39さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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三姉妹(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

3姉妹の女優の確かな演技力が光る作品。

「なぜこんなことを…?」と思ってしまうほど不快な主人公たちの行動に疲れを抱かせておいて、過去の暗い出来事をぞわぞわと匂わせてくるスローな構成力がお見事。すっき
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あなたの顔の前に(2020年製作の映画)

4.7

ホン・サンスにしては珍しいテーマを、いつもの調子で描いてくれるので新鮮なような、いつものやつなような、なかなか混乱する作品だった。

自身が年を重ねて感じてきたことだと思うけれど、それを男優ではなく女
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

予告から見ると恋愛上のラブストーリーだと思っていたが、決してそれだけではない物語だった。

ヨアキム・トリアーの作品に共通することといえば、主人公が、きっかけは些細なことでありながら、確固たる理由で人
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帰らない日曜日(2021年製作の映画)

3.9

映像美…!
プロダクションデザインと衣装の差し色もとてもよくて、ずーっと見てられる映像の美しさだった。

オデッサ・ヤングの素朴な美も、ジョシュ・オコナーの貴重な笑顔も見れば見るほどきれいで、ぼーっと
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イントロダクション(2020年製作の映画)

4.9

映画は2時間越えが当たり前になってきている時代に66分という尺でこんなにも浸れる映画を作れてしまうとは、さすがホン・サンス。
若い男性が主人公の映画は初めて?とても珍しいと思うのだけれど、ちゃんとホン
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ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行(2021年製作の映画)

4.8

映画を紹介する映画。かなり特殊。
平日仕事帰り、2時間47分はキツイかな~と思っていたら、1回も睡魔に襲われることなくとても楽しく鑑賞できた。これも私が21世紀の映画が好きなんだなぁと改めて感じさせて
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.0

ミーハー心で十分に楽しめる1作!
36年ぶりの続編としてこれ以上正解はないというくらい盛り盛りのエンタメ超大作だったと思う。

前作を見返してから見たけど、本作では仲間に女性もアジア人も黒人もいて、改
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クリーチャー・デザイナーズ ハリウッド特殊効果の魔術師たち(2015年製作の映画)

3.5

クリーチャーにかける尋常じゃない仕事人たちの熱量が愛おしくなる映画。
クリエイターの尊厳が戻るといいなぁと切に思う。
CGの波に乗り切れずに、映画の世界を去って「ただの謎の人」になっている人がいるの、
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オードリー・ヘプバーン(2020年製作の映画)

3.3

オードリーも人間だったんだな。
あまりに神格化された存在のような気がしていたけど、私たちと変わらない姿を見てなんだか安心した。

映画としてはちょっと残念。再現ドラマのような映像がちょこちょこ挟まれる
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アネット(2021年製作の映画)

4.1

映画終わってすぐに口ずさめるようなシンプルなメロディが一切ないし、まず簡単に歌えない技術が必要な歌だし、観客をこれでもかと引きずり回してくる映画だけど、とりあえず満足感は高い。

やっぱりダメ男のアダ
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パリ13区(2021年製作の映画)

4.7

ごちゃごちゃした人間関係だし、共感できる人物が出てくるわけでもないのに、素敵な気持ちになる映画だった。

ジャック・オディアールって名前は聞いたことあるし、作品も何本か見ていたけど(あまり意識したこと
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カモン カモン(2021年製作の映画)

5.0

マイク・ミルズはいつだって世界に優しい。

誰かと話したくなるし、誰かの話を聞きたくなる映画。
ジョニーとジェシーの関係はもちろん、インタビューに答える子供たちのリアルな声が癒しになる。

ちゃんと自
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二つの光(2017年製作の映画)

3.8

30分の商品プロモーションムービーを劇場でお金取って上映するとは何事か、と思ったけど、思わず空いたスケジュールで「30分時間潰せるならならちょうどいいな」とサクッと見てみたら、なんとも上質な短編だった>>続きを読む

手紙と線路と小さな奇跡(2021年製作の映画)

4.0

実話をものすごくうまく調理した映画。

元の話からよくここまでの話を作り上げたなぁ〜と感心の一作でした。

ただののほほんとした物語でなく、多少大味のドラマティックなフィクション要素を付け足しているの
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マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020年製作の映画)

3.7

とにかく主人公のジョアンナの衣装が可愛い!それに尽きる。
無難な物語というか特に目立ったものはなかった印象だけど、仕事帰りに観たのでとても癒された。こういう作品も大事。
登場人物がみんな優しかったので
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英雄の証明(2021年製作の映画)

4.4

メディアとSNSに翻弄される男の話、と聞くとファルハディ色がまったくないように感じて「一体どうなるの?」と不思議だったけど、全然ファルハディだった…!すごい。

SNSという存在も言葉自体もファルハデ
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

4.0

アピチャッポン作品にはあまり足を踏み込んだことがなくて、観たことあるのは『ブンミおじさんの森』のみ。だけど、「アピチャッポンっぽい」というのがすぐに理解できる独特の世界観ですんなりと入り込めた。ずっと>>続きを読む

リフレクション(2021年製作の映画)

3.9

ストーリーを読むとかなり重い物語だったので身構えて観に行ったが、カメラワークが定点で音楽もない、セリフも少なく、なんだか滑稽にすら思える作りの映画だった。エリア・スレイマンとかロイ・アンダーソンを彷彿>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.5

おとぎ話、と分かっていて見るのが良さそう。

スクリーンに映るもの全てよく分からないし痛々しいし、何なんだよ〜〜と泣きべそかきたくなるけど、不思議と最後まで一睡もせずに見てしまうし、感情揺さぶられる。
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林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

4.6

記憶を失うことは、悲しいことなのか幸せなことなのか。ゆっくりじっくり、1人の男の行動を通して観察できる物語。

必要最低限のセリフとSCREENサイズで濃厚な物語を見せてくれた、クリストス・ニクたしか
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

4.3

アカデミー作品賞のノミネートには「?」が浮かぶが、キャストの華やかさが素晴らしいの一言に尽きる!!!

オチも映画見なくても分かるようなものだけど、予想を裏切ることなくちゃんとオチてくれるので気持ちい
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.9

映画監督なら絶対に描かずにはいられないと思う題材だし、故郷への愛、家族への愛が溢れんばかりで、過去を通して現代を見つめる目もあるし素晴らしい映画だと思うんだけど、いまひとつ入り込めなかったのが正直なと>>続きを読む

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

4.6

ケイレブ・ランドリー・ジョーンズが殺人鬼の役を演じるなんて聞いたら見に行かずにはいられない。期待通りの素晴らしい演技&作品でした。

ケイレブの演技は空気感までも変えてしまうの不思議。終始不安げな顔を
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さがす(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

鋭い着眼点で、通常人が目を避けたくなる、できれば考えたくないような現実をしっかり描き切っていると思うし、悪役の語る正義もまったく筋が通っていないことではなくって、人によっては同調してしまうだろうという>>続きを読む

GAGARINE/ガガーリン(2020年製作の映画)

5.0

どうにもこうにもツボを確実に突いてくる、ノスタルジック青春ファンタジーで大好きです。予想通りやられまくり。

ビジュアルも映像のルックも物語も期待通り。好きな人にはすごく刺さる雰囲気抜群の作品。団地と
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ドリームプラン(2021年製作の映画)

4.5

長さはあったけど、飽きないサクセスストーリーだった。

原題とは全く意味の違う邦題だから、なかなか物語が想像つきにくかったんだけど、どちらもハマるタイトル。原題ままだと日本では歴史映画かと思われそうで
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.1

記憶が曖昧だけど、原作「エール!」を見た時も同じ感動があったよなぁと思うし、「もっと泣かせてやろう」というような余計な構成とかがなくて良かったかな。

もともと万人ウケする物語だし、コミカルな部分と感
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ブルー・バイユー(2021年製作の映画)

5.0

圧倒的にメッセージが強い。そこに付随する荒削りだけど美しい映像と音楽が相乗して、メッセージの伝わり方がこれ以上ないくらいダイレクトに身に染みる。どえらいパワーを持った作品だった。

過去といえど未だに
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ブラックボックス:音声分析捜査(2021年製作の映画)

3.5

レビューで見ていたより、ストーリーの細やかさはなかったように思ってしまったけど、それでも構想は面白かったし2時間楽しめた!

音にこだわった、というか強調が激しいので少々違和感感じたけれど、意図は伝わ
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.6

スピルバーグが念願かなってリメイク、という触れ込みだけでなんだかこちらまで嬉しくなるし、見ずにはいられない!尊敬と愛が詰まっていたと思う。

昔見た映画の記憶はあやふやの状態で見てしまったけど…あんな
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ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ(2021年製作の映画)

3.6

ビリー・ホリデイについてはまったくと言っていいほど知識がないのだけど、彼女の人生をよく知れる作品だった。
禁止された曲を歌い続けることを選択した強さ、ドラッグにたよるしか救いがなかった人生のもろさ…。
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

4.1

キャストのパワーでもっている映画だった。

映画的にはとくにこれと言って特筆すべき点はないかもしれないけど、キャストの画力がとにかくすごい…!
ガガとアル・パチーノ並んだ時の鳥肌。そしてアル・パチーノ
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.5

今回も細部にまでわたるこだわりが最高でした。

翻訳の方を丁重にねぎらいたくなるほどのセリフと文字量…
ウェスの映画は情報量が多いし、間延びする物語も多めなので短編3本に切り分けるのはナイスアイディア
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名付けようのない踊り(2022年製作の映画)

3.5

ダンサーとしての泯さんの世界が観れた映画だった。
被写体の持つ力がものすごく強い。口数が少ない方だから本人のナレーションは必要だったんだと思うが、アニメーションなどの演出はなくても良かったように感じた
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声もなく(2020年製作の映画)

5.0

まったく、ユ・アインは自分のブランド価値を高めるのがうまいな、と毎回ほれぼれしてしまう。自身の演技力の引き出し方を知ってか知らずか、挑戦する課題が毎回良い。

笑えるシーン、心痛むシーン、不安募るシー
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偶然と想像(2021年製作の映画)

3.9

濱口監督作品の中で一番心地よく見れた!

正直これまでの濱口監督の作品って、説教臭さはないのに「で、なんなの⁉︎」みたいな、せっかちな人間にとっては”耐え”を学ばなくてはならない時間で…。短編を作って
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