ヒロオさんさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

罪の声(2020年製作の映画)

3.8

昭和を揺るがした未解決事件、グリコ・森永事件を題材としたサスペンス。

グリコ・森永事件とは、1984年に起こった、食品関連企業を標的とする脅迫事件。
犯人グループは、グリコ社長の誘拐および身代金要求
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Love Letter(1995年製作の映画)

3.0

亡くなった婚約者を忘れられず、彼が昔住んでいた小樽へ手紙を出した主人公。
すると、返ってくるはずのない手紙が返ってくる。
手紙の送り主は、彼と同姓同名で、中学時代の彼とクラスメイトであった女性だった。
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狂った一頁(1926年製作の映画)

3.1

精神病院に入っている妻を見守るため、そこで小間使として働く夫を描く。

1926年公開のサイレント映画で、日本初の本格的な前衛映画。
川端康成や横光利一などの新感覚派文学者が脚本に携わっている。

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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

3.8

黒い風船を持った怪しいマスクの男に誘拐され、地下室に監禁された少年。
その部屋では、断線されたはずの黒電話が鳴り響き、過去に誘拐され、殺された子供たちからのメッセージが聞こえる。 

久しぶりのホラー
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紳士協定(1947年製作の映画)

3.6

反ユダヤ主義について、記事を書くことになった記者。
問題の核心に真に迫るため、自らユダヤ人と名乗り、差別の実態を肌で感じていく。

時代に鑑みると、なかなか骨太な作品。
今以上に人種差別が根深く、題材
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緑の光線(1986年製作の映画)

3.0

恋人と別れ、1ヶ月あまりの休暇を共に過ごす相手がいないことに孤独を感じている女性を描く。

嫌い。芸術性が高く、高尚!とでも言わんばかりの空気感を醸しているが、冷静に考えて話の内容がくだらなすぎる。
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アデライン、100年目の恋(2015年製作の映画)

3.8

事故により、なぜか歳を取らない身体になった女性の恋を描く。

とても上品なラブストーリー。
美しく知的な主人公の存在感が唯一無二で良い。
愛する人たちと共に歳を重ねることができない切なさや哀愁も、物語
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メランコリック(2018年製作の映画)

4.2

東大卒のフリーターが銭湯でバイトを始めるのだが、そこは裏稼業として深夜に「人を殺す場所」だった。

純粋に脚本が面白い。先が予測できなかった。
ストーリーに粗さはあるが、それを上回る圧倒的な独自性があ
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ベルファスト(2021年製作の映画)

4.0

北アイルランドの首都、ベルファスト。
1969年、プロテスタント過激派がカトリック住民を襲撃。
この日を境に、街全体が家族のようだったベルファストは分断されていく。
本作は、そこで生まれ育った少年の経
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心と体と(2017年製作の映画)

3.4

ハンガリーの食肉処理場で働く男女。
毎晩夢の中で鹿のペアとして交流していたことが判明して以来、現実の関係性も変化していく。

アスペルガーでコミュニケーションが苦手な堅物女性と、片腕が不自由で孤独な初
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ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

3.2

舞台は、フランス南部の漁村、ラ・ポワント・クールト。
環境汚染により生活苦に陥る漁民たちの様子や、倦怠期を迎えた夫婦の別れ話が描かれる。

「ヌーヴェルヴァーグはここから始まった」と言っても過言ではな
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明け方の若者たち(2021年製作の映画)

3.8

大学生から社会人となった青年の、恋愛や仕事での葛藤を描いた作品。

「私と飲んだ方が楽しいかもよ笑?」のメッセージから始まった「沼のような日々」、という文言に釣られ、完全に野次馬気分で鑑賞。

結果、
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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.4

結婚式で出会った男と一夜を共にした女が、タイムループに巻き込まれる話。タイムループラブコメディ。

普通。何も考えず、気楽にサクッと観ることができる。
ストーリーに新規性はなく、よくあるタイムループも
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バハールの涙(2018年製作の映画)

3.8

ISの支配から逃げてきたクルド人自治区の女性たちが武装部隊を結成。
そのリーダーであるバハールに、外国人女性記者が密着する。

弁護士として働き、夫と息子と平和な暮らしをしていたバハール。
だが、IS
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オーシャンズ8(2017年製作の映画)

3.8

女版オーシャンズ。世界最大規模のファッションの祭典「METガラ」を舞台に、カルティエ屈指の宝石「トゥーサン」を盗み出す。

華麗で爽快。エンターテイメントとして普通に面白い。うまくいくことが分かってい
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或る夜の出来事(1934年製作の映画)

4.0

父親から逃げ出してきた大富豪令嬢と、令嬢のスクープを狙う新聞記者のラブストーリー&ロードムービー。

テンポが良く、脚本に無駄がない、至高の王道映画。90年後の人間にそう思わせる作品はまさに伝説。
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バルカン超特急(1938年製作の映画)

3.7

バルカン小国からロンドンへと向かう特急電車内で、老婦人が失踪するミステリー。

出発前に頭を強打した主人公は、介抱してくれた老婦人と仲良くなる。
しかし、車内で眠りから覚めると、老婦人は消えていた。
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月曜日のユカ(1964年製作の映画)

3.7

誰にでも身体を許すが、キスはNG。
初老のパトロンを持ちながら、同世代の恋人もいる18歳のユカの自由で刹那的な様子を描く。

オシャレ。フランス映画のような撮り方をする作品がこの時代の日本にもあること
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ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

3.5

世界の歌姫であり、シャンクスの娘でもあるウタが、自身の能力によって世界を大混乱に導く話。

今っぽい。ミュージカル要素だったり、ヤンデレな2次元の萌えキャラを取り入れているあたりが、ティーンの感覚を押
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.5

カイジュウや外星人の脅威にウルトラマンが立ち向かう。

『シン・ゴジラ』より楽しめた!
『シン・ゴジラ』は、会話劇による風刺に比重を置きすぎており、辟易してしまった。
一方、本作は戦闘シーンと会話劇の
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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.7

特殊な施設から命からがら逃げ出し、記憶を失った少女。
酪農家の夫婦に拾われ、平和に暮らしていたが、10年の時を経て再び身を狙われるようになる。

面白い寄りではあるが、惜しいなという印象。

後半から
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友だちの恋人(1987年製作の映画)

3.5

パリ郊外のニュータウンを舞台に、4人の男女の四角関係を描く。

主人公は、恋愛に奥手な24歳公務員の女性。
容姿端麗な大学生女子と友人になって以来、その恋人や男友達との交流が始まる。

Theフランス
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ラスト・ムービースター(2017年製作の映画)

4.2

晩年を一人静かに暮らすかつてのハリウッドスターが、ひょんなことをきっかけに人生を回顧する旅に出る話。

過去の栄光を引きずる頑固ジジイのロードムービー。
旅の過程で、自らの老いと対話したり、若者と交流
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カランコエの花(2016年製作の映画)

3.2

高校の中でなぜか1クラスだけ、LGBTについての授業が行われる。
それによって、「このクラスにLGBTの生徒がいるのではないか」という噂が囁かれるようになる。

微妙。
脚本が弱いだけなのに、考えさせ
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祇園囃子(1953年製作の映画)

4.0

華やかな祇園の街。姉妹分となった二人の舞妓が直面する現実を描いている。

溝口監督の作品は、日本的美しさとリアリズムが共存していて好き。
質の高い作品を観れて満足。

本作では、舞妓文化の裏側が描かれ
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.4

カップルが出会ってから別れるまでの6年間を遡る形式で描く。

まず言わせてほしい。『ちょっと思い出しただけ』って言う割に、だいぶ思い出すやんけ。

話としては微妙。
恋愛の結末が先に分かった上で遡って
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

2.9

東京に現れたゴジラの対応に奔走する日本政府を描く。

合わなかった。
政治のドタバタを描いた会話劇がほとんどで退屈した。全体的にセリフ過多でスマートじゃない。
法案やら戦闘機やら難しい言葉が早口で流れ
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ナイアガラ(1953年製作の映画)

3.4

新婚旅行でナイアガラへ来た夫婦が、殺人事件に巻き込まれていく話。

新婚夫婦は旅先で、仲の冷え切った夫婦と出会う。
病んでいる夫にセクシーな妻。
妻の方は不倫をしており、不倫相手と共に夫の殺害を計画し
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神々の山嶺(2021年製作の映画)

3.9

命懸けで山に挑戦し続ける男たちの生き様を描く。

登山史上最大の謎、「エベレストの初登頂はいつか?」。
公式記録である1953年よりも前の1924年にイギリスの探検家、マロリーが初登頂した可能性がある
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サンダカン八番娼館 望郷(1974年製作の映画)

4.0

日本帝国主義の時代、島原・天草から東南アジア植民地へ売られた、からゆきさん(海外娼婦)の悲哀と差別に満ちた人生の話。

日本女性史研究家である山崎朋子によるノンフィクションを映像化。
女史が3週間、元
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

2.9

24歳、妄想癖強めなこじらせOLの恋模様と成長を描く。

『愛がなんだ』が爆笑案件だったので、更なる笑いを求めて本作へあたりにいったのだが、笑い要素はなくて残念。
映画としても、面白いとは思わなかった
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言の葉の庭(2013年製作の映画)

3.3

雨の日の朝の新宿御苑を舞台に、高校生男子が憂いのある年上女性へ淡い恋心を抱く話。

尺も良いし、映像と音楽がとても美しい。

だが、やはり新海誠の世界観は苦手だと再確認してしまった。

第一、人物描写
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.8

都合の良い相手として扱われ続けてもなお「マモくん」という存在に執着し続ける女性と、その周囲の若者たちの関係性を描く。

面白かった。共感は微塵もしない。トンチキコメディにしか思えず、ひたすら爆笑。狂人
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さがす(2022年製作の映画)

3.8

西成に住む中学生の娘が、失踪した父を探すうちに、連続殺人事件の真相にも辿り着いてしまう話。

『岬の兄弟』の監督ということで期待したのだが、そこまで面白さを感じなかった。
商業路線になったからなのか、
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グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)

3.3

漢江に流された医薬品による突然変異で、グエムルという怪物が誕生。グエムルに攫われた女の子を助けるため、河川敷に住む家族が死闘を繰り広げる。

あまり面白いと思わなかった。何かよく分からん変な映画観たな
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真実(2019年製作の映画)

3.3

フランスの大女優が自伝『真実』を出版。その内容をめぐり、家族内の軋轢が露わになる。本に綴られなかった本当の真実とは?

カトリーヌ・ドヌーヴが本当に大女優の役を務め、昔はこうだったああだったと垂れる。
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