47さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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海の上のピアニスト 4Kデジタル修復版(1998年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

もちろん音楽は良かったが、音楽と絵面やシチュエーションのエモーショナルのために全ての整合性や辻褄などが後回しにされていた印象。
御伽噺というよりはご都合主義ファンタジーと言い換えたほうがしっくりくるく
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裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

3.0

サイレント映画(といっても伴奏はついているが)を観るのは初めての経験だったのだが、音声による台詞とはいかに大事な要素だったのかを思い知った形。
やはり複数の感覚に訴えかけるのは情報量として圧倒的。その
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王冠の真珠(1937年製作の映画)

3.5

面白かったが、少し中弛みした印象。
残り三つの真珠の行方は? というパートが蛇足とは言わないし必要な部分だとは思うのだが、どうにも冗長だった。全体的に、もう少し切り詰めても良かった気はする。
でもあの
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デジレ(1937年製作の映画)

3.5

タイトルの表示の仕方や音楽・演出がずっとお洒落で可愛い。
ヘアメイクや美術・衣装も同様。
当時の富裕層の生活様式が窺えるのも面白い。
ただ今やったら怒られるだろうな、という差別的なユーモアが随所に見受
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エリザベス(1998年製作の映画)

3.0

エリザベス1世の即位前〜大英帝国に至る直前までを描いているのだが、基本的にバックストーリーの説明がないし作中の登場人物などの動きに関する説明も不足しているので、全体的にわかりづらいし説明が下手。
かと
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

3.5

冒頭と終盤以外はほぼ会議室のようなところから出ないのに、会話劇でここまで面白く出来るとはと感動した。
全員人間味があって良い。
個人的に「ダンサーインザダーク」の終盤の流れがかなり好きじゃないので、あ
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狼たちの午後(1975年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

前半のコメディパートが良い。ぐだぐだの銀行強盗の様子はかなり笑えた。
正直このタイトル・このサムネからここまでコメディに振っていることは全く想定していなかったので、良い意味で予想外だった。
彼らのぐだ
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

個人的にはあんまり良さ……というかこの作品の持つメッセージがあまりよくわからなかった。相性など、私自身の問題かなと思う。
音楽と映像は良かった。
ただ途中まで結構起伏が平坦なので、何度かうつらうつらし
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

とても面白かった。
三時間半近くある長尺なのでどうなるかと思っていたのだが、この上映時間を中弛みさせることなく見事に手綱を掴み切っていた。
作中、当時は存在しないはずのgenocideという単語が用い
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Firebird ファイアバード(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

妻子持ちによる不倫がどうしてもアウトなため、物語としては個人的に好きにはなれなかった。
関係性的には「君の名前で僕を呼んで」を連想したが、あちらはフィクションということで美しく話が整えられていたんだな
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関心領域(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

いくらか難解な表現や前提知識を要求される演出などはあるが、それら全てを差し置いて作品が観客の姿勢を問い質してくる力の強さに唸ってしまう。
この映画を観て、背景下で進んでいく惨劇に気が付かない人もいなけ
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セッション(2014年製作の映画)

3.5

Fワード百連発みたいな映画。
よく2010年代に上映出来たなと思う。当時でも相当ギリギリなのでは。
良くも悪くも音楽の強制力がものすごい。鬼気迫る音楽は決して観客のためではなく、ぶつかり合うために奏で
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

4.0

よくよく考えずとも物語や登場人物たちに粗や扱いが雑だったりするところは多分にあるのだが、なにぶん音楽・画面・ハッピーエンドへの牽引力がものすごく、観終わった瞬間立ち上がって拍手したくなってしまった。>>続きを読む

ラストエンペラー(1987年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

たいへん面白かった。
正直最初は中国でアジア人が英語を喋ることへの違和感があったのだが、次第に慣れる。
とにかく舞台と衣装が豪華。見ていて目に楽しい。
幼い子どもに権力を持たせること、周囲の大人がそれ
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ホラーめいたビジュアルや序盤の展開から家畜人ヤプー的なものを連想していたのだが、意外と真っ当に生存を懸けて上位種VS下位種が戦う話だった。
テールが飼い主であるティバの元から逃げ出すあたりから話が本格
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.5

哀れなるものたちが良かったので鑑賞。
随所に確かにこれは哀れなるものたちを撮ったチームのものだなあというエッセンスを感じた。
シーンを区切り、印象的な台詞の章題めいたものを付ける演出はわかりやすくて好
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MAMA(2013年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ギレルモ・デル・トロ製作総指揮のホラーということでずっと気になっていたので鑑賞。
基本的に暗いのでそこまで怖くない。ジャンプスケアはいくつかある。
ママの顔は基本的に映さず、「そこにいるはずのない誰か
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.5

コメディチックな下馬評を見て視聴したが、話にエンジンが掛かるまでが遅く、それまではそこそこに重い。
主人公がいかにも黒人めいた小説を書き始めてからはわりとさくさく話が進むのだが、ブラックジョークが多用
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

バカ×バカの男同士がたくさん出てきて面白かった。
基本的に登場人物の倫理観はどうかしており、そのへんが合うと面白い。医療従事者の人は観るのつらそう。
死ぬことがわかっている男二人がとにかくやりたい放題
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

作中のシーンの大半が調理及び食事シーンに費やされており、非常にお腹が空く。美味しそう。
主演二人の日常シーンは時折官能的で、その空気感が非常にエロティック。
ウージェニーが亡くなって、あんなに明るかっ
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

裁判の傍聴をしている気分になれる映画。
犬が終始可愛いが、途中でえげつない行動力を発揮する息子によって可哀想な目に遭うシーンがあるため、犬好きな人は注意が必要。
事故か自殺か他殺か、という話だが、状況
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欲望という名の電車(1951年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

『「欲望(Desire)」という名の電車に乗って、「墓場(Cemetery)」という電車に乗り換え、6つめの角「極楽(Elysian Fields)」で降りるの。』という台詞を確認したく鑑賞。
この台
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.0

たいへん面白かったが猫の扱いが最悪なのでそこでちょっと減点。
どこで切り取っても美しい映像は素晴らしかった。音楽も良い。
それらの美しさに反して勢いの良いシーンも多く、絵画のような舞台を背景に治安悪く
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

良くも悪くも韓国らしい作品。
全体的な出来は良いのだが、そのぶん要所要所に突っ込みどころがあるのがどうも気になってしまう。
そんなに大声でドタバタ騒いでなんで人が集まってこないんだよとか鍼ってそんなに
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.5

終始淡々と話が進む穏やかな映画で良かった。
もちろん物語としての起承転結は用意されているのだが、世界観が一貫して静かなので、観客もその物語がどう進んでいくのかをただ眺めていける。
画面の色彩・舞台美術
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

穏やかで優しい映画。
しかしその中でもきちんと棘が描かれており、この先全てが好転するような予感を残すことはない。けれど確かに希望の物語であったと、この一夏がかけがえのないものであることを信じさせてくれ
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.0

かなり静の映画。
穏やかな起承転結が続く。
いくらでもドラマティックに演出できそうな展開をただ静かに映し、美しく撮っていく。
その幼さゆえに少女は現実と空想の境目が曖昧であり、しかし身の回りに何が起き
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千年女優(2001年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

一人の女性がたった一人を追い続ける姿をドキュメンタリーという形で、彼女が演じていった作品とともに渡り歩くよう撮り続けていく作品。
ヒロインである千代子がずっと魅力的。
作品の構造を把握するにつれ、冒頭
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

頼むからやるなよ!!! と思ったこと基本全部やっていくホラー。
久々に劇場でさっさと終わってくれ!! と願いながら鑑賞した。怖かった。
音で怖がらせたりジャンプスケアもたびたび。しっかり怖がらせにきて
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ずっと音楽と映像が美しい映画だった。
R18だけあっていろんなものが明け透けだし、レーティング相応に悍ましい要素を多分に含んだ作品であるはずなのだが、驚くほどにその部分から不気味さをあまり感じない。
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.0

大変素晴らしい実写化だった。
そもそも歌をメインの一つに据えている作品なので、映像化との相性も抜群で、途中声を抑えられないほど笑ってしまった。

狂児役が綾野剛ということで発表当初個人的にはイメージと
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市子(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

川辺市子という人間の辿った足跡を辿っていく物語。
一見ありふれた悲劇のように見えた彼女の人生の、どうしようもないままならなさと、ただ彼女が彼女として生きることの困難さ、その希求が痛切な叫びとして伝わっ
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みなに幸あれ(2023年製作の映画)

3.0

総評としては変な映画だったという一言になる。
不気味さと生理的嫌悪に全力投球していた印象。地に足がついているのかついていないのか終始ふわふわしており、どういうスタンスでこの映画を観るべきなのかずっと図
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.5

原作一切触れずに鑑賞。
展開及び登場キャラクターのほとんどをろくに知らないまま観たため、序盤の展開はキャラクターの顔と名前・関係性を理解することにおおよそのリソースを割いており、エピソード自体の深みに
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