fleurさんの映画レビュー・感想・評価

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ラ・ピラート(1984年製作の映画)

4.4

話としてはありきたりといえばありきたり、な愛憎劇なのだけど、この短い時間のこの物語をここまで仕上げる脚本、演技、撮影がすごいと思った。みんな激しくて動的。登場人物は5人でそのうち名前がある人物はたった>>続きを読む

ピアニスト(2001年製作の映画)

4.3

いくつか正確にはわからないけれど、音楽大学で教鞭を取るくらいの歳、30代か40代だろうか、のエリカはその歳でもいわゆる実家暮らしで、母とふたり暮らし。母は強烈な今でいう毒親のような感じではないけれど、>>続きを読む

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

4.8

Pierrot le fouのベッドルームに憧れてベッドリネンをピンクにしたくなるの、あるよね。私はあります。憧れて真似した。ピンクのベッドリネンに水色のTシャツとバスローブ。初めて観たとき、目に入っ>>続きを読む

ぼくの伯父さんの休暇(1952年製作の映画)

4.8

変わらずユーモラスなムッシュユロのバカンス。馬に怒られたり葬儀用の花輪をすり替えたり行く先々で騒動を起こすユロ伯父さんだけど、なんだか憎めない。最後の花火の規模感よ。とんでもない量ですごかった。

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

5.0

鏡越しの大通り、ショーウィンドウ越しのクレオ、馬の足音。タロット占いに火曜日は新しいものを身につけてはダメ、という迷信。堂々とした女性運転手のタクシーでリュクサンブール公園の周りを走る、その光景に懐か>>続きを読む

ムーンライト(2016年製作の映画)

4.8

これがいまをときめくA24の記念すべき初製作作品なのか、と鑑賞。冒頭の映像の切り取り方からしておもしろかった。リトルがフアンから泳ぎを教わる場面ではわたしたちもぷかぷかと浮いたり沈んだりしていて、水の>>続きを読む

一晩中(1982年製作の映画)

5.0

夜は感覚がより研ぎ澄まされる。限られた視界の中で、音や匂い、触覚を頼りにわたしたちはさまざまなものごとを捉えていく。境界が曖昧になり、外と内、他者と自分、スクリーンと座席の境目すらぼやけて混じり合って>>続きを読む

レースを編む女(1977年製作の映画)

4.7

物静かな美容師見習いの極々ふつうな女の子、ベアトリス/ポム。同じ美容室で働くマリレーヌはポムのことを可愛がっていて、性格は違うけどふたりは仲良し。失恋したマリレーヌとともに向かったバカンス先で、ポムに>>続きを読む

去年マリエンバートで(1961年製作の映画)

4.8

周りが一切動かずに二人のみ動く場面、逆に周りが動くけど二人は動かない場面。ふたりとまわりは違う次元、違う時空に住んでいるよう。交差することのない世界。
サブリミナルのように差し込まれる真っ白な部屋の様
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勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

4.7

Cinéma Mac-MahonでÀ bout de souffleを。真っ赤な座席の並ぶ往年の独立系シネマ。パトリシアが駆け込んできたとき、友だちと顔を見合わせて互いににっこり。パトリシアは流されて>>続きを読む

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.6

悪戯っ子ばかりの学校。ガキンチョでみんなかわいいね。アントワーヌはかわいい。彼ばかり怒られて不憫でもある。そんな彼を庇うルネは優しいお友だち。ママは冷たかったかと思えば急に優しくなり、けれどやっぱり子>>続きを読む

ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

4.8

モンペリエからちょっと西側、SèteにあるLa Pointe Courte。田舎の小さな漁師街。たくさん出てくるねこがかわいくて、音楽が印象的で、ノコギリの音や電車の音といったざらついた音が耳に残る映>>続きを読む

夏物語(1996年製作の映画)

4.7

この青いストライプのテントが見たくてサン=マロへ。砂浜にお行儀よく並んでいる姿はかわいかった。岩場も多くて南とはまた違うビーチ。賑わいのある街。砂浜の近くにずらりと白い扉があって、それぞれにシネアスト>>続きを読む

春のソナタ(1989年製作の映画)

4.7

フランスの映画館ではけっこう笑いが起きていて、ロメールって案外コメディなのか…?と新たな発見だった。愉快だなとは思っていたけれど、笑える!は新たな視点だった。たしかにナターシャのまだまだ子どもっぽい言>>続きを読む

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

4.8

エイプリルフールの失恋、5月1日が賞味期限のパイン缶、涙を蒸発させるためのジョギング、「一万年、愛してる」のパスワード。記憶の缶詰になって心に残った、って良い言い回しだな。賞味期限が一万年とかだといい>>続きを読む

ジョニーは行方不明/台北暮色(2017年製作の映画)

4.9

音楽と光、とくに人工の灯りが美しい映画だった。街のネオン、街灯、車のヘッドライト、交通誘導灯、セブンイレブンの蛍光灯、立の部屋のピカピカのイルミネーションたち。日が暮れた台北の街を鮮やかに照らしていて>>続きを読む

アメリカン・スリープオーバー(2010年製作の映画)

4.7

マイ枕を抱えてみんながすれ違う夕べ。とある街のティーンたちのスリープオーバーが重なりあって、交差しあって、それぞれまた朝を迎えていく。みんな枕を持っていそいそとお泊まりに行くの、かわいかった。ちょっと>>続きを読む

カルメンという名の女(1983年製作の映画)

4.6

弦の四十奏と波の音の映画。クレールのヴィオラが弾き真似すら下手で終始そればかり気になってしょうがなかった…
映画の撮影と称すれば犯罪もいとも簡単に実行できてしまうのではないか、と計画を企てるカルメンた
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Melanie Martinez: K-12(2019年製作の映画)

5.0

これはメラニー・マルティネスが送る現代のミュージカル映画。ポップソングを基にキッチュでキュートに物語が進んでいく。すべてがかわいくて、パステルカラーにリボンにフリルにピンク🎀☁️かわいいが詰まったおも>>続きを読む

マリー・アントワネット(2006年製作の映画)

5.0

最初のシーン、キルスティンがこちらを見て「なに見てるの?」とでも言うように微笑むところからもうかわいい。マリーのテーマカラーはペールブルー。
オーストリアではふつうのお転婆な末っ子らしいかわいい女の子
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ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

4.9

Daguerréotypeは世界初の実用的な写真撮影技法。その発明者ダゲールの名のついた14区のダゲール通りに住む人々。ありふれた日常の何気ない場面を切り取るヴァルダの視線から彼女の住み慣れたこの街へ>>続きを読む

女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

4.8

アンナ・カリーナは本当にかわいいのだけど、ここではチャーミングさよりも空虚な佇まい。夢を追うも上手くいかず、働くことも上手くいかない。そんなナナが彼女の人生を生きようとする。不穏なテーマ曲に、『裁かる>>続きを読む

桜桃の味(1997年製作の映画)

4.8

黄金色の草原と砂埃の黄色い道をくねくねと行く。最初は兵役中のクルド人の青年、次はアフガニスタンから来た神学生の青年。"仕事"を依頼するもどちらにも断られる。神学生が神の教えをもとに説得を試みていて、よ>>続きを読む

オリーブの林をぬけて(1994年製作の映画)

4.6

ジグザグ道3部作の最終章、2作目から1年後、地震から1年後のイラン・コケル。ドキュメンタリーとフィクションが溶け合っている不思議な作品。あのアフマッドが大きくなっている!「そして人生はつづく」の青いお>>続きを読む

そして人生はつづく(1992年製作の映画)

4.6

震災直後の村を訪ねる監督と息子。映る人々はみな悲しみに暮れるというよりさっぱりとして見えるけれど、きっと本当はそうではないのだろう、と想像する。瓦礫が散乱する街でも映像は美しく色味が柔らかで不思議な感>>続きを読む

友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.7

理不尽な先生に理不尽な親。子どもの頃ってこんな感じだよなぁ、と。そんな大人たちに邪魔されつつも思い切ってこっそり家を抜け出してお友だちの家を探しにいくアハマッドが可愛かった。近いようで遠い隣町と地元の>>続きを読む

木と市長と文化会館/または七つの偶然(1992年製作の映画)

4.7

田舎の街をどのようにしていくのか、環境保全、政治、どの話もいまも同じことを繰り返していて、変わらないんだな、と思った。田舎を都市化したら田舎である意味がなくなる、も、昔と大きく変わってしまって今のまま>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.8

想像以上にとっても良かった。流れる緑と木漏れ日と窓から顔を出す犬(ルーシー)。フロントガラスに反射する青空と雲。カートとマークは親愛じゃなくて恋慕に近かったのか、となった温泉の場面。やっぱり親愛と恋は>>続きを読む

青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)

4.7

すべての場面がどこを切り取っても美しく、絵画のように艶やかな情景にうっとりした。小さな生き物にも目を遣るムイの優しさがとても美しかった。小さい頃に蟻をずっと眺めてしまうムイに対して蝋を垂らして蟻を苦し>>続きを読む

コロンバス(2017年製作の映画)

4.8

人のいない風景のカットがとても良かった。静謐で何気ない場面だけれど随所に光る美しさのかけらみたいなものがきらきらとサンキャッチャーを通したひかりのように散らばっていて、美しかった。ジンとエレノアのふた>>続きを読む

キングス・オブ・サマー(2013年製作の映画)

4.7

学校ではあんまりイケてないけれど仲良しの2人が、夏休みに鬱陶しい親のいる家を飛び出して自分たちの家を建てる。少年3人で割としっかりしたお家を建てていて、すごいなと思った笑 だけど、そこにケリーが訪れた>>続きを読む

友だちの恋人(1987年製作の映画)

4.9

ブランシュがずっと可愛くてチャーミングで賢くて好きなキャラクターだった。あんなにキュ〜トなのに自分を卑下しちゃうの、なんで〜って思いながらもそこもブランシュの可愛さなのかな、なんて思った。アレクサンド>>続きを読む

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