の本棚には司馬遼の「竜馬がゆく」はもとより、坂本龍馬のすべてとか、坂本龍馬読本というような読み物も多く、子供だった私
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雨のニューオリンズ(1965年製作の映画)

4.9

どんな時期に観てもどこから見始めてもあっという間に物語に入り込んでしまうオールタイムベストの一本です。

当時ナタリー・ウッド27歳。この女優の絶頂期にあり同時に熟れきって次第に腐敗してゆく寸前にある
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火口のふたり(2019年製作の映画)

4.0

柄本佑と滝内公美さんが、日本人では高身長で長い手足とムダな贅肉のない美しい肉体であるために、劇中ほとんど裸でも見苦しくない。
観たのは2回目でしたが、ラストを全然覚えてなくて、むしろ今回は見終わって感
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ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ(2009年製作の映画)

3.4

太宰治の文学といえば潜在的二人称、かの倉橋由美子も若い頃は偏愛していたという位ですが、自分も、10代の頃は数作品読んだけど残念ながらはまらず…。

過去には生田斗真とか小栗旬とかが太宰治作品の主人公ま
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疑惑(1982年製作の映画)

3.9

やたらと面白かったのは、間違いなく主演の桃井かおりと岩下志麻のおかげ。
クラブのママ役でちらっと出演する山田五十鈴も良かった。タイプの違う大女優それぞれの胆力が満喫できました。

世間では、この主人公
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冒険者たち(1967年製作の映画)

4.0

観終わって、素晴らしい映画体験だったなあと胸がいっぱいになるような映画でした。

レティシア役がジョアンナ・シムカスだったことがこの映画を忘れられないものにしていると思います。
ジョアンナ・シムカスは
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追想(1975年製作の映画)

4.2

戦争を描いた映画として、ひとつの名作だと思います。

いわゆる復讐劇でありながら、復讐を遂げる主人公の職業は医師、市井に生きる中年男性です。
身体はほぼメタボのため動作が鈍く、命綱のメガネが割れるとと
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白い帽子の女(2015年製作の映画)

3.0

昔、はじめてこの映画を観た時にナニコレ⁇と思った記憶があります。

数年ぶりに観るともなく見始めたら、冒頭流れる主題歌がジェーン・バーキンの「ジェーン・b」で。そういえば初見の時もなんでこの選曲?と思
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.7

村上春樹は10代から20代初めくらいまでは1番好きな作家と断定できるくらい好きでした。
歳をとるにつれ、だいぶ順位は落ちましたが、新作が出れば、文庫本になったくらいにやはり購入しています。
が、本作の
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