金春ハリネズミさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

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素敵な機会が巡ってきましたので、劇場へカチコミ。

ミニシアターに人がいっぱい。
それだけで、ちょっきしウルッときます。

人生に一度は観ておきたい、でお馴染みの栄枯盛衰モノですね。

中国近代史に、
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ヤング・ゼネレーション(1979年製作の映画)

5.0

Bravo‼︎

持ってるヤツに持ってないヤツがたまには勝つと思ってたいヤツ。

世代(1954年製作の映画)

4.1

アンジェイ・ワイダの戦争(抵抗)三部作です。

僕の好きなYouTubeチャンネルで放たれた一言を曖昧に拝借して。
「政治が、若者が最も手っ取り早く自己表現できた時代」がかつてあったそうです。
日本で
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

たとえばある老人に、その人の人生や昔の記憶を尋ねると、老人はつぶさに過去の記憶の断片を、実に短絡的に、脈絡をすっ飛ばして話しはじめるもんだから、情報が多い割に文脈が掴めないまま、ただただなんとなくで耳>>続きを読む

横道世之介(2013年製作の映画)

4.7

「さかなのこ」から来ました。

1987年が舞台みたいです。
グラフィックはもちろんですが、何より衣装が凄い。
キャラクターの性質と時代性をバチンと纏わせます。

撮影は近藤龍人さんですか。
本当に良
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.1

日本の怖いってのがどーゆーもんか教えてやるよバカヤローコノヤロータコヤロー。

画面の隅々まで完全に降りてんだなぁ畜生。

君たちはまだ長いトンネルの中(2022年製作の映画)

4.0

上映当時は観たくて観たくて震えてたんですけど、結局行けてなかったんです。

YouTubeで一週間限定公開は熱すぎます。滑り込めてよかった。

「こんなに危ない⁉︎消費増税!」が原作ですから、社会派が
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SF/ボディ・スナッチャー(1978年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

おもしろすぎます。

予想以上に素晴らしい作品で、本当に見てよかった。

ジョン・カーペンターの遊星Xやゼイリブ
リドリー・スコットのエイリアン
岩明均の寄生獣とかなんとか、そういう感じ。
SFサスペ
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.3

ボリビアで実際に起こった事件がモチーフですか。
要するに決して、これが昔の話や問題なんかではない、現代のモチーフだということが何よりも重要な気がしまして。
「へぇそんな時代や村が昔あったんだ。可哀想な
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.7

「バービー」の公開が近いのを良いことに、さっさと見ときゃいいものを、今の今まで後回しにしていたこの杜撰ぶりったらないですね。

「若草物語」は、もう、まじで古いやつで、小生原作は愚か、49年版しか見た
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ジョニーは戦場へ行った(1971年製作の映画)

4.1

ずっと見たかったシリーズのやつ。

ジョニーの過去と現在を、色彩のギャップでダイナミックに描き分けます。

両の腕と両脚から顔面まで。
全てを戦地へ置いてきたジョニーを、いったい誰が救えるというのでし
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

5.0

このシリーズ。
全然興味なかったんです。
またマルチバースかって。
きしょ、って。
スパイダーマンこすってよいしょしてハイハイって。
思ってました。

けどあんまり周りの下馬評がいいから、食わず嫌いも
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クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

4.2

IMAX上映が早々に本作から手を引いたもんですから、IMAX間に合いませんでした。
シビアが過ぎます。
まぁ日本であまり集客できてないみたいなので、仕方ないんでしょうけど、クリードシリーズもっと宣伝力
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ベニスに死す(1971年製作の映画)

4.5

とてもとても美しくて、それが苦しい一本。

終わりとはじまりの物語を、マーラーのAdagiettoに乗せて歌います。

朽ち果てることを約束されたその花は、青々と輝く生花を前に、いったい何を思うのでし
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ビデオドローム 4K ディレクターズカット版(1982年製作の映画)

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はちゃめちゃです。
カルトもカルトです。

正直文脈が一人相撲状態なので、よく分かりません。
ただ、観終わると何だかちょっとこの作品が分かったような気がして、色々反芻するうち、やっぱりよくわからない。
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

5.0

素晴らしいバランス感覚です。

父と娘の慰安旅行です。
大きくて近い存在だけど、本当の顔が見えるようで見えない。
あの頃親の背中に覚えた、あの記憶がフラッシュバックします。

幼少期の、淡いベールにか
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怪物(2023年製作の映画)

5.0

強烈な一本です。
各人の洗練された腕に、眩しいくらいの後光を感じました。

まずは是枝監督おかえりなさいですね。
「万引き家族」以来、5年ぶりに日本でカメラを回します。

脚本が坂元裕二さんですか。
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お葬式(1984年製作の映画)

4.3

伊丹十三の処女作ですか。

赤の他人のお葬式に3日間密着しますよ。

日本のお葬式はヒヤヒヤする瞬間が多いです。
故人を前に、種々雑多の人々が集います。
こっち側とあの世が入り混じった空間に、身が締ま
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TAR/ター(2022年製作の映画)

5.0

めちゃオモローです。

殊更社会に於いて、
それも社会的道徳や潮流に、
仮に前時代的なるものと、次世代的なるものがあると仮定して、
それがとりわけ、芸術の観点に於いて。
今日のシーンが、どのように変貌
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いとみち(2020年製作の映画)

4.9

まぁこれが不思議なもんで。
僕はきっと本家本元の正真正銘、日本映画を観たはずなんですが、いやこんなに台詞が聞き取れないものかと、びっくりしたんですね。
所謂津軽弁。彼女相馬いとは、とりわけ訛りの強い津
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私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

3.8

予告を含めたプロモーションのパッケージ力に惹かれて観たのが、そもそもの間違いだったかもしれません。

非常に無機質なテイストで実在の少女、オルガ・ヘプナロヴァを観察します。

正直言って主演のミハルナ
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皆殺しの天使(1962年製作の映画)

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こうしちゃいられない。
時計の針は丑四つをとうに過ぎようとしている。
はやくお家に帰らなくちゃ。
みんなさっさと支度して帰りましょうか。
いやいや今宵はどうも、お邪魔しました。それでは。
そう言いなが
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マルサの女(1987年製作の映画)

5.0

ちゃーくそおもろい。

おもろすぎー。

なるほど「マルサ」ってのは国税査察部の略称なんですってな。ほぇ〜。

数年ぶりに午前十時映画祭へ駆けつけました。
4Kリマスター上映だったので、画面がとにかく
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黄金の七人(1965年製作の映画)

4.5

ミニシアターで最近見かけていたので、縁あってジャケ買い。

8人のケイパーが、7トンの金塊を掻っ攫います。
どんな苦難があっても、この8人で達成しないといけませんよ。

ジャックベッケルの「穴」や、マ
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ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

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これはきっとすごいドキュメンタリーだぞ。
そう思って、観るのをずっと先送りにしていました。

観ました。

これはほんとにすごいドキュメンタリーです。

強烈な玉手箱です。

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.6

美しい映画です。

作劇がとにかく綺麗なので、僕はちょうど、濱口監督のドライブマイカーに覚えた心地良さを感じました。
脚本のサミュエル・ハンターさんの敏腕ぷりがブリブリで、ひいては監督への啓示ともなっ
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最強殺し屋伝説国岡 完全版(2021年製作の映画)

3.7

阪元監督にホの字なわけですが。

彼のフィルモグラフィ二大巨頭の一角こと国岡。

殺し屋の日常を切り取ったモキュメンタリーですが、「シラけつつノリ、ノリつつシラける」阪元さんのテンションにはピッタリな
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ダークグラス(2021年製作の映画)

4.1

まだまだ明るくないですが、10年ぶりの監督作ですか。

ダリオ・アルジェント。
82歳ですって。
ピンピンしてますよ。
怖いですね。

脚本・構想でいうと20年モノが本作満を持して蔵出しと。
僕の人生
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サスペリア PART2 完全版(1975年製作の映画)

4.3

とんでもっ!
な面白さ。

めちゃおもろいんやんけ。

サスペリアの印象もバキ上がり。

※サスペリアと本作はなんの脈絡もない別モノです。

ある用務員(2020年製作の映画)

4.3

いや上手いんです。

ベイビーわるきゅーれ2本のせいで、絶賛阪元裕吾に「ホの字」なわけです。

この作品をきっかけに「あの2人」がやってくるわけですね。
ははぁん。

いやそれにしてもね。
上手い。
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

5.0

前回、4回裏にて6失点の猛打を受け、
あろうことか最終回に満塁本塁打をぶちかまされ、大敗を喫したのが、ついこの前のように呼び起こされます。


前作のイメージがあまりにも強烈だったため、本戦ではどうで
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Seventh Code(2013年製作の映画)

4.0

コメディですよね。
少なくともそう捉えました。

黒沢さんの感覚がもうそれだけで白飯一杯食べれるくらい面白いわけですよ。

真意は置いといて、僕にはオフビートなナンセンスギャグに見えて仕方がないです。
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

5.0

とーっても味わい深い一本。

ケリーライカートはイカす映画を撮りますよね。

本作も例に漏れずロードムービーです。
とりわけ監督が取り上げるのは、「何者でもない私たちの旅路」。
こんな感じですか。
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