はんそく負けさんの映画レビュー・感想・評価

はんそく負け

はんそく負け

異人たち(2023年製作の映画)

3.0

夢なのか意識なのかあの世なのか、ハッキリとはしないが「そちら」へ行く手段としての列車。ゲイであるゆえにいじめられていたアンドリュー・スコットが、父に問いかけるクロース・アップ。からの切り返しで二人が同>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.5

たとえば犯罪映画で牢屋に囚われた人間が「出してくれ〜」と鉄格子から手を伸ばしてくるようなシーンを犬で変奏してみせる。フェンス越しの別れもやはり刑務所映画的。あ、ロードームービーはもちろんキャンセルされ>>続きを読む

月の輝く夜に(1987年製作の映画)

3.8

粧し込んだシェールとニコラス・ケイジがオペラ劇場の前で互いを探し、ようやく顔を合わせる。この焦らし方!観劇後、ケイジ宅前で話す二人。徐々にボルテージが上がっていく。ここの切り返しもたまらなく良い。

リトルショップ・オブ・ホラーズ(1986年製作の映画)

2.6

サディストで痛みを与えるのが得意だからーーー歯医者になったのさ!と歌い踊るスティーブ・マーティンが一番面白い。

インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(1989年製作の映画)

2.5

再見。海、石油、大雨と濡れる場面の多さ。しかしネズミやヘビでは虫の気持ち悪さには遠く及ばない気はする。そしてやっぱしショーン・コネリーのベストかも。

2022.8.26
ショーン・コネリーがかわいい
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過去のない男(2002年製作の映画)

4.2

再見。横たわる身体とコンテナ住居。暴漢はマルック・ペルトラに凶器を振り下ろすが、友人のユハニ・ニユミラは板っぺらを横に大振りする。やはり横の流れがある。
帰宅して、ラジオをつけるとロックンロールが流れ
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プリシラ(2023年製作の映画)

2.4

もう手癖で撮っているような円熟みは感じられる。大体わかるでしょ?って感じで主に感情の部分をバシバシ端折ってくし、ロケーションもわりかし少ない。

我輩はカモである(1933年製作の映画)

2.5

ごく当たり前のように戦争が始まるのはまだ分かるけれど、開戦に際して歌い踊るのにはちょっと恐怖を感じた。援軍が来るとなっていろんな乗り物や人、果ては動物が走ってくる映像を繋いでしまうヤケクソ編集にはさす>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.5

今は見るのをやめてしまったんだけど、わりと長くプロレスを見ていたので、どうしてもプロレス映画として見てしまう。だから、プロレスを映画で撮る上でキャメラがリング内に入るのはいいことなのかどうか、というこ>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.6

道に迷っても翌朝にはダイナーに着くし犬は逃げないし友情も愛情に変わりはしない。何かが起こりそうで起こらないという状況を作り出すのが巧い。

インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年製作の映画)

2.0

まず冒頭、バーの乱闘でスラップスティックコメディであることを表明。暑いがカラッとしているエジプトに対してアジアのねっとりとした湿度。そこに徹底してインディの足を引っ張るヒロインと少年。つまりこれは不条>>続きを読む

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.5

警察から逃げてるのにジャズ聴いて体揺らしたりしてる。無限の心地よさ。

レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年製作の映画)

3.4

再見。スクリーンで見ると、冒頭ハリソン・フォードの振り返りざま、グーっと寄って顔のクロース・アップになる瞬間に高揚する。ノワール的に顔に影が差したり、ドアの装飾越しに捉えたりでハリソンの眼=視線を強調>>続きを読む

ルナ・パパ(1999年製作の映画)

4.0

早すぎ。動きまくり。清順みたい。ガラスのないフロントガラスから身を乗り出してボンネットをゴンゴン叩くなんて画初めて見た。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.5

ファースト・ショットの雨、林檎に垂れる青酸カリ、エミリー・ブラントの涙、フローレンス・ピューと浴槽等水というものが畏怖の対象として描かれている。というか落下するもの≒爆弾の象徴としてかもしれない。対し>>続きを読む

それぞれのシネマ 〜カンヌ国際映画祭60回記念製作映画〜(2007年製作の映画)

3.5

「カウリスマキてきとーすぎワロタ。鋳造所に映画館あるわけないやんw」とか思って見てたらしっかりシネフィル的な落とし込み方して恐れ入る。ベストを決めるなら侯孝賢。あの時空の飛び越え方は凄すぎる。他ダルデ>>続きを読む

愛と死(1971年製作の映画)

3.8

友だちの恋人をなんとなく良いなと感じていた新克利だがそりゃいかんと。しかしなんと向こうの方から好意を向けられてしまうという三角関係のお話。この新演ずる主人公がとっても誠実な人格者で大変喉越しが良い。金>>続きを読む

ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち(1998年製作の映画)

3.5

再見。こんなに面白かったっけ。ダイナを通しで見ると、ダイナの魅力はアクションだということが分かってくるので、ダイナを超巨大宇宙人の腹の中に閉じ込める=身動きを封じることがダイナ攻略の一手となる、という>>続きを読む

コシュ・バ・コシュ/恋はロープウェイに乗って(1994年製作の映画)

3.0

ロープウェイという乗り物が仕事場にもなり、ラブホテルにもなり、レストランにもなる。というようにロケーションは限定的に見えるのだが、意外なところでカメラが動く。それも大胆に動くわけではないんだけれど、で>>続きを読む

黄色いからす(1957年製作の映画)

2.5

子どもの映画でありつつも夫婦映画としての側面が色濃い。子供のとる行動にうまく対処できない淡島・伊藤夫妻が、わりと最後まで優柔不断でいる。この辺りは『煙突の見える場所』と近しい。オロオロする淡島千景をチ>>続きを読む

煙突の見える場所(1953年製作の映画)

2.5

日本初トーキー映画の撮り手だからか音の存在感が凄まじい。基本シナリオの映画だが、田中絹代が入水自殺を試みるシーン等叙情的な部分はショットだけで語ってみせる。

RED SHOES/レッド・シューズ(2023年製作の映画)

2.4

前半は素人としか思えない動きの付け方とか繋ぎとかしてて見るに耐えないんだけど、バレエの撮り方はしっかりしてるので、それがメインになる後半は見応えあり。ディズニーの道徳映画みたいなテイストでもあるし、子>>続きを読む

めだまろん/ザ・レジデンツ・ムービー(2015年製作の映画)

2.5

完全に実在しないバンドのモキュメンタリーだと思って見てしまったので、誰もいない試写室にひとり座ってレジデンツについて語るおじさんを見て「音楽ドキュメンタリーあるあるだー!」なんて思ってしまった。よく分>>続きを読む

ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

3.4

実話を元にした物語でつまんないことの方が少ないとは思いつつ、面白かった。言ってしまえば画面は結構ペラいのだが、逆に適度にドキュメンタリータッチにもなっていて好感。
ホルモン注射をやめたからどんどん醜く
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パリのランデブー(1994年製作の映画)

3.0

1話の完璧なすれ違いっぷり。ラスト、待ちぼうけを食らうであろう男の姿にユーモラスな余韻が残る。2話は分からん。3話はナンパする男・躱す女が道路を渡ったり戻ったりする動きがとっても楽しい。

仮面ライダーギーツ ジャマト・アウェイキング(2024年製作の映画)

3.3

会話が単調なのでメロドラマになると途端に退屈にはなるが、メロンパンを齧る景和がすべり台を滑るといった細部の面白さに気を遣い始めているのは嬉しい。こういうのが充実してくればもっと良くなる。
アクションは
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

3.7

配役がどれもあまりにしっくり来ることにビビり散らしていた。羽村仁成の質朴な振る舞いや松井玲奈の華奢な佇まいも素晴らしいが、北村一輝の妻演ずる花澄の存在感が特に凄まじい。黒木華に詰め寄る際はまるで幽霊み>>続きを読む

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)

4.2

ゲームの感覚を取り入れて没入感がスゴイ。とはいえどんなに映画の中が戦場になろうとも観客は絶対安全の位置にいる。そういうことがフレーム内フレームによって、むしろフレームに囚われているのは自分なのではない>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.4

生っぽい画面と劇映画然とした画面が交互にきて良かった。夫婦喧嘩のシーンも面白い。『マリッジ・ストーリー』思い出す。
ラストの少年の陳述は、映像で提示される父親に少年の語りがアフレコの如く重ねられ、なん
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

1.2

バカ映画に自覚的でもこれは許容できない。画面ペラすぎ。滅多にないけど途中退出したくなった。眠い目擦ってなんでこんなの見てたんだろう。ロバート・ロドリゲスが近々94分でやってた内容だし。スケートだけ良い>>続きを読む

スケアクロウ(1973年製作の映画)

2.4

切れないからダラダラとしている。もっと早く終われたはず。

ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

3.0

画面の中の文章と朗読される文章ないし台詞で字幕がしっちゃかめっちゃか。しかしゴダール特有のエネルギーは吸収できる。

ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突(2024年製作の映画)

3.7

劇場版限定パワーアップも客演もなくシンプルな総力戦で盛り上げる頼もしさ。これはブレーザーが観客と築いてきた信頼関係があったからに他ならないと思う。国会議事堂のミニチュアも素晴らしく、ゴモラが壊した大阪>>続きを読む

木と市長と文化会館/または七つの偶然(1992年製作の映画)

3.8

市長・小説家・建築家の三人で議論するところがめちゃめちゃ面白い。持論を展開するためには画面の中央に陣取ること。その後小説家とジャーナリストが議論する際は両者が左右同一サイズに配置されてバチバチの構図に>>続きを読む

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

3.4

アメリカ映画の郷愁を一手に背負って死んでいくような映画。パトランプに照らされるハーヴェイ・カイテル、みたいなショットが印象に残ってはしまう。

それにしても嫌な上映回であった。最近は映画館を自分ちだと
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コロの大さんぽ(2001年製作の映画)

3.0

コロが玄関の段差を降りる(落ちる)際の境界を越えるという確かな感触。背景が充実しまくっていてそっちばかりに目がいってしまう。駅前で迷うコロを取り囲む足、足、足。

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