紫のみなとさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

紫のみなと

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夏の終り(2012年製作の映画)

3.4

昨年末、作家瀬戸内寂聴が亡くなったというニュースを耳にした時、ついに瀬戸内寂聴のいない世界になった、と思った。瀬戸内寂聴は自分の事を書いたものか、伝記物に限っては、他の著作(普通の恋愛物とか)とは比べ>>続きを読む

それから(1985年製作の映画)

3.4

夏目漱石の前期3部作「三四郎」「それから」「門」は、若い頃に読み感銘を受け、特に「それから」が好きで、既に映画化されていると知ってびっくりした記憶が。主人公の代助が松田優作と知ってまさか!と悪い意味で>>続きを読む

ミス・ブルターニュの恋(2013年製作の映画)

3.7

撮影当時69歳のカトリーヌ・ドヌーブが、「シェルブールの雨傘」の頃からいうと3倍くらい肉厚になっている。でも勿論綺麗。
愛人に若い女がいたことを知り茫然自失で車を走らせる所から物語は動き始めるが、丸ぽ
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トム・ホーン(1980年製作の映画)

3.9

若くして癌で亡くなるマックイーンの最後から2番目の出演作であり、それ故に、若い頃の痺れるような渋さとはまた違う魅力があります。かつて、ジェロニモを捕らえて名を馳せたガンマンの主人公ですが、もはや時代は>>続きを読む

麗しき日々(2013年製作の映画)

3.3

主人公の60歳の既婚女性が40前の独身男性と不倫関係に陥るストーリーが、いかにアムールの国とはいえ、さすがに‥と思った記憶はありますが、初見のときから嫌いじゃなかったこの映画。何故かなと、再見して感じ>>続きを読む

ブリット(1968年製作の映画)

4.1

アメリカの政治の事は分からないが上院議員ってどうしてあんなに偉そうなのか?映画に出てくる上院議員に、ロクな人がいない‥。
今回、刑事役のS・マックイーンは死ぬほどカッコいい(ペイズリー柄のパジャマで寝
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タワーリング・インフェルノ(1974年製作の映画)

4.8

この映画は紛うことなき傑作だと思います。初めて観たのは数年前でしたが、それまでこの映画の存在も知らなかった私‥どうして知らずに生きて来れたか謎です。
超高層ビルの火事がテーマですが、同じパニック映画と
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望み(2020年製作の映画)

2.0

冒頭、サッカーの試合シーンを観た時、これは面白そうな映画だ!と期待しましたが、映画がすすむにつれ、違和感しかなく、どうにか最後まで観るには観ましたが、WOWOW録画でしたが見終わった直後すぐ消去しまし>>続きを読む

ホット・ロック(1971年製作の映画)

3.4

ロバート・レッドフォードが刑期を終え出所する所から物語は始まる。一見するとS・マックイーンの「ゲッタウェイ」を思い出させるが、「ゲッタウェイ」とは似ても似つかぬコメディちっくな犯罪映画です。
すごく若
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時をかける少女(1983年製作の映画)

4.2

田舎の小学校だった頃の自分にとって大ヒット映画の本作をやっとテレビで観れた時の衝撃といったらなかった。以来、原田知世はオバさんになった現在の自分にとっても未だに特別感は消えておらず、いつまでも「知世ち>>続きを読む

大統領の陰謀(1976年製作の映画)

4.0

本作はR・レッドフォード出演作の中でも最高級にカッコイイ作品。ウォーターゲート事件についてほぼ知らない上に、登場人物の名前が多すぎて関係性の理解ができない上に、アメリカの選挙制度についても全く無知であ>>続きを読む

アンモナイトの目覚め(2020年製作の映画)

4.0

ケイト・ウィンスレットはどんな役でも誰が相手でも最善の演技ができる。若いシアーシャ・ローナンはケイトと共演して、女優としての生き方を学べたのではと想像します。
男以上の才能があっても女の名前で公表でき
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私のニューヨーク(2018年製作の映画)

2.1

癌の告知を受けた女性が主人公の映画であるならば、もっと真面目に作成して欲しかった(真面目だったでしょうけど)。
サラジェシカパーカーはキレのある優れたコメディエンヌだと思いますが、延々と出ずっ張りで余
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レア・セドゥのいつわり(2021年製作の映画)

3.0

本作はアメリカの小説家フィリップロスの自伝的小説の映画化らしく、フィリップロスの小説は読んだことがなくて、個人的に10代後半から20代前半まで1番好きだった小説家村上春樹がそういえば賞賛していたことを>>続きを読む

かもめ食堂(2005年製作の映画)

3.7

小林聡美、もたいまさこ、片桐はいりの3人は邦画の世界では稀有な存在とは思いますが、この映画の大ヒット後に、3人のうち2人位が出てたら売れるだろう色の強い邦画が次々と作られたのには辟易しましたし、フィン>>続きを読む

ラ・ブーム(1980年製作の映画)

3.7

ラ・ブームは一度観ておきたいと思いながら何十年と観る機会がなく、初見は割と最近で数年前くらいでしたが、やはりソフィーマルソーの観るも者の胸を惑わすような表情はこの頃からのもので当時14歳位らしいですが>>続きを読む

ベスト・フレンズ・ウェディング(1997年製作の映画)

4.1

ジュリアロバーツとキャメロンディアスは沢山のロマンティックコメディに出演していますが、個人的に本作は上位に入るくらいお気に入りです。
女って、自分はこの人には負けていると本能的に察知してしまう相手がい
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愛と追憶の日々(1983年製作の映画)

4.3

こんなラストとは思いもよらず観た10代の頃から5年に一度位は見返す機会があり、ラストを知っている今でも毎回必ず大号泣している。若い頃は本気でデブラウインガーの夫が嫌いで(ジェフダニエルズの演技が上手す>>続きを読む

散り行く花(1919年製作の映画)

4.0

ヒロインのリリアンギッシュは父親に虐待されているのですが、その怯えの表情、若いのに老婆のようなその姿が虐待を受け続けてきた少女の苦しみの果てを痛いほど伝えていて、物凄い演技だと思いました。そのため中国>>続きを読む

未亡人、回る春(2020年製作の映画)

3.5

エマニュエルベアールは、「フランスの女」くらいの頃はこんな美しい人がこの世に存在するのか!と思うくらいどこからどうみても女神のような美しさだった。だからこそなのかも知れないが、整形だけはして欲しくたか>>続きを読む

美しいひと(2008年製作の映画)

3.8

ラファイエット夫人作「クレーヴの奥方」をもとに制作された映画。日本の高校では「こころ」が国語の授業に出ますがフランスでは「クレーヴの奥方」を学ぶ。
原作を読んだ時もこの映画を観た時も、ラスト主人公のと
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日本侠客伝 昇り龍(1970年製作の映画)

3.7

彫物師の藤純子が芸術品のようである。これだけいい女が惚れた男に尽くす姿というのは見ているだけで満足できます。藤純子に彫られながらタバコをくゆらす健さんは直視出来ないほどの男盛りでもの凄い映像です。「男>>続きを読む

日本侠客伝 血斗神田祭り(1966年製作の映画)

4.0

シリーズの中では本作が1番。火消しの健さんは超絶にカッコいい。私的に役者その人と役柄が見事に一致しいつも卒倒しそうにシビれてしまうのは高倉健とスティーブマックイーンです。この時代の男女の恋愛の奥ゆかし>>続きを読む

ルージュの手紙(2017年製作の映画)

4.0

まず、主人公カトリーヌフロの演技とキャラクターが素晴らしい。助産師としてプロ中のプロ。女手一つで息子を医大にやり、休日は畑で野菜や花づくりを楽しむ。実の母より、父親の彼女だった奔放な女カトリーヌドヌー>>続きを読む

オール・イズ・ロスト 最後の手紙(2013年製作の映画)

4.0

公開時、割と話題になっていて、当時の私は老人になったレッドフォードはあんまり観たくないなぁと思っていたが、どこか惹かれるものがあり鑑賞した。インド洋にて航海中、目覚めると突如ヨットが浸水しかかっている>>続きを読む

ロング・トレイル!(2015年製作の映画)

3.9

登山とはまた違うトレイルなるものをこの映画で初めて知る。すごく楽しめる104分。お年寄りのロバートレッドフォードとニックノルティのコンビも意外と合っている。ラストもいい。人間は、なんでもいいから始める>>続きを読む

エル ELLE(2016年製作の映画)

3.9

これは相当に面白くて何度か繰り返し観た。イザベルユペールという女優はかのフランスにおいても代替不可能な唯一無二の存在だと思う。実際の設定年齢よりかなり上の歳で演じたらしいですがその度胸といいますか、と>>続きを読む

ナチュラル(1984年製作の映画)

3.4

いくら私がロバートレッドフォードの大ファンとはいえ、ハイスクールを出てメジャーリーグ入りしようと意気揚々な若者のシーンまでレッドフォード本人に演られてしまうとそれはないよと引くというもので。絵面的にも>>続きを読む

アパッチ砦(1948年製作の映画)

3.3

指揮官の判断ひとつで無闇に人命が失われる戦争というもの、日本がかつて世界を相手に繰り広げた数々の愚かな作戦にまで思いを馳せてしまい、収拾つかなくなるので、今日的な感覚ではなく俳優に焦点を当てて気楽に観>>続きを読む

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

4.0

これが実話を元にしているというのが驚く。実話だろうが作話だろうが、銀行強盗の映画はあまり好きではない(犯罪だし…)けれど、レッドフォード最後の出演作と思って観ると全てのシーンが愛おしい。年少の頃からの>>続きを読む

東京物語(1953年製作の映画)

4.4

中盤より少し前くらいから涙が止まらなくなり泣き続けいると、ラスト近く、原節子の告白シーンで原節子と一緒に号泣してしまう。原節子はあまり好みではなかったがこの役はかけがえのない存在。笠智衆の声を思い出す>>続きを読む

コンドル(1975年製作の映画)

4.4

オープニングの数分間で登場人物のキャラクターや設定が鮮やかになる脚本の素晴らしさ。レッドフォード以外の事務所の人間全員が惨殺され、綺麗なアジア人女性の死に哀悼を感じだ瞬間から一気にサスペンスとなる。レ>>続きを読む

食べて、祈って、恋をして(2010年製作の映画)

2.8

公開当時、非常にヒットしていたので楽しみに観たけど、どこが⁇と疑問の湧く映画でした。まずジュリアロバーツとジェームスフランコが全く合ってない。嫌悪感さえ感じてしまうカップル。だから引きずるのがおかしい>>続きを読む

男と女 人生最良の日々(2019年製作の映画)

2.9

うーん。なんか、観んかったら良かったと思ってWOWOW録画していたものを消去してしまった。ジャン=ルイ・トランティニャンはらしくて良かったですが…。アヌークエーメの、んふっというアンニュイな笑い声と髪>>続きを読む

男と女(1966年製作の映画)

4.0

冒頭に現れるアヌークエーメのダークブラウンのチャイナ風なコートに白のタートル、白の手袋!宝石の様な瞳にブルーのシャドウ、センターパーツのボブヘアをかきあげる仕草といい、目が奪われっ放しの1時間42分。>>続きを読む

夕陽に向って走れ(1969年製作の映画)

4.0

男性の俳優ではロバートレッドフォードがNo.1に好きなので、レッドフォードの映画というだけで盲目に2割増しになってしまう。レッドフォードは追われる役より追う役の方が個人的には好きです。私生活と社会的信>>続きを読む