鹿伏さんの映画レビュー・感想・評価

鹿伏

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シティーハンター(2024年製作の映画)

4.0


ちゃんとシティハンターでびっくりした。アクション映画としては抜群!まではいかない感じだけど「あーシティハンターを観たなあ」の満足感はすごい。シティハンターだから大丈夫なリアリティラインを攻めるあんば
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オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

3.9


「あなたのためなのよ」

悪魔の子ダミアンの出生秘話!
フラッシュバック枢機卿や眉なしシスター決死の「あなたのためよ」バーニングダイブよりも、ホラー的な演出はあれど出産シーンの方がはるかに怖かった。
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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

3.7


「覚えてないことは存在しないのと同じなの?」

めちゃキュートな作画!
輪郭のとじられてない筆絵の流動的な主線はどことなく高畑勲を思わせるし、写実とはまったくかけ離れた着彩もめっさいい。キャラクター
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英国式庭園殺人事件(1982年製作の映画)

4.4

「見たものを描くのであって知るものを描くのではない」

動く絵画!
バチっとキマったシンメトリーで静謐な画作り、17世紀イギリスの豪華な庭園と貴族たちの衣装、白と緑の鮮やかなコントラストのなかで不意に
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.1


「この命ある限り君を愛する」

選択することに伴う責任と代償
生活や仕草を見せるためだったり間や空気感を描くための3時間ではなく、あまるにも長大な物語を圧縮して省略して飛躍した3時間なので(他の映画
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.5


「確信が持てますか」

密室、最高の会話劇、なんど観てもいい
ひとりの人生を他人が決めるのであれば相応の手続きをきちんとしようっていう思想を誰も奉じていないのであればもうこれ以上はやれんわと思って賭
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.7


「確信したふりじゃない 決めるの」

情報後出し法廷バトル!
この設定が最大限に活きてくるよう丁寧に情報を出す順番に心を配って(本編的にいうと話す順番をあらかじめ決めて)生み出された脚本を見ろ!!と
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ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ(2023年製作の映画)

3.5


自罰的明晰夢
原作をちょっと知ってるくらいであっても(これは解釈違いなのでは…?)の気持ちがすごい。監視モニターと睨めっこしながらフレディーズが部屋に入ってこないようにして朝まで粘ってそれを五日間続
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3


「熱烈ジャンプ!」

体は大人、頭脳は子ども!
ウィレム・デフォー演じる父たる“ゴッド”の手によって作られた無垢なる存在が性の快楽から知識と哲学を学んで、理想論的なヒューマニズムの暴走から性の商品化
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.3


「ドアホ!」

野木亜紀子、再構築がうますぎる
マンガという媒体と違ってコマ間の跳躍ができないぶん実写化にあたって肉感がつくよう細部や設定を変えていくのは当然だけど、映画化にあたって付け足された、映
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機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます


「分身ってのはこうやるんだ」

20年越しの再会!
TVアニメが放映してた頃はちょっと歳上のお兄さんお姉さんが戦って傷ついて思い悩んでるのを見て(ハワ…)と思ってたが、いま見ると(みんな…みんな子ど
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.2


「影踏みしましょう」

禅ムービー
企画の成り立ちから企業案件の雰囲気がすごくて、スタイリッシュで日本のみならず外国にも誇れるトイレの守護聖人をPRとして描きたかったんだろうなあ、カンヌから帰ってき
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ウィッシュ(2023年製作の映画)

3.7


「思ったより低音ボイス」

100thアニバーサリー!
いまディズニーがやりたい方向性をぜんぶ詰め込んで過去作オマージュを散りばめて全体的にギュッと圧縮した感じ。わざわざ地中海って場所を明示して、オ
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.8


「トーク・トゥ・ミー」

降霊ダメ絶対
途中から薬物撲滅運動の啓蒙ムービーかな?と思いながら見てた。ミアもいっぺんハッパやってるって言ってたし…

そもそもパーティをドカドカひらいて、その都度ウィジ
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.3


「本当はスパイなんだけど 切符屋さんなのはどう?」

すさまじいクオリティのアニメーション!
トモエ学園はだいたい子どもたちがはしゃいでて、そのどのシーンも個性豊かにいきいきと描かれてる。セリフがな
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.7


「夢をみることからすべてがはじまる」

シャラメ×ミュージカル!
これは明らかに宣伝の仕方が意地悪というか、あのチャーリーとチョコレート工場の前日譚!って大々的に言われたら、いやまったくの嘘ってわけ
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チャーリーとチョコレート工場(2005年製作の映画)

3.8


「今までずっとフロスしてないな」

高校生くらいで見たときはすごい色彩!ブラックな世界観!でキャッキャしてたと思うけど、あらためて観たら完全にスリラーの構文でけっこうちゃんと怖かった。「魔女がいっぱ
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.5


「わたしくしはあなたの気持ちをうかがっているのです」

約束とは心の所作!
まわりの評判の高さと鑑賞後の情緒の乱れざまからある程度は覚悟してたが、序盤からホラーの演出が光っており、それからすぐさま顔
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北極百貨店のコンシェルジュさん(2023年製作の映画)

4.0


試写
思い出したので書く。

西村ツチカの画をそのまま動かしているかのような主線のタッチ、うってかわってアニメのズバッ!バキッ!とした塗りが思っていたよりもハマっており、ちょっとぼやけたような、ニュ
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.1


「言って ショミカシ」
「インスリンだ」

主体性のない自己保身野郎!!
はじめの時点からレオ様の小物っぷりが全開で、もう途中から闇金ウシジマくんに出てくるような、主体性もなくてただ目先の利益だけの
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死霊館のシスター 呪いの秘密(2023年製作の映画)

3.7


「“悪魔から逃げるなゲーム”をしよう」

要素がてんこ盛り!!
序盤はひたすジャンプスケア、中盤はお化け屋敷やらSIRENみたいなホラーゲーム、終盤はとんでもアクションと、起伏のあるアトラクション感
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ホーンテッドマンション(2023年製作の映画)

3.6


「あなたの人生が変わってしまう」

ホラーテイストアトラクション!!
装飾や細部へのディテール、物語には関係なくてもアトラクション自体を知っている人にはグッとくるポイントがたくさん用意されていて、も
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エルマーのぼうけん(2022年製作の映画)

2.7


祖父母の家へいくたび遊んでいた近所のお兄ちゃんとずいぶんひさしぶりに再会したが、彼の性格は記憶のなかとぜんぜん違ってるしありもしない思い出をずっと得意げに語られる感じだった

エルマーとボリスの名前
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ローラは眠れない(2019年製作の映画)

3.5


「なぜ こ・こ・にいる?」

ホラー版のインセプション。
夢あるあるのシームレスに風景が変わるやつと埋め立てられた扉、人種や文化関係ないだと思ってちょっと嬉しくなる。あとモンスターみたいに身体がビシ
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.1


「君を守る」

自らの現在地を更新し続けてるトムを拝め
2本の鍵を追い求めるマクガフィンで、でも勢力図と関係性がごちゃっとしてるので(アレ、いまなにがどうなってこうやってるんだっけ…)の時間がやって
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.9


「名著だ」

バトルエンタメ!
あのガタイでベスパに乗るラッセル・クロウがキュートすぎでしょそれだけで100点です。ホラーにおける日本の霊能力はたいてい負けて霊がいかにすさまじい、恐ろしいかを演出す
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さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

4.3


「ありがとう姉さん」

京劇クロニクル!
はじめて観たときは恥ずかしながら中国の歴史に暗かったので、◯◯前夜などテロップが出ても(ふーん)くらいしか思わずレスリー・チャンめっちゃキレイだな〜〜がメイ
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.8


「なんてざまだ」
いかに音楽とシナリオと見せ方を絡めるかに終始、でもキャラクターのアニメっぽい戯画化とも合間って観やすくてわかりやすくてかっこいい。冒頭20分の2回のカーチェイスがキマりすぎてて、物
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キートンの大列車追跡/キートン将軍/キートンの大列車強盗(1926年製作の映画)

4.2


「戦争に負けても 僕のせいにするなよ」
文字通り身体を張るバスターキートン。いや危ないよ!!と思う場面も多々あり、映画という媒体における当時の熱量を浴びられていいし、橋が崩れて列車が河に落ちるあの有
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

4.4


想像の余白があるナレーションと、観客のイメージを均一にさせつつ、動きがないからこそ枠外を想像させるスチール写真の重なり、とても好きだった。なんとなく撮った1枚では決して成立しないし、役者の動きで誤魔
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.5


13個ある純粋な“いしの積み木”、宮崎駿が監督として手がけてきた13の作品、それから「もうこの世界はもう壊れてしまう、跡を継いでくれ」の言葉、もしかしたらじきに忘れてしまうかもしれない、でもたしかに
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アイスクリームフィーバー(2023年製作の映画)

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やっぱり許せないわ
川上未映子の原案じゃなかったら、もしもフラットな気持ちで観られたとしたら、ア〜90sのリバイバルムーブメントもきてるし、この方向性のサブカルチャーが好きな世代に話題にしてもらって
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⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)

3.8


「愛することを恐れないで」

手作業の細かいこと!
布や伝統衣装の美しさや色鮮やかな色彩が飛び込んでくる視覚はもちろん、海沿いの街の潮やミカンの甘酸っぱい香りの嗅覚、大音量で流れるラジオと生活の音、
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怪物(2023年製作の映画)

4.3


「そんなのしょうもない」

整備されたしんどさ!
情報の切り取り方や角度によって物事の印象がガラッと変わること、そしてなんらかの手段でもって回避したり見抜くすべ、あるいは、いま生きている環境がすべて
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.8


「恩知らずのクソガキ!」

ミーガン・ダンス!
個人的に名作の2019年版「チャイルド・プレイ」を、よりいっそう現代AI技術に寄せて問題提起を強くした作品。120センチでリアルに会話できる人形、完全
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