濱口作品の中でも一際「バランス」の悪い映画だな、と。
ショットの実験集のような作りで作品の生まれた経緯からなるほどと思ったし、それはそれで驚きと没入感を与えるものだと感じた。
しかし、これまでの濱>>続きを読む
ようやくというか、なかなか再販されず実家のVHSで弟と死ぬ程見た一作。劇場版ドラえもんも含めれば90年代初期は芝山努に情操教育を施されたと言っても過言じゃない。
Blu-ray化してさらにNetfli>>続きを読む
ざっくりとした内容はわかっていたものの、男性側のキャラクターがみんなあんな感じとは思ってもみなかった。もうニューヨークに来てからのヘソンに萌えすぎて涙が出た。横移動の長回しが素晴らしい。
山下敦弘のミニマルな画面演出とオフビートな演技演出が原作をリスペクトしながらも絶妙な別物を生み出した、という感じかしら。
キャスティングが素晴らしく、主演の齋藤潤を筆頭に和田役の後聖人のキャスティング>>続きを読む
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広島・長崎を描くか描かないかなんてことは別に作り手が決めればいいのだが、作り手が決めたはずのルールがルールとして機能しておらず、さらに映画的魅力すら損なっているんじゃないか、という気にすらさせるのが難>>続きを読む
あちこちに穴はあるんだけど、それはもうあの原作を二部で作ることの限界であって、そんなことにケチを付けるのが野暮なくらい、このスペクタクルを、物語を見よ!という映像。
ゼログラビティ以来の体験没入型の映>>続きを読む
そこで終われる映画なの?北くんは悪魔となった市子にノせられて死んだん?そんな侠気ある程には見えなかったよ。
市子は月子の戸籍では満足出来なかったの?長谷川は会えませんでしたーなの?
負のスパイラルでし>>続きを読む
程よく楽しく見た。技術的なところからの批評になってしまうけど、バックショットを多用した演出とドライな画面構成、編集のリズム感は見事だった。向井さんの脚本は安定していたが、城戸の家族の描写でやや弛緩した>>続きを読む
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法廷劇の皮を被ったフィクションを巡る考察劇。
検察側の進め方はどう観ても強引で決定的な証拠や根拠が弱いように見える、ように出来ていて、それに対して映画の観客が苛立つように作られている。
つまりこの裁>>続きを読む
総じて悪い人がおらずその優しさの集積による非常にミニマルな映画。ケイコよりこっちの方が好き。
三宅唱はとにかく余計なことをしない引き算の演出が抜群に上手い。じっくりじっくり積み上げていく。
真っ先に>>続きを読む
とても面白いテーマであるはずなのに、劇中で語られる虚構性なるものがドキュメンタリーの虚構性とかそういうレベルではなく、単に作り手の自意識としてしか感じられないのがとにかく薄ら寒い。
オリジナル「日の>>続きを読む
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ランティモスお馴染みの悪趣味さや6mmの画とかお家芸的に使われるようになっていて、それはまぁそれではいはいと観ていた。ただその悪趣味≒アンモラルな寓話的世界から教条的な展開にかなり真っ直ぐ進んでいく流>>続きを読む
プロミシングヤングウーマン全然好きじゃない勢としてはどんなもんかと思って見始めて、ブロマンスからのテオレマ展開で、ジャンルものを混ぜた風刺劇なのかなと思ってちょっと楽しかったのに、すごく安っぽいネタバ>>続きを読む
傑作、とは言わないまでも墓場鬼太郎第一話の前日譚として現代に作り上げる気概がとても良かった。戦争観や昭和という時代への批評観はゴジマイに見習ってほしい。横溝正史的因習村ミステリーは取ってつけた感がなく>>続きを読む
ありきたりだと語る人もいるようだけど、全くそんなことない。男性優位的なルールの中で男を踏み越えていく主人公と負けていく彼氏。既存の社会を取り巻くこの勝ち負けのゲームの中で、そこから逸脱してしまうと壊れ>>続きを読む
カウリスマキだね、というカウリスマキ作品(当たり前)。もはや芸事でありこうじゃなくっちゃ、とありがたさも感じるがどこか物足りなさを感じる。
ジャンル分けすることがナンセンスだとわかりつつ、文字通りのメタフィクションであり、作り方の方法論はドキュメンタリーのそれだと感じた。何故ならこの映画は編集によってショットがショットになるからだ。
フィ>>続きを読む
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藤子F短編シリーズみたいだなと。ドントルックアップ、ホワイトノイズに続いてNetflix年末恒例になりつつある黙示録しりーずだけど、この内容がこのタイミングで配信されるクリティカルさは見事だと思う。緊>>続きを読む
マイナスワンを見た後なので、ゴジラを「楽しむ」とはこういうことだ、と逆に思った。ストーリーの雑さやらトンデモやらはなんのその。怪獣プロレス上等ってことをモンスターヴァースはある意味ブレずにやり切ってい>>続きを読む
ズートピア以来の優等生100点系ディズニーピクサー作品。
火のエレメントは西側諸国における移民、特にイスラム教徒などのマイノリティのメタファーで、今作はアイデンティティポリティクスとその融和がテーマと>>続きを読む
フィンチャーの老練を感じる映画らしい映画。音が注目されがちだけど個人的には編集がすごい。車の移動とか同ポジでダブらせてたりわけわからんことやってるのに、あれ?なんか見れちゃう?みたいな謎の体感を植え付>>続きを読む
一昔前の映画学生が書いたシナリオに日本で可能な限りのVFXを乗っけるという魔改造みたいな映画でありそれが山崎貴である。ていうかゴジラ映画ってこんなもんで良いよね、みたいな話もあるみたいですが、そんなん>>続きを読む
楽しくは見た。オリジナルのエンタメ映画2時間の枠においては良い作品だったと思う。西側諸国の罪という点も今時。
ただとにかくSF映画としては設定がゆっるゆる。AIが自立してる時点でそのエネルギー資源が何>>続きを読む
森達也の語り続けてきたことを劇映画として具現化するとこうなるっていうのをほぼベストな形で出してきたなっていう印象。
排外主義によるアイデンティティの強化、それに集団の狂気が混ざると最悪という。これほど>>続きを読む
原さんらしい心情描写の丁寧さ、素直さが演出に結実している作品。決して小洒落たやり方ではなく、ただただまっすぐ。丸尾さんとのコンビも綺麗にハマった近年でのベストだと思う。リアル志向のアクションゆえに絵に>>続きを読む
沖田版6歳の僕が大人になるまで。
同期がチラッと出てた。
小劇場で馴染みの俳優や、監督仲間たちも含めてホームビデオ感がすごい。
子育て映画として、もはやドキュメンタリーであり、唯一と言っていい作為的>>続きを読む