えにーでいなうさんの映画レビュー・感想・評価

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天才たちの頭の中~世界を面白くする107のヒント~(2019年製作の映画)

3.0

私は天才が好きだ。
天才のことばかりを考えているし、最も自分を豊かにするのは天才たちの表現した物たちである。

思うに天才というのは大まかにいくつかのタイプに分かれると思っていて。たとえば血が表現を求
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ミナリ(2020年製作の映画)

3.9

スティーブン・ユアンがとても良い。
ミナリという題名に込められた意味も含めて良いタイトルだと思う。

アジア系の俳優ばかりの映画だけど、全体のトーンはアメリカ映画的だなと思った。

足元にある幸せを見
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

神木隆之介にしては影のある役柄で、笑わない神木くんが新鮮だった。かつ、トラウマに苛まれるシーンなどは良い演技だったと思う。

山田裕之は最近よくみる俳優だけど、本作のようなひょうきんな子分的な役が多い
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.8

脚本は乃木亜希子というのは、なるほどなと思った。原作にある会話のゆるさが映画でも自然に踏襲されていた。音楽もいいなと思ったら世武裕子でこちらもなるほど納得という感じ。
綾野剛は今まであまり良いと思った
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.3

結論としては凄く面白かった。面白かったというか、良い作品だったと表現したい気分。

新海誠はすごい監督だということは以前から認めつつも、やはり自分は宮崎駿が好きすぎるだけに色々と感情的にややこしい部分
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バービー(2023年製作の映画)

4.0

昨年、オッペンハイマーと共に大ヒットした本作。劇場公開時には見に行けなかったのでネトフリでようやく鑑賞。当時から話題になっていたし、どのようなテーマ設定かは記事やポッドキャストなどなどから見聞きしてい>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.5

作品については一度見ただけでは消化しきれなかったというのが正直なところ。単純に印象的だったところとしては爆発と音の時差。光の放出の後の、凄まじい音。あれは確かな「体験」であったと思う。

全体としては
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.6

1作目と同じく大阪ららぽーとのIMAXレーザーで鑑賞。今作については周囲の感想を見ているとなぜか自分はDUNEに乗り切れてないタイプなんだなと思わされる。

そもそものはなし、過去何度かIMAXで映画
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.3

良すぎて、喰らいすぎて、消化するのに時間が必要で、そのままレビューを書き忘れていた。危な!

ちゃんと見た映画は記録しておこうと気をつけているのに、まさかこんな重要作を今日この日まで記録付け忘れていた
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ピリオド -羽ばたく女性たち-(2018年製作の映画)

3.5

2018年と少し前の作品ではあるが、人々の表情などに「自分たちの経済はもっと成長するのだ」という前提が共有された社会の雰囲気が全体に漂っている。

男性はもとより女性も生理の話しだと言葉が出てこない様
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ラターシャに捧ぐ ~記憶で綴る15年の生涯~(2019年製作の映画)

3.3

ロス暴動のきっかけとなった少女の銃殺事件のドキュメンタリー。
取り扱うテーマの重さは十分に伝わるが、それ以外にも編集やカット割も独特で、演技混じりの回想のようなシーンも挟まったりと映像自体も興味深かっ
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ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男(2023年製作の映画)

3.7

ワシントン行進を監督した人物の話し。監督はマレイニーのブラックボトムも監督した人。

資本主義のシステムに浸透しきっていた奴隷市場はその後撤廃され、意識的な差別はすぐには無くならないがあからさまな制度
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消えた16mmフィルム(2018年製作の映画)

3.5

シンガポールでは、自国の自主制作映画がほとんど無かったようで、その点如何に日本は映画制作の土台が古くからあったのかという事を思った。
当時のシンガポールの規制を潜って入ってくる海外のアート、パンク、ポ
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彼方に(2023年製作の映画)

3.5

ラストは、はっきり絶望ではないけど、希望かといえばそうでもなく、癒しでもなく、悟りでもない。こういう言葉では言い表せない「何か」を表現するために物語があるんだろうなと思わされる。

短編なのに、いや短
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オリオンと暗闇(2024年製作の映画)

3.6

あのチャーリー・カウフマンが脚本の作品。彼が書く子供向け作品ってどんなだろうという事で見てみた。
不安症の克服、想像力の力、親から子への継承。コンパクトな作品ながら、とてもいい塩梅でいろんなテーマが込
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年製作の映画)

3.4

こんなに有名な作品なのに、なぜか見る機会が無かった今作。流石にそろそろ見ておくかということで見てみた。

監督、キャストの名前を見れば安定した高得点な仕上がりは見えていたわけだけど、まあ期待通りの面白
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ナイト&デイ(2010年製作の映画)

3.8

家族でリビングでくつろいでいるときに、見る映画としてはベストなチョイスだったと思う。

ジェームスマンゴールドの名作と言う噂は聞いていたので、見るリストには入れていて、ようやく見ることができた。

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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.8

前評判が良かったので、期待はしていたけど、それ以上の出来栄えだったと思う。
宮本茂が深く関わったと言うことで、イルミネーションだけでなく、任天堂側も随分とこだわりを持って取り組んだんだろうけど、それほ
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007 スカイフォール(2012年製作の映画)

3.2

なんとなく今まで手をつけてこなかった007シリーズ。今回新春のテレビで放送していたのを録画したので見てみることにした。

映画冒頭から、電車の上での戦闘シーンが始まり、まさに伝統的な映画のアクションシ
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アイの歌声を聴かせて(2021年製作の映画)

3.6

この作品は、映画評論家の添野知世さんがオススメしていたので、ずっと気になっていた。
そういうこともあって、観点としては、SFものとしてどう見るかと言う所がすごく気になっているところだった。
ミュージカ
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終わらない週末(2023年製作の映画)

4.0

勿体ぶられる恐怖を観客にも強要し、独特の体験をさせられる映画だった。
見ている途中は、「この映画ってどの棚に入れたらいいんだ??ホラー?ゾンビ?宇宙人もの??地殻変動もの?なんだよこれは…!!」とヤキ
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

3.7

最近フィンチャーが立て続いている。
今作はストーリーとしては(世間を騒がせてはいるものの)、わりとミニマムな世界を描いている。
エイミーのサイコぶりが楽しみどころ。にこやかだけど目の奥に闇がある感じが
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ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

4.1

なんというか自分の中で一番「映画っぽい」映画という感じで、つまりめっちゃ良かった。

ミステリーとしてはオチが弱いとかいう問題はあるかもしれないけど、自分にとってはあまり重要じゃなく、画面とかテンポの
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.8

フィンチャーはやっぱりこの域なんですね、という画面作りの巧妙さ。
ある意味、息ができなくてちょっと苦しくなる。

スミスはほんとにかじった程度でほとんど通過していないので、この完璧主義の殺し屋がスミス
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.2

もしかしたらドゥニ・ヴィルヌーヴよりも好きかもしれないなと思ったルカ・グァダニーノ監督。素晴らしい作品でした。

トレントレズナーの音楽も本当に素晴らしい。こんなに優しい音楽を作るのかと驚いた。

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逃げた女(2019年製作の映画)

3.5

ホン・サンスの映画を初めてみた。本作は登場人物が少なく、淡々と進む会話劇が中心。音楽もとても控えめである。

途中途中でふいにズームアップされるカメラワークには、正直度肝抜かれた。最初は「なにこれ!?
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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

3.9

とにかく会話劇の連続。
喋りまくるなーと思ってみてた。
途中、眠気が襲ってきて正直あんまり入ってこなかったけど、エドワード・ヤン特有のカッコよすぎるカットは目に焼き付けた。

オオカミの家(2018年製作の映画)

4.0

東京出張のついでに渋谷のシアターイメージフォーラムで鑑賞。チリの監督ということで作品自体もなかなかにディープなもんだから人の入りは少ないのかなと思って、ギリギリに到着したらほぼ満員で残っていたのは3席>>続きを読む

光陰的故事(1982年製作の映画)

3.3

82年制作ということでなかなかシュールな映像作品でした。全編オフレコなもんで、子役の口とセリフがあってないとか。

見始めた時は正直きついかなとおもったけど終わってみれば、恐竜好きの少年も、下宿してき
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恐怖分子(1986年製作の映画)

3.7

クーリンチェの一つ前の作品。明確なカタルシスは無いけど、起承転結はしっかりある。一つ一つのシーンが絵になること。。特に混血の女性、カッコよかった。

経済が発展して都会的な豊かな生活が享受される裏で起
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ロゼッタ(1999年製作の映画)

3.9

ロゼッタの環境は過酷だ。ずっと過酷な環境が描かれる中で、スタンドの定員として働いている時だけが表情が和らいでいて、そこだけ自分の心は安堵した。

最後のシーンで泣くことでようやく感情表現をした。そのあ
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.6

買い物ついでに時間が余ったのでタイミングよく本作を鑑賞できた。梅田の映画館はほぼ満員。人がよく入っていた。

話の筋がどうこういうよりやはりアクションを見る映画であることは間違いない。トム・クルーズが
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子猫をお願い(2001年製作の映画)

3.8

隣国である韓国の女性監督が2001年にこのような映画で当時の女性像を描いていたという点でとても学びになったし、当時の新しい波を感じさせる映画だった。

音楽はローファイなサウンドで打ち込み主体のベッド
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.6

忘れもしない去年の暮れ。2022年12月30日に僕は東小金井のスタジオジブリ前の細道で鈴木敏夫と宮崎駿に遭遇した。

10代の時から、いやそれ以前から宮崎駿のことを深く尊敬し自分の生きる糧にしてきた僕
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

3.8

一番大事な主題が語られるところで、寝落ちした自分が悪い。感覚的には作品の四割くらいしか受け止められていない感覚。
もう一度ちゃんと見る。

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