森達也の語り続けてきたことを劇映画として具現化するとこうなるっていうのをほぼベストな形で出してきたなっていう印象。
排外主義によるアイデンティティの強化、それに集団の狂気が混ざると最悪という。これほど>>続きを読む
原さんらしい心情描写の丁寧さ、素直さが演出に結実している作品。決して小洒落たやり方ではなく、ただただまっすぐ。丸尾さんとのコンビも綺麗にハマった近年でのベストだと思う。リアル志向のアクションゆえに絵に>>続きを読む
沖田版6歳の僕が大人になるまで。
同期がチラッと出てた。
小劇場で馴染みの俳優や、監督仲間たちも含めてホームビデオ感がすごい。
子育て映画として、もはやドキュメンタリーであり、唯一と言っていい作為的>>続きを読む
この映画が真実か陰謀論かは見た人が好きに判断すれば良いし、そういう作りだし、突っ込むのはヤボ。ただ、イギリスやベルギーの植民地時代から続いた悪行やアメリカの工作、白人の冷酷さは歴史的事実としてある訳で>>続きを読む
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バービーランドのバービーが人間界に行くお話、くらいしか情報を入れなかったのでどんな内容なのかと思っていたが、予想以上にケンの物語だった。バービーランドで繰り広げられる圧倒的女性上位な構造が人間界とは裏>>続きを読む
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継承者のいない絶望と「おれはここにいた(こう生きた)」という圧倒的な自意識。
映画として面白いかどうかはさておき、そういう歴史の一つの記録として見た。逆を返すとそういう評価しかしようがない作品のように>>続きを読む
あらゆる外連味をぶち込んだ4時間正にスナイダーカットと呼ぶに相応しい。個人的には銀行強盗とワンダーウーマンの戦闘シーン。あのスピード感を「魅せる」演出は恐らく今のハリウッドでザックスナイダー以外いない>>続きを読む
フィービーウォーラーブリッジを横に据えながらユーモアがないところに「インディ」として魅力がなく、家族を失い時代に取り残され老いていく彼の悲哀みたいなところはすごくいい着眼なのにそこも中途半端(老いた身>>続きを読む
すごくぼんやりした映画。別に説明が必要とかそういう野暮なことではなく、ショットがショットとして立ち過ぎて一々青臭く、それでいてあまりグッとくる繋ぎってわけでもなく、最後はアンダープレッシャーで力技って>>続きを読む
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マルチバースものは食傷気味であるが、やっぱりスパイダーバースは別格。正にアニメーションでしか表現できない映像表現とそれを力業で支えて破綻させない見事なシナリオにホント頭が下がる。
一人の犠牲という逃>>続きを読む
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まず性暴力の被害者を描いた映画であるにも関わらず、作中で加害者を告発し、その罪を裁くような行為は行われない。SNS上でのキャンセルのようなものは一切ない。(プロデューサーでもあるマクドーマンドは「家父>>続きを読む
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ぬいぐるみと話すということはつまり人と話すと傷つく、もしくは傷つけてしまうということ。
傷つけることは加害であり傷つくことは被害。そこに当事者性を持ち得るのか否か。そもそも傷つきを回避することはこの社>>続きを読む
古川日出男の原作がそもそも「どろろ」を若干パクってるよね、という話はまぁさておき、物事の因果関係の提示がそもそも作中で出来ていないので、犬王にかけられた呪がどのようなものなのか、平家物語の隠された物語>>続きを読む
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ケイト・ブランシェットの圧倒的な身体性、完璧過ぎる衣装・小道具・ロケーション、それらを的確な画角とワークで切り取る強靭なショット、ここしかないと言うポイントで繋がれた編集、映画の第二の主役とも言うべき>>続きを読む
フィルムで撮影された大量の火山のフッテージは圧巻なんだけど、この夫婦の物語として見たときに構成が単調というか。
終始同じことしか話してないので物語としては退屈だった。
以上でも以下でもない。というの>>続きを読む
ロシア政府と暗殺者の結び付きを明らかにしていく過程はとても面白く見た。
ただドキュメンタリーのダイナミズムとしてはややパンチに欠ける印象。
やっぱりイカロスの二転三転する展開と比べてしまうと…。
西>>続きを読む
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2度目を見に行って感想がまとまったので。
映像的なケレンの無さなのか説明台詞の多さなのか、冒頭のクモオーグ編以降とにかく物語が平坦で、人物の気持ちが積み上がっていかない。
アングルと編集とオリジナ>>続きを読む
単独シリーズのラストでエンドゲーム級のカタルシスが可能なことがまずすごい。というかエンドゲームは一本の映画として評価するものではなくて、MCUというハイコンテクストなカルチャーの集大成として評価すべき>>続きを読む
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宗教文化に根付くミソジニー。これがおよそ20年ほど前のイランで起こった出来事として考えるとそら恐ろしい。
映画として2時間以内にまとめる手腕が素晴らしかったが、裁判のパートに入ってから観客と作り手と>>続きを読む
原作が1シーンものの戯曲という前提はあるようだけれど、前作マザーと対を成した構造とも取れる。ニワトリタマゴだが、だからこそこの戯曲なのかもしれない。
キリスト教的なものに対するアロノフスキーのスタン>>続きを読む
マルチバースものって翻せば可能性という名のもとに無限の相対化が為されるポストモダン的なストーリーテリングの類型で、それ自体はそんなに新しさとかを感じることはなく、「色々あり得たかもしれない可能性はある>>続きを読む
こんなにわかりやすく縦と横の格差を明瞭に描くのかーと感心しつつ、オストルンドということを鑑みるとわかりやす過ぎるなーとも思ったり。でもやっぱり笑っちゃうし風刺劇としてとてもよく出来てるのですんなり楽し>>続きを読む
これをスピルバーグにやられてしまったら誰も何も文句言えない。映像制作者は心して見るべきだし、ものづくりを生業にする人はこの業と向き合わざるを得ないよねと軽妙に、しかしまざまざと見せつける。
ラストシー>>続きを読む
それらしいメタファーをやたら散りばめているのにずっと思わせぶりなまま。指一本切ってようやく始まる物語なんじゃないかこれは。
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銃乱射事件の被害者家族と加害者家族の対話、ただそれだけのプロットにも関わらず芝居とセリフの熱量と、それらを可能な限り高い純度でシンプルに見せようという演出がハマりにハマって111分という時間感覚すら狂>>続きを読む
今回もフィジカルを捉えるのが抜群に上手いなという感じ。もっとストーリーテリングを放棄して良かったんじゃないか、というのが一番の感想。会長との関係性がシンプルで立っているが故に物語らざるを得ないところが>>続きを読む
難民申請が降りず、父は入管に入れられ働くことも出来ず、あらゆるケアを受けられないままヤングケアラー化する恐怖。それをギリギリのラインで青春映画に留めていて素晴らしい。
これは不勉強ゆえ気になった点とし>>続きを読む
繰り返される反復が緩やかに確実に崩れていく。ただズルズルと流れる時間の中にあるその微細さを感じるために必要な長回し。映画見たなーという感覚は強烈にあった。ただ家で見るもんじゃねえ。やっぱ長過ぎるよーも>>続きを読む
つまらなくは、ない。エドガーライトが撮る理由があったのかどうか、ということをちょっと考えてしまってなんかそこが終始引っかかってしまい集中出来ず。
バーフバリは観ておらず初ラージャマウリ作品だったんだけど、イギリス統治下を描いた反植民地支配がテーマとして立ち過ぎていて逆にそっちに気が取られて他の魅力的な要素が素直にすっと入ってこず。
いや、笑っ>>続きを読む
映画としてどうこう語るものじゃなく、公式による究極のファンムービーとして楽しんだ。3DCGで動く井上先生の絵も良いし、ある意味一番フォーカスが当たらなかった宮城のバックボーンをピアスから膨らませたりと>>続きを読む
なんとも言えぬ味わいがある作品。正直あんまりデヴィッド・ロウリーのリズム感が未だ掴めないでいるところもある。ショットとして強靭な冗長さもあるが、単に冗長、と思うところもしばしば。とはいえ世界観の造形は>>続きを読む
女っ気なしのシルヴァンのようなファンタジー性が群像になったことで嫌味なくリアルに見られるボンクラたちのモラトリアムジャーニー。
でもオチは一緒やん。好きだけどさ!
初めてのギヨーム・ブラックだったんだけど、フランス版ボンクラ童貞ものをロメール風にというのが感想。ブレッソンの白夜にも通じているのかも。
この愚直なキャラクターに愛らしさはめちゃくちゃ感じるので好き>>続きを読む