鹿伏さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

鹿伏

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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.0


「お前のその髪型 シェリル・クロウかよ」

郷愁と閉塞感とアホみたいな若者と
ハタから見たらロクでもなくてアホみたいでも、本人たちからしたらあの頃ってハッピーでサイコーだったのね、って感じ。仲間に入
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海辺のエトランゼ(2019年製作の映画)

3.7


「二枚つけたらいけると思う」

原作を読んだこともなく、どんな映画なのかも情報を入れなかったので、はじまってすぐになるほど、となる。なるほど

イマドキ原稿用紙と万年筆を使ってる駿くん、形から入るタ
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

4.3


「感傷的になってたのに!」

サイコーなパーティの幕開けだ!
私たちは勉強だけのつまらない奴らじゃない!みんなに思い知らせなきゃ!ってスタートからの、自分たちも彼らを色眼鏡で見ていたことに気づき……
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透明人間(2019年製作の映画)

4.0


「彼は自殺よね?」

何も映ってないのに怖い!サイコスリラー!
リブートといっても透明人間視点じゃなくて襲われる側の視点の再構築なので、シンプルな構成でも充分に怖い。透明人間が悪意を持って悪事を働い
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回路(2000年製作の映画)

3.5


「ふたりで暮らすっていうのはどうかな」

これは黒沢清だ……まごうことなき黒沢清……
中学生くらいのときに見たけどよく意味がわからなくて、幽霊が迫ってくるところだけがとても怖い、くらいの記憶だったけ
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.0


「書き続けてね 私がいなくなっても」

エモーショナル詰め合わせセット!
時間軸をめちゃくちゃにして、回想バンバン入れて、まぶしい少女時代をこれでもかってくらいドラマチックに見せてる。海のシーンなん
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ソニック・ザ・ムービー(2020年製作の映画)

3.8


「オレはドーナッツキングだ」

ジム・キャリーがとにかく最高。キレキレのロボットダンスとか憎たらしいし怖いのにどこか愛嬌のある表情とか、小さい頃に観た「マスク』そのままじゃん。あまりに魅力的すぎてソ
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.0


「みんなから誘ったってことにしてもらえないかな」

最悪のセックスしないと出られない部屋!
無差別に“異常”や“異様”を見せられるよりもちゃんとルールに則って、なんなら美学が垣間見える方がよっぽどお
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犬鳴村(2020年製作の映画)

2.8


怪奇!犬女の舞!!
ともすれば傑作、そこまでいかなくても先日公開された「シライサン」と令和のジャパニーズホラーは幸先のいいスタートを切った!と手放しで言えるはずだった。情報網が発達した現代で拡散され
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ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談(2017年製作の映画)

3.4


胡蝶の夢!
超常現象を否定する博士とそれを圧倒する超常現象!!を想像していたけど、実際は邦ホラーでも洋風スプラッターでもなくて、本当にあった怖い話シリーズみたいな感じで、いや出来は悪いわけじゃないん
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.5


「My house My rule My coffee」

フーダニットだ!って思ってたら序盤の中頃からすでに犯人がわかり、それを隠したい犯人と見当違いの推理を進めてゆくダニエル・クレイグを愛でる映
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.5


「それでも信じるのよ」

イマジナリー・ヒトラー!
めっさオシャレな冒頭に、ビートルズの「I Want to Hold Your Hand」のドイツ語版が流れた瞬間に、あ、これはきっと好きなやつだと
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シライサン(2020年製作の映画)

3.4


「名前を知ってる奴は他にもいるだろ」

あの佇まい、まるで格闘ゲームのキャラクターだ
最近ではあまりなかった『リング』やら『呪怨』やらの「これもしかしたら自分のとこにもやってくるかもしれない」ってホ
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.5


「雨が降ったおかげね」

年明けからすさまじい作品を観てしまった
パルムドールだからきっと韓国文化を根底に置いた上で、善悪の境界線をどこに引くかを静かで暗めで重たいアート寄りに描くんだろうなって勝手
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ジュマンジ/ネクスト・レベル(2019年製作の映画)

3.5


「永遠に戻らない 永遠にだ」

ジジイ×2新参戦!ババーーン!
ほとんど前情報入れなかったから1のキャラクターのことをかなり忘れていて、なんでたいした説明もなしにズンズン進んでいくんだって思ったら4
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女神の見えざる手(2016年製作の映画)

4.1


「リサイクルすれば鉛筆になって そのうちの1本が正しい記者の手に渡るかもね」

ひとりオーシャンズ8だ
ジェーンが「彼女はプランBまで必ず用意してます」の言葉さえもプランBに組み込まれている痛快さよ
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.9


「報道がつかえるのは統治者でなく国民だ」

勇気・信念・大勝利!
前半、わからないなあこれは不勉強さだけが浮き彫りになっていくやつだなあってぼんやり思い、さらにはメリル・ストリープのうまくいかなさ感
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アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

3.4


「正しいことをしたのよ」

瀧のオラフが大好きだったので、はたしてどうかしらと思ってたらめっさ瀧よりだしなんなら引き出しも多いので驚く。めっさいいじゃん、凛々しい声やら演技がかるところ、ひとりミュー
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RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

3.8


「お前には解決法をみつけてほしい」

性の目覚め×生の目覚め!
カニバ系の映画は数あれど、アート系に振りきり、モチーフでボコボコにしてくるスタイル、大好きだよ。欲望の解放というか、はじめて知った快楽
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ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

4.3


「祈りはいらない 全ての元凶だ」

やっぱり東京五輪、ちょっと怖いな
もちろんみんながそうじゃないとしても、一抹の不安というか、怖さを覚えてしまう自分がいて、部屋に隠れているときの老婆の気持ちは申し
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ガリーボーイ(2018年製作の映画)

3.8


「半ベソかくかよ」
「お前は百獣の王だ」

グルーヴに言語は関係ないんだなぁ。
もっとラップでガシガシ成り上がってゆくエンタメスポ根モノかと思ったら、恋愛要素たっぷりで格差だと身分だとかか宗教だとか
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.5


「きっと理解できない」

自らの解放の物語だ。
明るい話になるわけないと思っていたし、つらくてしんどい話なんだろうなって思ってたんだけど、どんどん自己を肯定化してゆくさまはシンデレラストーリーみたい
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アナベル 死霊博物館(2019年製作の映画)

3.9


「何に触ったの」
「全部よ」

ホラー・ジュブナイル、まるで「学校の怪談!」
制作側もホラー版のナイトミュージアムってコンセプトで作ってるから、流石にその通りなんだった。邦題もまさしく博物館だし、子
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アス(2019年製作の映画)

3.7


「イレブン・イレブン」

決して面白くないわけじゃないけど、もっと面白くなったような気がして、それは私に宗教的な知識がないからかしら、と思い、でも作品のテーマが「経済格差」だったから難しいよ!!とな
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.1


「兄弟以上、妻未満の関係が終わる時に正しい別れ方だった」

いつもの正しいタランティーノだった
ずっとドライブ感で、前後の文脈なんてほとんど関係なくて、カッコいい画と音楽で細かいことなんてぜんぶねじ
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永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

3.6


「エビータとペロンだよ」

新たな美の具現化ロレンソ・フェロ、爆誕
ティモシー・シャラメみたいな愁いを帯びた雰囲気なのに、もっと中性的、なんなら女性的な雰囲気、ズルすぎる。あとやっぱり唇、何において
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存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.6


「世話できないなら産むな」

胸がいっぱいになる
ドキュメンタリー的であって(幸か不幸か)報道でもなかなか目にしないから、こんなことになってるんだって契機にはなるのに、人種や宗教や戦争の脅威に(幸い
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HOT SUMMER NIGHTS ホット・サマー・ナイツ(2017年製作の映画)

3.3


「そう思わないから ダニエルって呼ぶわ」

#アオハル映画って広告に出すのはもはや悪意があるでしょ。お洒落なララランド感ある広告だった『アンダーザシルバーレイク』のときみたいな悪意だ。一夏の青春ラブ
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チャイルド・プレイ(2019年製作の映画)

4.0


「永遠の親友」

ヤンデレチャッキー、爆誕
呪い!呪い!恐怖の力!とかじゃなくて、ちゃんと理論がある分、観終わったあとに「なんかかわいそうだったね」って感想が漏れ聞こえてくる不思議。わかるよなんかか
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東京喰種 トーキョーグール(2017年製作の映画)

2.9


窪田正孝の怪演!
漫画特有のゴア表現に臆せず立ち向かっていったところは(たしかにこの映像からゴア表現を抜いたら何も残らないとはいえ)すごいし、人の顔をベロベロ舐める窪田正孝と蒼井優、“漫画ではわりと
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天気の子(2019年製作の映画)

4.0


「きっと大丈夫」

新海誠のゼロ年代セカイ系ムーブ!
『秒速五センチメートル』や『言の葉の庭』やらの“世界は君と僕だけで形作られてる!ただし悲恋!”ってセカイ系かつ報われない恋愛って作家性が、大衆向
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シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢(2018年製作の映画)

4.1


「望みさえすれば 丸は四角にも入る」

フランス映画×スポ根!
私自身がちょうど思春期の頃に観た『ウォーターボーイズ』、その思春期まっただ中の青々しくてまぶしかった感じを思い出し、今は見事に枯れつつ
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新聞記者(2019年製作の映画)

4.1


「この国の民主主義は形だけでいい」

社会派をどんどこ描く韓国映画っぽいやつが、いよいよ日本でも起こるようになったか!って感じ。製作陣はみんな作ってるうちに(これって大丈夫か……?)って思っていたら
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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

4.2


「ピーター・パーカーだ」

トム・ホランドの顔がよすぎる
アイアンマンが基本的に最初からサイキョーだったのに対して、スパイダーマンはちゃんと成長させてゆくんだなあ……だからってそうやってわかりやすい
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ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

3.5


「ここよりも二層上だ」

悪趣味な『神曲』!って感じ
一見、破綻してるように見えるサイコパスにもサイコパスなりの(それが常軌を逸脱してるとしても)一貫したルールがあって、それを一緒に確認させられる1
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海獣の子供(2018年製作の映画)

4.3


「大切なことは 言葉にならない」

すさまじい、執念に似た画づくりだ
ほとんど最初から、うわーーーめっちゃきれい!きれい!!と思い、海やら波の描写でもはや異常性を感じ、あとはもうため息だけだった。本
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