ryoさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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春画先生(2023年製作の映画)

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これで良いのだと言わんばかりに簡潔な、和室のツー・ショットだけで全身全霊で擁護したくなる。映画の見方が貧しいバカが多くて嫌になるが、思うに、心理主義や行きすぎたPCと最も食い合わせが悪い作家の一人が塩>>続きを読む

ドミノ(2023年製作の映画)

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思ったことが叶う系超能力だから、眉間に皺寄せたオッサン同士のガン飛ばしサドンデスが始まってしまわれる。

こいびとのみつけかた(2023年製作の映画)

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見る前から予想されたが、変なセリフを変なテンポで喋ることにかんして成田凌の右に出る者はいない。メロドラマの射程は、字義通り解釈すればだが、もっと大きいはず。あの終わりでは主人公の兇暴性がいつか出てしま>>続きを読む

アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家(2023年製作の映画)

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すんなり見られる作り。ドイツ語なり英語なり精霊のボソボソ囁きがツボだった。ピナ・バウシュのを3Dで見られていないがこんな印象になるのかな。俯瞰の雪上移動とかあったが3Dキャメラって今は飛ばせるのだろう>>続きを読む

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

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核は『月』と近いのになぜこうも別なる味わいなのか(どちらも良い)。マスクに血が滲んで日の丸とか酔った父の介抱が疑似ハグとかいちいち笑えて染みる。森﨑東の怒喜劇を継げるのは今の石井裕也しかいない!

(2023年製作の映画)

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志が違う。あと少しで届きそうなのに届かない「あちら」へ行こうとするこの志が凡百の映画と決定的に違う。どうなるか分からないが行くこと。とにかく目の前のあなたを面と向かって抱きしめること。

至福のレストラン/三つ星トロワグロ(2023年製作の映画)

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魚を捌いて切り身の間になにかソースを塗り込む調理のショットで、あきらかにキャメラが料理人の手捌きに遅れているから、これは撮影違う人だぞと思っていると実際そうだった(ジェームズ・ビショップ、07年『州議>>続きを読む

エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命(2023年製作の映画)

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心理的動機を置き去りにする移送中の「改宗」と、ついにこの時が来たと懐から取り出される聖水。はー、堪能。時々あまりにも単純なのではという切り返しもあるが、枯淡の境地に達してこそか。心の裡が見えない男児の>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

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スロースタートだが尻上がりに良くなる。エリック・ロスとスコセッシの共作によって描かれたサーガのなかで、ちっぽけなディカプリオが右往左往していく。元々探偵役に当てられていたディカプリオがむしろ甥を膨らま>>続きを読む

(1970年製作の映画)

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『糧なき土地』が33年、『獣の血』が49年。豚の解体、ソーセージ作りが貧村に生きる人々の〈労働〉として撮られていると同時に職人の〈仕事〉としても撮られている。『ペサックのバラの乙女』二部作で終わらない>>続きを読む

ペサックの薔薇の乙女(1968年製作の映画)

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68年でこの旧態!後期野田真吉はただひたすらに祭りを見つめ続けたがこのユスターシュはそれよりはやや近い距離から人々を撮る。堂々と切り返したりしていて興味深い。フィクションはドキュメンタリーのように、ド>>続きを読む

A.I.(2001年製作の映画)

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どう考えても筋が奇妙で戸惑うのに最後は感動させられるからさらに戸惑う……。

658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

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陰気な人間が進んでヒッチハイクするか?と躓いてしまい、そこから細部にどうも納得できず。所詮同一化できる主人公ではないのだが。竹原ピストルはせめて嫁さんぐらい置いていくだろう、黒沢あすかの人格変化の原因>>続きを読む

バカ塗りの娘(2023年製作の映画)

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『いとみち』然り、青森が、地味だが確実に良質な地方映画を作っている。バカ塗りの工程そのものではないか。派手なテクニックを誇らしげに使うようなことはせず、丁寧に俳優の演技を撮る。いつもはやや味が濃い小林>>続きを読む

キリエのうた(2023年製作の映画)

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声が出ない主人公だから声が出るようになって終わるのかと思ったら全然そんなことはなかった。てか最初から声出てるし。録音終わってたのとアフレコ目立つのはいいのかどうか。、
決して俺がバカだからじゃないと思
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天使の影(1976年製作の映画)

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カーフェンの二度繰り返される鯖折りみたいな倒れ込みは『書かれた顔』玉三郎の白鷺、メイクする老父は同じ玉三郎の白塗り、酒場のテーブルで曲線を描くキャメラは『ラ・パロマ』、突然のフリーズ・フレームや自力ス>>続きを読む

害虫(2002年製作の映画)

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なんとなく『冬の旅』のボネールに重なってしまうが宮崎あおいは意図せず周りの男どもを引きつけてしまうのが特徴的。今なら彼女はこれからトー横とか行ってしまうんだろうか。とすると、りょうの母だって昔は何をし>>続きを読む

カナリア(2004年製作の映画)

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運転席の男の生死を聞かれたことへの返答「分からない」が第一声だった少年が分からずとも生きていく選択をして終わる(それが家族のイメージ、特に石田が〈父〉のイメージを背負っているのは問題だと思うが)。井上>>続きを読む

福田村事件(2023年製作の映画)

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ピークは水平社宣言の暗誦。『水俣一揆』御詠歌を思い出した。
個性的な作り手が集まった結果、特定の誰かの映画にはなっていない感覚がある。ただ、余計な動きをしている役者が多かったから演出で削ぐべきかとも。
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バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

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職人リンクレイターだからサラッとした口当たりなのだが、気づく顔→バケツは、雨音→気づく顔→バケツの方が良いのでは……。そろそろブランシェットには軽いの演じてほしい。