ににさんの映画レビュー・感想・評価

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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

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当たり前のことだけど、素晴らしい舞台というのは作り込まれているものだということが、この映画をみると大変よくわかる。
特に俯瞰ショットが素晴らしい。照明のど真ん中にそれぞれのメンバーがきっちり入る。音楽
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茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

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ら実際にあった事件が想定されるコトを混じえ、コロナ禍の貧困層をリアルに描いた作品。

もともと演技派とされる尾野真千子の評価を、さらにワンランクアップさせる熱演に、石井裕也監督のパンクな演出、そして永
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ブラックバード 家族が家族であるうちに(2019年製作の映画)

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「安楽死」をテーマにした映画。

自然に囲まれた邸宅。美しい風景。
豊かな暮らしぶり。重苦しさはなく、北欧映画のリメイクだそうだが、かなりアメリカ化されたのか?

唯一とてもリアルだったのが、ケイト・
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海の上のピアニスト イタリア完全版(1998年製作の映画)

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音楽と映像の力で心震えるシーンもいくつかある。長時間の作品を退屈させない力量もある。
だがオリジナル版を見た時の印象を、思い出した。トルナトーレ、ハリウッド映画を作ったなと。
好みの問題であるが、最大
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シチリアーノ 裏切りの美学(2019年製作の映画)

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ごめんなさい。苦手なんです。ギャングもの。頭がついていかなくて。
この作品も、矢継ぎ早に紹介される人物に混乱しながらも、事実は小説よりも奇なりを地でいくお話に引き込まれていく。
現在は素朴なイタリアの
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ソワレ(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

役者を志し行き詰まった青年と、癒やしようのない心の傷を負った女性が、ひょんなことから逃避行を共にする。
繰り返し挿入される海辺の二人の姿が、その寄る辺なさを伝えてせつなくてたまらない。
必然であったこ
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籠の中の乙女(2009年製作の映画)

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あ〜もう好きだ。この監督の映画。
狂気の描き方が、ツボにはまる。
ホームドラマなんですけどね、ハリウッドに侵食されるヨーロッパの暗喩(?)もあり、深読みはいくらでもできる。
私的にカルト映画と思えるも
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ポルトガル、夏の終わり(2019年製作の映画)

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成功した女優が、家族・友人を呼び集めてポルトガルのシントラでヴァカンスを過ごす。集められた人々の青年・中年・壮年それぞれの年代で抱える悩みや問題が描かれ、自然と人生について思いを馳せてしまう。
女優の
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ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

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残念ながら、未見のままの劇団ヨーロッパ企画。メンバーが、原案・脚本・監督・出演をこなす初めての劇団オリジナル長編「時間SF」映画が本作。
役者の演技が、演劇向けなのが気になったが、意図的なのか?
うま
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コンフィデンスマンJP プリンセス編(2020年製作の映画)

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豪華な俳優陣、ラグジュアリーなロケ地、少々ご都合主義的な点はあるもののよくできた脚本、お見本のような娯楽作。加えて、東出昌大&三浦春馬(惜しい才能でした😭)という話題もあり、ヒットしないワケがない。>>続きを読む

東京裁判(1983年製作の映画)

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おバカな学生の時に観て、精神障害の戦犯が裁判中に東条英機のハゲ頭をはたいたことしか記憶にないのだけど、凄い映画を観たという印象が残っていたので、ぜひ再見したいと思っていた。
4時間半超の長丁場。しかし
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はちどり(2018年製作の映画)

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14歳の少女の、1994年における数カ月間を描いたドラマ。その時代設定は何?と、とまどったのだけれど、韓国にとって大きな事件が2つ起き、いわゆる私達が知る韓流・Kポップの国へと変わっていく分岐点になる>>続きを読む

リトル・ジョー(2019年製作の映画)

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オーストリアって、面白い国だ。「アングスト」の監督も、ハネケも、オーストリア。この作品の監督もハネケに師事していたそうで。共通点は、「不穏」。

開発された新種の植物が、人間をのっとっていくボタニカル
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グレース・オブ・ゴッド 告発の時(2018年製作の映画)

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フランソワ・オゾン監督は、本当に器用な人だと思う。どんなジャンルの作品を撮っても、高い水準とオリジナリティを示す。

フランスで現在も裁判が進行中の、神父による少年への性的虐待事件の実話化。中心となる
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アングスト/不安(1983年製作の映画)

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もうね、最初のシーンからアングスト(不安)しかないです。何、これ?

1983年公開当時、嘔吐する観客などが続出し本国オーストリアで1週間で上映打切り。他のヨーロッパ全土で上映禁止の映画を、なぜ今公開
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ぶあいそうな手紙(2019年製作の映画)

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シニア映画です。
最近このテの映画の上映が増えたように思うのですが、世界的な高齢社会ゆえ?
最晩年を迎えた頑固な主人公が、何かに行き詰まり、何かに出会い、人生を動かすパターン。どう味付けするかで作品の
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プラド美術館 驚異のコレクション(2019年製作の映画)

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昨年開館200周年を迎えたプラド美術館のドキュメンタリー。
情報量が多すぎて頭がついていかない疾走感。でもきっと意図的なんだろうな。絵をみてる時って、色んな予備知識とかいっぱい持っていっても、目の前の
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許された子どもたち(2019年製作の映画)

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法律は個人を守るためではなく、社会を守るためにある。刑法もしかり。だから不条理な判決は、多い。特に少年事件は。
加害者・被害者とも罪の向き合い方は、個人に委ねられる。関係ない輩が新たな罪をつくる。観て
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お名前はアドルフ?(2018年製作の映画)

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生まれてくる子供の名前を、アドルフにするとホームパーティーで宣言したことからおこる喜劇。
芝居でもいけるな〜と思ってみてたら、舞台の映画化だったんですね。納得。
ドイツ人にとってヒトラーの記憶が今だに
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はじまりの記憶 杉本博司(2011年製作の映画)

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杉本博司に密着したドキュメンタリー。
現代美術家というと、エキセントリックなイメージがあるけど、杉本は学者のような静かな佇まい。
その理由がわかり、作品の鑑賞に新たな視点をもたらす内容でした。

はじめてのおもてなし(2016年製作の映画)

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よくできてるんだよ。ドイツ現代社会の問題を巧みに盛り込み、キャラクターも生きてる。コメディとしての笑いも上質。だけどな〜好みの問題だよね。お行儀が良すぎる。見て損はないけど、見なくてもいいかって感じ。

その手に触れるまで(2019年製作の映画)

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1年前まではゲーム好きの少年が、イスラム原理主義にのめり込む。
ダルデンヌ兄弟の映画は、事実のみを映し出すからこそ、深い理解が可能になる。そして、現実は驚くほどシンプル。悲劇の救いも、そこにある。

レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

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ウッディ・アレンの真骨頂の映画。ダメな人はダメだろう。私は、スキ。
エル・ファニングが、いい味を出している。出演作が相次ぐティモシー・シャラメは、アレンを体現しているんだろうけど、アレンさん、ちょっと
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MOTHER マザー(2020年製作の映画)

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実際の事件に題材をとった映画。
長澤まさみは、好きな女優だし一人芝居にチャレンジしたり、頑張っているし応援したい。
だが、この映画に関してはミスキャスト感はいなめない。他の女優の方が伝わるものがあった
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ハニーランド 永遠の谷(2019年製作の映画)

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人の尊厳についての映画だと思う。
そして、尊厳は善悪を超えたところにあるのかも。
ドキュメンタリーということに、驚く。監督を称賛したいわ、