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映画も歌も、福祉ではないから、抱きしめて、勇気づけることしかできない。これは細田守なりのハグ?
シングルファーザー家庭の子どもたち。片方は、母を失い、気を病み、学校や友達に馴染めない、高知の田舎の女>>続きを読む
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人は容れ物。そこにどういう意志という物語を読み込むかは、人による。社会による。時代による。そこでは本当を語る神も科学も変わる。
映画もそう。娘の涙もそう。そこに何を読み込むかは人それぞれ。
でもそれ>>続きを読む
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何が好きか。夢と現実の境界を乗り越えて、というか、僕らはそんなにぱきっとわけてそれらを認識していない。現実とはそういうもの。
その現実のなかで、好きを選び取る。きっかけは顔であれ(顔がきっかけで亮平を>>続きを読む
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ハネケの真骨頂、うんざりする現実と、それを淡々と描写するいさぎのよさ。この美しさはブレッソンに通じるような。ハッピーエンドという強烈な皮肉は、考えたくもないその後の彼女への処遇を鮮明に想像させるもので>>続きを読む
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麻薬をめぐる論争を端的にまとめつつ、物語を作っている。
まず麻薬組織の長がいるが、彼女の言い分はもっともだ。麻薬より砂糖の方が人を殺しているし、なぜお酒やタバコがよくて麻薬はいけないのか、と。確かにそ>>続きを読む
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まずあげないといけないのは、マイノリティの団結である。声の出ない障害者、社会から見放されたセクシャルマイノリティの老人、夫にも無視される黒人女性、国家間の競争に翻弄される純粋な科学者。他者の痛みを知り>>続きを読む
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女の下着干すところから始まる。女たちが偽りなく生き、死ぬ話。
宮沢りえの活発な動きからの動かなくなるまでの表現がすごい。
水色と赤。
煙突から始まり、煙突に終わる、
日本的な火葬の比喩。なんだろうね、>>続きを読む
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相当苦労して作ったんだろうな。ところどころ、違和感はあったけど。意志がなかったら本能で動くとか、完全に我々の概念だけど、でも我々は我々の言語で対話を求めるしかないんだよな。単語だけ出して、なんであっち>>続きを読む
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抵抗軍の闇、「知られざる」犠牲が描かれた。
そして核を使用するということは、その瞬間その場で考えなければならないそれぞれのさまざまな意図、犠牲、代償、全てを突き放して、人間が思考停止を選ぶということだ>>続きを読む
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花火と少女の儚さ的な美しさ。
どっちであっても丸。どっちであっても変わらない。虚しさ。
全てが昇華して、飛び散って、そこに残る虚しさ。そこに美を見る。
それを演出する音楽。全てを取っ払って、誘う何と>>続きを読む
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オープニングで引きつけられる。何なんだろうね、音楽に合わせて街並み見せていく形式。昔の映画とか、まあ最近の映画もよくあるけど、いい効果あるよな。松任谷夫妻の音楽も良い。
80年代の身体に今との違いを感>>続きを読む
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美しさとは何か。ものすごく複雑な愛憎、欲望、憧れと嫌悪、罵りと尊重、嘘と真実、共存と緊張、その絡み合い、ダンス、協奏ではないか。
そしてそのなかに自己や自我、他者がある。母娘、姉妹、労使、恋人間を生き>>続きを読む
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痛い、憎い、悔しい、汚い、臭い、苦しい…クズで何もかもが底辺。でも、だからこそ、生きてる、人間丸ごとって感じ。ガチすぎる世界。元気出る。
安藤サクラの神憑りとキックボードババアの気持ちよさ。
ノーサイ>>続きを読む
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これといった意味やメッセージ、本質がない、何かのようなもの。ただ素朴な日常を描いたもの。最近みたから繋げるとストレンジャーザンパラダイスと遠からずな気がする。落語家のようなものである主人公と、映画のよ>>続きを読む
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決定的に重要だったのは、記憶は薄れるが、ぼくらが変えることができるのは、何も相手や自分の意識だけではないということ。その周囲との関係性とか、なぜかは忘れても行為をしたということ。体とか、関係とかに刻み>>続きを読む
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蒸し暑い香港を描く儚くも美しい群像劇。金城武と父のやりとりも、暗殺のシーンも、バイクで疾走するシーンも、オナニーのシーンも、ネオン輝く雨の街のシーンもよかった。とにかく監督と撮影がキレキレだった。
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誰かにどう見られるかが重要な意味をもつ近代以降に発生した、かまちょの物語。
そんなときに自分のアイデンティティを安定させ、ガンをも受け入れるほどの本質を与えてくれるのは、ごく普通の男との恋だった。
私>>続きを読む
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喪失、解放、怒りが映画を始め創造に携わる原動力になる。故人に強烈に縛られるのが生き残る者の宿命でもあるけど、でもそれが即、勝ち逃げされることにはならない。生きる者はその先の現実を作りかえ、過去への意味>>続きを読む
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静かでクールで素朴なカメラワーク、やりとり、ストーリー、音楽。その素朴さ、日常のささやかさをとらえるところに、面白さがある。しょーもない、退屈な日々もユーモラスに。
無意味に思えるものを意味づけたり、>>続きを読む
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いつだって、誰もが天使になりうるし、どこであっても楽園になりうる。
こういう選択肢があること忘れちゃいけないし、守っていかないとなと思う。
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誰が何をどう見るかは問題ではなくて、見られること、消費されることが唯一の価値。誰かに見られることが価値であり、私も私に見られることで存在する。しかしいつか私たちが消費しているもの、消費していること自体>>続きを読む
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保守との戦い。
馬鹿で不要な人間は殺せばいい、排除すればいい。皮肉にもイギリスがその最前線を行っている。英国紳士はもういないのかもな。というか英国紳士ってそもそも保守的なのか。
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車を盗む、危険な運転をする、人を殺す、国外逃亡しようとする。
常識的な価値規範から外れた彼の末路は、予想通りだが虚しい。
国家に、愛する人に、消される。消されることが、いとも簡単に正当化されることが、>>続きを読む
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日常世界を構成する観念、イデオロギー。私たちは確かに、上の次元に操られているのかもしれない。私たちは少なくとも自分が日本人だと信じているし、平和で自由に暮らしていると思っている。国なんて幻想だ、なんで>>続きを読む
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これはホラーなのか、そうではないのか。
作り方や死を扱う点では、ホラーに見えなくもないような作りになっている。廃墟のシーンや、無音で暗い場面は、どこか恐怖を煽るような印象を受けた。
しかし当然、これを>>続きを読む