graceさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

grace

grace

映画(337)
ドラマ(10)
アニメ(0)

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.7

なぜ人は恋心を持つと「同じ」である事にこだわってしまうのだろう。本当は共通点なんて無くたって、互いを受け入れさえ出来たらいいはずなのにね。

麦くんと絹ちゃんはお互い惹かれあって「同じ」共通項探しに目
>>続きを読む

山の焚火(1985年製作の映画)

4.2

圧倒される間もなく飲み込まれ続ける、アルプスの四季と家族の物語。人の営みもまた自然の一部なのだということ。

荒いようで丹念に削ぎ落とされ、粗野に見えて緻密な計算で作られていた映画であること、観賞後の
>>続きを読む

RBG 最強の85才(2018年製作の映画)

3.9

差別があるとすら認識していない人達に差別の存在を伝えることの難しさ、必要性。

「男性の皆さん、私たちを踏み続けているその足をどけて」戦後アメリカといえば人種差別撤廃・公民権運動の印象が強く、ウーマン
>>続きを読む

飛行士の妻(1980年製作の映画)

3.6

恋愛って相手だけを見ているようでこんなにも自分本位、そんなボーイミーツガールズ。
自然光と音、作りこまない巴里の日常の光景。ながったらしい、意味があるんだか無いんだかの会話劇。なんて洒落た映画なんだろ
>>続きを読む

アイアンマン2(2010年製作の映画)

2.9

スカヨハ〜!!!!!!!
結婚してくれ〜!!!!! 

正直敵は噛ませ犬感しかなくてちょっとかわいそう…トニー・スターク個人と父の関係に焦点が当てられているのは良かったが、全体的な深さは1に負けた感あ
>>続きを読む

インクレディブル・ハルク(2008年製作の映画)

3.4

ヒーロー映画なのに終盤最後ギリギリまで善悪曖昧な逃亡劇なのが凄く良かった、人間の弱さを色々な面から切り取ってる。
オープニングが超かっこいいし、ファベーラでの戦闘シーンもいい。それにしてもアメリカ陸軍
>>続きを読む

ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)

3.6

ノッティングヒルはロンドンの中でも高い建物が少なくて開放感がある街だった、この映画のヒロインもそれに惹かれたに違いない。

『ローマの休日』同様、この一瞬は永遠に等しい、と思えた、文句なしに素敵な映画
>>続きを読む

マッスル 踊る稲妻(2015年製作の映画)

3.3

邦題つけた人、最初の30分しか見なかったでしょ…1本の映画を見ていたはずなのに、ミステリー、アクション、ボリウッド、医療モノ、ラブロマンス、沢山の映画を見た気分になった。あとはノートルダムの鐘とオペラ>>続きを読む

ニーナ ローマの夏休み(2012年製作の映画)

3.3

ここは退屈、じゃあ私が思う「刺激的な日常」はどこにあるのだろう?ーバカンスのローマで暮らす主人公は習字を習っていて、アジアでの生活に憧れながら、高級アパートで留守番バイトをしている。起承転結も特に無い>>続きを読む

胸騒ぎの恋人(2010年製作の映画)

3.7

恋に落ちたら一冠の終わり、理性がブレーキをかけようとしても働かない。だってそれが本当の恋だから。
恋の喜びと言うよりは苦しみにスポットライトが当てられて、その焦燥感が良いテンポで表現されていた。映像が
>>続きを読む

マイ・マザー(2009年製作の映画)

3.5

愛と憎しみはコインの裏表、同質の素材でできている。日常を内から壊すのはいつだって日常の淀みの積み重ね。その淀みをコラージュのように作品中に散らばす。音楽と色彩、画の切り取り方が秀逸。19歳でこの作品を>>続きを読む

アイアンマン(2008年製作の映画)

3.2

パワースーツ、スポーツカー、放蕩野郎なのに最高に職人気質な主人公全てが文句なしのかっこいい…!で構成されていた。
MCU=陽なイメージという理由で実はこれまで避けてたんですけど、普通に色々背負ってるや
>>続きを読む

サマータイムマシン・ブルース(2005年製作の映画)

4.0

わたしの大学生の夏が終わってしまう!8月31日に飛び込んで観た、アホで切なくて愛おしい青春SF。緩く観れる映画なはずなのに、自分自身の感傷も重なってかtommyの流れるエンドロールでぎゅんと胸が締め付>>続きを読む

来る(2018年製作の映画)

3.4

冒頭30分がめちゃくちゃ怖い。現代日本の地獄を煮詰めた感じ。そこが怖いと言える人との付き合いを大切にしていこうと思います。中島監督は瞬間の画が最高にかっこいい監督でその手腕が随所に散りばめられていて苦>>続きを読む

青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)

3.5

忍耐は派手ではないけれど一つの強さであり、その信念でもって生きてきた過去の人達を「弱い人」と呼ぶのはなんて残酷な行為なのだろう。家族を守る母、初恋の人を想う老人、婚約者との関係に悩む令嬢…この作品には>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.2

戦場は日常と地続きだ、昔も今も。ジョジョの素直さに希望を託し、見守る大人たちの愛情が暖かくて胸が締め付けられた。彼らの視点でこの物語を追ったら、また違う作品になっただろう。この愛情の大きさに気付くには>>続きを読む

茄子 アンダルシアの夏(2003年製作の映画)

3.6

焦げ付くアンダルシアの大地を颯爽と駆け抜ける45分、未練も後悔もかなぐり捨てながら。
なんとなく観たら期待以上の作品で素晴らしかった。一瞬のロードレースを基軸に人生や人間模様が描かれるスマートさ!じり
>>続きを読む

博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)

3.9

宇宙の全てを表す一つの方程式を探す博士と、その方程式で解けない愛の物語。
些細な日常の風景が大宇宙を構成する理論のメタファーとなっていて(コーヒーカップ、暖炉の灯り、ダンスパーティーの会場、デスクから
>>続きを読む

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

3.7

私達は言葉の力を信じて関係性について常に”理性”を尊重してきたけれど、”本能”がー肉体のコミュニケーションがー持つ途方もない力に打ち勝てたことがあるのだろうか。互いの理性の持つベクトルやスピードにズレ>>続きを読む

カセットテープ・ダイアリーズ(2019年製作の映画)

3.5

たった一つのカセットテープが少年の未来を変える、これが詩の力。自分の才能に自信を持てなかった主人公が確固たる意思を持ち行動していく姿と、それを見守る大人と仲間たちの不器用な愛が描かれていた。原題の通り>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.5

8歳の頃、四姉妹と二度目のクリスマスを迎えた私はジョーと共に涙し、こんな優しくて強い女の子になりたいと若草物語を抱きしめた。22歳の今、この映画を見て私の羅針盤はこの物語だったのかと気付く。

原作を
>>続きを読む

ミッドサマー ディレクターズカット版(2019年製作の映画)

3.5

私達が普段「愛」と呼ぶものは結局利己的なもので、均衡が崩れるとすぐに「憎悪」に反転してしまう。個の時代、それが原因だとすれば、この物語の舞台ホルガ村はその対極に位置している。この共同体の示す「愛」は常>>続きを読む

シンデレラ(2015年製作の映画)

3.3

Have courage and be kind.
舞踏会で王子様に見初められる「シンデレラストーリー」ではなく、2人の恋を描いているのが印象的だった。
私は原作アニメの動物表現が大好きで、特に小鳥と
>>続きを読む

ぼくを探しに(2013年製作の映画)

3.7

記憶はすぐに曖昧で不確かなものになってしまうのに、何故ここまで私たちの感情や判断に大きな力を持つのだろう。マダムの不思議な紅茶とマドレーヌ、そのパワーでまさしくマルセル・プルーストの大著「失われた時を>>続きを読む

モダン・タイムス(1936年製作の映画)

4.3

時代も空間も超越する笑い、チャップリンの偉大さを実作品を通してやっと理解できた。(名前ばかり知っていてしっかり作品を観たのはこれが初めて!)もちろんよく言及される政治経済へのセンスある風刺も詰まってる>>続きを読む

魔女の宅急便(1989年製作の映画)

4.1

実はこれ、働く大人達のための映画だったりして。「私のは仕事だもん、楽しいことばかりじゃないわ」空を飛ぶことについてのこの台詞のように、たった13歳のキキが仕事として魔法を使うことを十分理解している、そ>>続きを読む

フランシス・ハ(2012年製作の映画)

4.0

27歳、私は人生をどう振り返るのだろう。人生は選択の連続で、自分と異なる道を選んだ人が地球の真反対に行ってしまう気がする、ずっと一緒にいたのにね。不器用な私でもその瞬間の自分だけには素直でいたいと思っ>>続きを読む

写真家 ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと(2012年製作の映画)

3.2

「成功のためにすべてを犠牲にする人もいるけれど私はそうしなかった」ささやかな日々の幸せを愛した写真家の哲学と後悔。回顧展が行われている写真作品の奥にある、彼の人生を本人の口から知れて解釈の幅がより広が>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.2

コミカルさとある種の絶望と諦念、それこそ私達の生きる社会。経済的豊かさから来る寛容さが格差社会で時に暴力に成り得るのなら、そこに解決策はあるのだろうか。
緩急の付け方が滅茶苦茶上手くて、一時も飽きない
>>続きを読む

君に届け(2010年製作の映画)

3.4

憧れた私の「無い」青春。もはや爽やかさの濃厚豚骨スープ。映画館で初めて観た時は、三浦春馬のかっこよさに呼吸困難になりかけた記憶がある。久しぶりに観ても胸キュン具合は相変わらずだった。原作の連載との擦り>>続きを読む

オランダの光(2003年製作の映画)

3.4

光そのものは目に見えないが、確かにそこにあって、どう掴むかも地域や時代、様式によって異なる…ヨーロッパにいた頃身に染みるように感じた地域ごとの光の違い、は結局はどこにあるのか?地理?気候?作者の視線?>>続きを読む

日日是好日(2018年製作の映画)

3.6

凛、とした映画。25年の女性の歩みを、その人生におけるドラマではなく変わらない茶道のお稽古から眼差しているのが興味深い。型があるからこそ、気づける日常の小さな変化。一期一会だからこそ毎日を良い日だと楽>>続きを読む

アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング(2018年製作の映画)

3.6

欠点ばかりの不完全な自分に花束を。自信を失い落ち込んだ夜に観るべき大正解ムービー。能動的に生きることって人生を変えられるんたな。コイツなんだ?ってぐらい自信がある人って、その自信そのものが魅力になるん>>続きを読む

女は女である(1961年製作の映画)

4.1

そうだ、映画って自由だった。世界一ポップでキュートなカップルの痴話喧嘩に付き合う80分。パリの雑踏、安キャバレーの粗雑さ、赤と青の絶妙な配色。はちゃめちゃなブリッジに謎の効果音。突然のカメラ目線にミュ>>続きを読む

主戦場(2018年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

勉強不足ながら、鑑賞。中立なドキュメンタリーフィルムなど存在しないことは前提として。証拠と定義を見直すロジカルな構成から、私は監督側の意見に説得力を感じた。またこの作品が指摘する矛盾した主張以上に、「>>続きを読む

快盗ルビイ(1988年製作の映画)

3.4

お洒落な空間と衣装、私は怪盗よ!ってぶりっこ全開のキョンキョンがばかかわいいので、荒すぎるストーリーも中途半端なミュージカルも全て許される。バブルという時代だからこその能天気さ、この時代を生きれなかっ>>続きを読む