三四郎さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

三四郎

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キネマの天地(1986年製作の映画)

3.6

本当の映画っていうのはね、魂を揺さぶるような、観る人の人生を変えてしまうような、そんな力を持っているんだよ。そうゆう映画を作るのが僕の夢なんだ。

名作『西部戦線異状なし』を変えて、『全部精神異常あり
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追憶(1973年製作の映画)

3.5

大戦直前の1937年の大学反戦運動。
冒頭近くの大学時代回想シーン。
バーブラの演説は、同時代の日本の左翼たちと同じ意見だ。共産主義やソ連を信仰するなど、今となっては逆に恐ろしい。
確かに、戦前から戦
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ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(2017年製作の映画)

2.8

恥ずかしながら『ライ麦畑でつかまえて』を読んだことがない。図書館で手に取ってもあらすじをサラッと読み、そのまま棚に戻していた。この映画を観て読んでみたい気分にはなったが、やはり私には合わないだろう。>>続きを読む

サリー・ポッターのパーティー(2017年製作の映画)

3.5

パトリシア・クラークソン目当てで観たら、批評家とインテリが好みそうなイギリスらしいブラックジョーク映画だった笑 舞台をそのまま映画化したような演出で、しかも白黒映画となっており、政治・歴史・哲学・不倫>>続きを読む

哀愁(1940年製作の映画)

3.7

松竹の大ヒット映画『君の名は』を製作する際、大庭秀雄監督がモデルにした作品。

この作品を観たのは大学1年生の時だったが、後半から心が痛くて痛くて…、観ているのが辛かった。以来、再度鑑賞したことはない
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心の旅路(1942年製作の映画)

4.8

大学1年生の冬に大学図書館のLDで見たが、今でも忘れられない名作。125分が非常に充実したものになったのを覚えている。

この映画は『チップス先生さようなら』で有名なジェームズ・ヒルトンの小説の映画化
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ラスト・ホールド!(2017年製作の映画)

1.0

これは…彼らのファンのためだけにある映画かな…。大学の青春スポーツものだったらハズレはないと思ったけどなぜかつまらない。主役の塚田僚一は舞台には映えるのだろうが、映画には向いていない気がした。表情と科>>続きを読む

ラブ・イン・トランスレーション(2021年製作の映画)

2.5

ハーバード大学とコロンビア大学の学位を持ち、8つの言語と2つの古代言語を操るなんて凄すぎ笑 仕事帰りに観るなら、こういう何のひねりもないハッピーエンドなストーリーが心地いいが、Amazonで配信されて>>続きを読む

早春(1936年製作の映画)

4.8

UFA万歳!MGMのような豪華絢爛な舞踏会!床鏡の上でいつまでも続くかのような煌びやかなダンスシーン、スピードを感じさせる回転と重なる映像の美しさ!音楽からしてハリウッドとは重みと深みが違う。ドイツ映>>続きを読む

ロケットマン(2019年製作の映画)

2.5

「僕の歌は君の歌」本当に良い歌だ。『エンジェル 僕の歌は君の歌』という映画を観た時にこの歌を知った。映画の内容は全く覚えていないが、この歌だけ記憶に残っている。歌詞に、君の瞳が緑だったか青だったか…と>>続きを読む

結婚式・結婚式(1963年製作の映画)

4.8

松竹大船豪華キャストで稀に見る大傑作ソフィスティケイティッド・スクリュボール・コメディ!!!!
1960年代大船調の最高傑作、名作ではないかしら!?
家族とは、兄弟姉妹とは、男女とは、日本人アメリカ人
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火の鳥(1956年製作の映画)

2.5

芸術的な雰囲気のある良い映画になりそうなのに、何かが足りない。
映画に出演することに対する舞台演出家である先生の言葉が興味深かった。
「僕は反対だよ。映画というものは娯楽的要素が多分にある。それに大企
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Anastasia - Die letzte Zarentochter(原題)(1956年製作の映画)

3.0

同年にハリウッドで同じく皇女アナスタシアの物語である『追想』が公開されている。しかもヒロインを演じたのはイングリッド・バーグマン。リリー・パルマーの熱演虚しくバーグマンが話題を全て攫っていったんだろう>>続きを読む

否定と肯定(2016年製作の映画)

2.5

判決後の喜び方が微妙だった。あんなに喜ぶのはおかしい。実際あんなに喜んでいたのか、映画故の演出なのか…。裁判の内容が慎重にならざるを得ない深刻かつ重大なものであり正しいことを主張している自負があるのだ>>続きを読む

Mr.&Mrs. スミス(2005年製作の映画)

1.0

あらすじを読まずに観るからこういうことになる。普通の倦怠期夫婦の話だと思って観ていたら、殺し屋夫婦の話だった…。20世紀フォックスのサーチライトが光り、ファンファーレが鳴り響いた時から嫌な予感はしてた>>続きを読む

綱渡りの男(1953年製作の映画)

2.5

20世紀フォックス製作のハリウッド映画だけど、西ドイツでロケ撮影をしており、ドイツの俳優・女優が6人ほど端役で出演している。しかし、彼らの名前はクレジットされていない。

昔からどうも20世紀フォック
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高慢と偏見(1940年製作の映画)

4.7

スピード感があるなぁ!トークトークトーク!さすがハリウッド映画だ。オースティン文学を盛り立てている。

グリア・ガースンは高貴な美しさに満ち溢れ、実に機知に富んでいる。
最初の舞踏会で、エリザベスがウ
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カクテル(1988年製作の映画)

1.0

これは駄作だよね…。一攫千金を夢見てニューヨークへ来る主人公。ありきたりな出だしだけれど、逆に使い古されすぎていくらでも面白くできるはずなのに、何のひねりもなく単純で、金持ち女に尻尾を振るただのバカ男>>続きを読む

もうひとりのゾーイ(2023年製作の映画)

2.5

哲学者アラン・ド・ボトンの言葉「ロマンチックな恋とは現代の発明品」とか、「恋なんて資本主義の産物だ」という科白とか、出だし好調だったのに…、後半がつまらない。
「大失敗して恥をかいても、得意分野で名誉
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大人の見る繪本 生れてはみたけれど 4Kデジタル修復版(1932年製作の映画)

3.0

大人の世界と子供の世界は異なるものだ。子供が「現実」を知るようになるのはいつ頃からだろうか?
「お父さんが一番偉い」と思っていたにもかかわらず、そうではないのだと認識した時、子供の心も淋しく切ないもの
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沈黙のパレード(2022年製作の映画)

2.0

『オリエント急行殺人事件』のような映画だなぁと思って観ていたら、最後は少々違った。「ガリレオ」シリーズは数式が出てこないと盛り上がらないしつまらない。

おとうと(2009年製作の映画)

1.5

こんな叔父さんいたら嫌だなぁ…。弟でも御免蒙る。
死ぬ間際の弟と姉が赤いリボンで手を繋いで眠るシーンは、市川崑監督の『おとうと』を思わせた。岸惠子と川口浩だったなぁ。あれは若い二人だったからまぁ良かっ
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春の日は過ぎゆく(2001年製作の映画)

3.0

運転できなかった彼女が車を買い運転できるようになっている。しかも、新しい男の元へ運転して行く。彼女の新品の黄緑色の車に鍵で傷をつける主人公。「俺の心の傷はこの車につけた傷よりも深くえぐられ疼くんだ」と>>続きを読む

風の中の牝雞 4Kデジタル修復版(1948年製作の映画)

2.7

暗いね。戦後の混乱と暗さ。奥さんも旦那さんも良い人ゆえに辛いね。

長屋紳士録 4Kデジタル修復版(1947年製作の映画)

4.8

冒頭から笑いあり涙あり、こんなに速い展開で笑ったり泣いたりするなんてことはない。
やっぱ脚本が池田忠雄だからかしら。名作ですわ、小津安二郎監督には脱帽です…。こんなに心痛み、深く、優しく、おもしろい作
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父ありき 4Kデジタル修復版(1942年製作の映画)

3.5

ドイツの名曲“Das gibt’s nur einmal“の口笛がジーンとくるね。
昭和は遠くなりにけり。
ラストの汽車シーンが泣ける。佐野周二の表情が良い。お父さんと暮らしたかったけど叶わなかった無
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キャロル(2015年製作の映画)

2.6

衝撃を受けた作品だけど感想を書いていなかった。
この作品は、大学2年生の時、公開中の話題作ということで友人に誘われ新宿辺りの映画館へ観に行った。当時の私は、同性愛というのは崇高なるプラトニック・ラブだ
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Operation Sleeping Bag(英題)(1955年製作の映画)

3.5

あゝ息子役の俳優さんが羨ましい!願わくは夢で良いから「私の坊や」とドロテア・ヴィークから抱きしめられたいものだ…。
母親から大好きだったピアノを弾くように勧められても、戦場を体験した息子は「弾けないよ
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上海特急(1932年製作の映画)

2.5

まさかハッピーエンドになるとは思わなかった。当時はどうだったのかわからないが、男の欲望と浪漫が詰まった映画って感じで、現代の感覚からするとちょいと恥ずかしい映画に思える。スタンバーグ監督は本当にディー>>続きを読む

サンタ・ボックス(2020年製作の映画)

2.5

これは…心温まる映画ということで良いのだろうか?
これでいいのか?という点が多すぎて、全然スッキリしない。
なぜユダヤ系のお爺さんを「大戦中はナチスの兵士だったそうよ」と噂するのか?絶対あり得ないだろ
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ベニスに死す(1971年製作の映画)

3.0

母が一番好きな映画。映画のパンフレットまで綺麗なまま実家に保管してある笑
映画は恐らく小学生の頃に母と観て(いや、見せられて?)、小説は高校3年生の時、やはり母から勧められて読んだ。しかし、小説も映画
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陽気な中尉さん(1931年製作の映画)

2.5

どうもモーリス・シュヴァリエが苦手…。表情の作り方とかお芝居とかすべてが大げさ。彼が主人公じゃなかったら楽しめたかもしれない。ルビッチ監督のお洒落で粋な雰囲気や絢爛さは好きだが、ストーリーはイマイチ。>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

1.0

もう何が何だか全然わからなかった…。ウルトラマンの物語を大人たちが真剣に演じているところが滑稽に見えてしまい、世界観について行けなかった。

美の祭典(1938年製作の映画)

3.0

『民族の祭典』ほどの心揺さぶる感動はなかったが、レニ・リーフェンシュタール監督の肉体と美への追求・演出…その類稀なる才能は認めなければならないだろう。

ナチスとの関係がどうであったか、真実は彼女自身
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民族の祭典(1938年製作の映画)

4.8

なんて美しい映画なんだ。『民族の祭典』は珠玉の名作だ。ドキュメンタリーではなく、究極の身体美と躍動感そして会場の臨場感を求め、演出・創作行為のある作品であるが、だからこそ歴史に残るこのような素晴らしい>>続きを読む

ドリームガールズ(2006年製作の映画)

2.5

どの業界も成功するのは大変だ。腕の良いプロデューサーは成功と引き換えに心を失うんだなぁ。そして、スターになりそれを維持する人も成功と引き換えに心を失う。一体、人生において「成功」とは何ぞや!生きている>>続きを読む