graceさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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オースティンランド 恋するテーマパーク(2013年製作の映画)

3.4

高慢と偏見、分別と多感、エマ…ジェイン・オースティンの作品世界に憧れを抱く現代人の夢の国・オースティンランド…!おバカラブコメなはずなのに、しっかりキュンキュンしちゃうのが悔しい…。運命の人って何でし>>続きを読む

ディリリとパリの時間旅行(2018年製作の映画)

3.7

ペルエポックのパリ、実在の芸術家や科学者達と対等に渡り合う聡明な少女・ディリリと冒険。色彩が本当に美しい!日本やアメリカのものとはまた違う表現方法はアニメの可能性の大きさを教えてくれる。設定や演出はも>>続きを読む

ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)

3.8

素朴な粗さと優しさ、シンプルな脚本だけどその絆に心がきゅっとする擬似親子のロードムービー。少女の主体性がしっかり認められていて、ただの記号的子供/女で無いのも良い。映画における音楽用語の説明に使われが>>続きを読む

ロマンティックじゃない?(2019年製作の映画)

3.6

ある朝目覚めたらそこはロマコメの世界!ゴミ1つ落ちてないNYの街並みに"ゲイ"の親友兼アドバイザーと美人のライバル。徹底的にステレオタイプな世界の構築に終始爆笑。私達の生きる世界は汚くて優しくも美しく>>続きを読む

イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.6

ビートルズがなくたって地球は回る。だからこそ、ビートルズのある世界でよかった。そしてその喜びはバンドの名声の下に生まれた犠牲の上に立っているのだと。名声と幸福と音楽の物語。言うまでもない最高の音楽はも>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.0

失われた輝きは永遠に取り戻せない、だけどそれをお伽話として再創造してしまうのがタランティーノ。くだらない細部までこだわりが突き通されていて、リアルとイマジネーションの境目が曖昧になる。ヒロインに関する>>続きを読む

HOT SUMMER NIGHTS ホット・サマー・ナイツ(2017年製作の映画)

3.0

誰もが知らなくて、でも忘れられない、ある熱帯夜を思い返す。青春映画と思いきや無鉄砲クライムムービー。ドラッグ×ティモシーシャラメ、「ビューティーフルボーイ」とはまた違う切り口で異なる痛みがあった。懐古>>続きを読む

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

3.5

無垢とは何なのだろう、穢れを知らないこと?自分の行いが「悪事」だと気付かないことは無垢と言えるのでしょうか。美しき少年が善悪の判断をせず、望むがままに物を命を奪っていく姿から、不気味な穴に呑み込まれる>>続きを読む

言の葉の庭(2013年製作の映画)

3.5

東京の雨を待ち遠しい、そう映画を観て思えたのは初めてかもしれない。15歳、こんなにも青春は夢だらけで未知と不可能の混じり合った歯痒くも輝かしいものだったか。ただヒロインのキャラクターの深みというか、抱>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

3.1

「俺たちに明日はない」を新海誠がリメイクしたらこうなりましたという作品、たぶん。伏線だなんだ気にしてるのは一部の観客だけで、圧倒的ボーイミーツガールがこの世界を回しているのだ!という前提はもっと周知さ>>続きを読む

君の名は。(2016年製作の映画)

3.3

新海誠は東京を理想都市として描く。圧倒的な写実描写なのにそこにあるのは限りなくフィクションの東京だ。田舎を簡単に捨てる登場人物たちの選択は、これが現実なのかあと寂しくなった。躍動感のあるアニメーション>>続きを読む

永遠の門 ゴッホの見た未来(2018年製作の映画)

3.7

優しい黄色が世界を包む、冷たい視線も暖かな手も、全てを飲み込むように。「情熱の画家」のような神話的な姿ではなく、病と戦いながら絵画と向き合う不器用な一人の男性がそこにはいた。淡々と進む物語の中で繰り返>>続きを読む

アラジン(2019年製作の映画)

4.2

濁りの無い瞳から伝わる信念と愛。ジャスミンの強い意志と思慮深さがアニメ版以上に濃厚に描かれている事ーそれがどれ程私達をエンパワメントしてくれることか。最底辺を知るアラジンの生き様、自由を求めるジーニー>>続きを読む

ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

4.4

何処で誰と居ようと、私達は孤独の中を彷徨っては温もりを求めて生きている。親密な関係性の中に感じる孤独が外国での生活に感じるそれより小さいと何故言えるのだろうか?
何度も見返してはその空白の呼び方を考え
>>続きを読む

Chemical Cut(原題)(2016年製作の映画)

3.5

これは視線の物語だ。私達はいつも視られることで傷付き生きている。髪色を変え、モデルの世界に飛び込み人生を変えてみようと試みるヒロイン。モデルという商品、女性、雇用者、娘、「唯一の」友人。様々な対象とし>>続きを読む

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.8

常に張り詰めた感覚を拭えないのは、緊迫した事件と脳天気な旅の様子、交互に映し出される物語の切り替えの巧みなタイミングのなせる技。実際の事件の当事者を役者に配置する…それも含めて「ありえない」物語。

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.3

人間を描くって難しい。「これが私」と歌いつつ、主人公以外の登場人物を浅く描いてしまったのか、その登場人物が好奇の目で見られる特徴しか結局印象に残らなかった……Rewrite the Stars 、揺れ>>続きを読む

ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)

3.5

愛すること、それはその人の為なら例え傷を負ってもいいと決意すること。これは決して「更生」の希望に満ちた物語りでは無いし、愛することに伴う様々な登場人物の痛みと薬物依存更生の困難さの現実は重くのしかかっ>>続きを読む

それでも恋するバルセロナ(2008年製作の映画)

3.4

黄色い陽光が眩しい、街の空気感を掴む点においてウディ・アレンの右に出る監督はいないと思う。誰しもが抱える生きづらさをシニカルにコミカルに、かつ予測不能に描いている。彼女たちが見たのはバルセロナの幸福な>>続きを読む

ルーム(2015年製作の映画)

3.6

約7/2555日、私が覗いた壮絶なルームでの生活は彼女にとってその微々たるものでしかない。その一方で、少年にとっては全宇宙だったということ。はっきりと描写はされない「その前」と丁寧に描かれる「その後」>>続きを読む

ビートルズ/イエロー・サブマリン(1968年製作の映画)

4.3

言葉回し、コラージュに色使い…アニメーションだからこそできる表現を存分に味わえる、不思議の世界でのビートルズの冒険。

シカゴ(2002年製作の映画)

3.7

愛よりも名声に生きる人生、それの何が悪い。狂乱のジャズエイジ、名声と腐敗。主人公ロキシーの生き様には共感はできないけれど、その魅力から目が離せない。どこまでもシニカルかつ華麗な世界への冒頭の数分間の引>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018年製作の映画)

3.5

このWizardingWorldを愛する友人達とその世界を英国の映画館で覗ける日が来るなんて…幼い頃からの夢が一つ叶いました。争いの結末はハリポタ内で一応語られている反面、語られなかった細部の先行きが>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.3

英国にて鑑賞。今もなお人々はその輝きと影を愛し続けているのだと身を持って感じた。そこに居たのは一人の人間としての彼、フレディーマーキュリー。家族、仲間、恋人、ファン。誰もが貴方を失いたくなかったのです>>続きを読む

クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)

4.2

どこをとっても豪華絢爛、ユーモアと愛に溢れていて共に泣いて笑顔になれる素晴らしい娯楽映画。そしてハリーシャムjr.は最高にセクシーでした。これまでハリウッドではアジア系中華系が一括にされてたことを考え>>続きを読む

わたしを離さないで(2010年製作の映画)

4.2

終始灰色の空を包む虚無感に耐えられない。鑑賞後しばらく、この感情は重さとなって私を襲ってきた。赤レンガの校舎、車が駐められた街角、どれもイギリスのよくあるありふれた光景で。こんな当たり前の哀しさに溢れ>>続きを読む

ルイスと不思議の時計(2018年製作の映画)

2.9

魔法の描き方やストーリーは雑に感じたけれど、ハロウィンにうってつけの内容の物語。「家」の愛情ってそれを構成する人間だけでなくて、家具等にも宿ってるのかな、と原題に感じた。字幕無しで鑑賞したが、英語学習>>続きを読む

オーシャンズ8(2017年製作の映画)

4.0

私達は最強、と観客までも無敵な気分にさせてくれる素晴らしき娯楽映画。夢のようなメットガラのシーンは圧巻です。これはストーリー関係ないよね、というようなプロモーションビデオ的美しく格好良いだけのショット>>続きを読む

未来を花束にして(2015年製作の映画)

3.8

歴史を変えたのは名もなき女性達の大きな勇気と小さな行動であるということ。Suffragette達の過激な行為にはじめは私も眉をひそめていたが、やがて繰り返し表現される当時の女性の地位の低さ扱いの悪さに>>続きを読む

打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993年製作の映画)

3.8

思春期のまだ入口、大人になると美化してしまう時分に味わった、忘れてしまった心のもどかしさがそこにはあった。
小学6年生だからこその、無垢さと性愛の共存のリアルさ。奥菜恵の魅力の引き出し方も、一歩間違え
>>続きを読む

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

5.0

「スクラップアンドビルドでこの国はのし上がってきた」この台詞が良くも悪くも真だな、と思う日々。
省庁大臣の会議シーン(民主党政権時代に取材をされてるそう)、頼もしすぎるエキスパート、官僚的手続きの段階
>>続きを読む

モーリス(1987年製作の映画)

3.6

恋愛にあがくよりも大切なことが人生にはある。そう思って生きてきた私にとって、クライブの選択とその狂いそうな気持ちが痛いほど分かってしまった。時間をかけて少しずつ変化していくクライブとモーリスの関係は常>>続きを読む

レディ・バード(2017年製作の映画)

3.6

大人になれば悩みなんて消えると思ってた。思春期の主人公と等しく壮年期の人々が悩み苦しむ姿が私には何よりも印象深かった。「私であること」に精一杯で、自分で付けた愛称を名乗り、部屋を自分らしさ満点に飾り付>>続きを読む

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.0

私達の愛は消費でしか無いのか。アイドルや俳優に「こうであって欲しい」という願望はファンの誰しも多少なりともあって、それを見事に暴いてきた。そしてアイデンティティってこんなにも虚しいものなのか。グループ>>続きを読む

犬ヶ島(2018年製作の映画)

4.4

最高。ウェス監督の「傷つくこと」の痛みを誤魔化さず愚直に表現する姿勢が大好きだ。そして少年や犬、無力な存在への暖かく優しい視線もたまらなく好きだ。浮世絵や邦楽歌舞伎から学生運動まで日本文化を監督お得意>>続きを読む

地球に落ちて来た男(1976年製作の映画)

2.9

只々デヴィッド・ボウイが美しい映画。タイトルがジギースターダストと重なる。SFにしては設定が浅いし、退屈と思うようなシーンも続くけれど、彼のカリスマ性を再認識した。いつだかの爆音映画祭にて。